<観劇レポート>feblaboプロデュース「十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-」

#芝居,#feblabo

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名feblaboプロデュース
十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
脚本レジナルド・ローズ
演出池田智哉(feblabo)
日時場所2020/01/10(金)~2020/01/20(月)
新宿シアター・ミラクル(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

東京を中心に演劇の創作をする池田智哉のソロユニット、feblabo(ふぇぶらぼ)

feblabo WEBSITE

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

真夏の暑い日、見知らぬ男十二人が一室に集められた。
彼らには、一人の少年の命が委ねられていた。
有罪とされた場合、少年は電気椅子に送られてしまうのである。
現場に残された証拠は、少年の罪をゆるぎないものとしているように見える。
誰もが、有罪を信じて疑わなかった。

しかし、一人の陪審員が無罪を主張したことにより、結論は揺らいでゆく。
有罪か、無罪か。
果たして、少年の運命は?

原作は、1954年製作のアメリカのテレビドラマであり、そのリメイクである1957年製作のアメリカ映画。これらを原作にして制作された舞台作品。
密室劇の金字塔と呼ばれる「十二人の怒れる男」に、
「ナイゲン」(脚本:冨坂友(アガリスクエンターテイメント))
「桜の森の満開の後で」(脚本:南慎介(Ammo))
「俺の屍を越えていけ」(脚本:畑澤聖悟(渡辺源四郎商店))などの、密室劇会議劇を多数上演してきたfeblaboが挑みます。
feblaboとして、初の海外戯曲作品でもあります。
乞うご期待!

観劇のきっかけ

feblabo、お気に入りのユニットです。
「ナイゲン」「桜の森の満開の後で」も観ております。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時2020年1月10日
20時00分〜
上演時間120分(途中休憩なし)
価格3000円 全席自由 初日割

チケット購入方法

CoRichの公演サイトから、予約をしました。
当日受付で代金を支払いました。
十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men- | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

客層・客席の様子

男女半々くらい。女性は若い層。男性はアラフォーが多かった気がします。1人観劇が多いように感じました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・シンプル
・陪審員
・シリアス

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
時は1950年代くらいの、アメリカの陪審員の一コマ。父親をナイフで刺して殺害したという事件の陪審員の密室での検討。作品紹介の通り、数々の密室会話劇の原点とでもいうべき作品なので、いつもは長々書くストーリーはこのくらいにするも、私にとっては映画も含めて作品初見。

1場1幕劇で、音楽は全くなく、照明変化もほとんど無い、会話だけでみせる劇。ストーリーの魅力はもちろん、役者さんの会話の自然さとか、技量とか魅力とか、モロに出てしまう作品だと思うのだけれども。途中殆ど我に帰ることなく話が展開した感覚。どっぷり浸かれて、わー、面白かった〜!の感覚。

作品のテーマは、きっと語り尽くされている作品だとは思うも、自分なりにメモしておくと。
一人一人のパーソナリティや、人生の中で何を大事にしているか、とか、何を背負って生きているのか、とかいう価値観の部分が、それぞれの議論を展開して行く中で徐々に明らかになっていくのが面白い。陪審員っていう制度は、法治国家アメリカの自由を象徴するものではあるけれど、価値観に頼るこの制度は本当にいいの?という、ちょっとした皮肉にも取れる。もし8号がいなかったら、ホントどうなっていたのさ、という取り方も出来るし。きっと、3号は、息子との間に何かあって「少年」に息子の何らかの影を見てしまったことが、あの行動の原因なのだとは思うし。一方だからこそ、推定無罪、合理的な疑問、がある場合は、例え殺人犯に無罪の免罪符を与えて、釈放してしまう可能性があっても、人間がたどり着き得ない判断なのだから致し方ない、という少し上段の価値観も理解できる。そもそも、人が人を裁く、という事なんて無理なんじゃないのかな、という疑問をスタート地点にしているようにも見える。・・・そういういろいろ浮かんでくる考えを、特に説明する事なく、陪審員の審議、というシーンだけで、そこはかとなく気が付かせる脚本は、いいなぁ、と思いつつ観ていた。

もう50年以上も前の作品だから、少し台詞の古さを感じてしまう面もあり。演出の池田智哉が潤訳をしているものの、基にしているバージョンがどの時代にした訳なのかな、・・・なんてことが気になったが、細かい情報は特に記載等なく分からなかった。たまに、「あれ、この台詞、なんか時代背景を無視して話しているかも」っていうの、確証は持てずもたまに気になったりもした。。。。まあ、全体の面白さに比べると、些細な問題だけれど。

気になった役者さん。1号:吉田覚丸、体が大きくて目立ったのもあるけれど、やはりこういう会話劇作品は軸になる人がしっかりしてないと不安になる。1950年代にいそうな、ちょっと太めのお兄さんという感覚と、場の回し方がとても好き。4号:小林勇太、有罪主張するチームが、どちらかというと「感情」に流されて決めている感があるストーリーたけれど。「有罪」の納得の仕方を一緒にトレースして味わった感覚。座った席から、丁度斜めの角度の、かっこいい感じも観れた。7号:金田一央紀、先日見たfeblaboの「バー・ミラクル」で、愛人契約をしてチューしていた役者さんとは思えない変わり様。前記の通り、古い戯曲なのでたまに「ん?、古い表現だな」っていう台詞がママある芝居なんだけれど、金田一央紀のセリフには、あまりそれを感じなくて、自然に見れた。8号:坂本七秋、こちらもfeblaboで何度か拝見している役者さん。私、大好きです。feblabo以外でも拝見したいと思いつつ、まだあたった事なく。

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