<観劇レポート>やみ・あがりシアター「ロケットペンシル×ドレッドノート」

#芝居,#やみ・あがりシアター

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名やみ・あがりシアター
やみ・あがりシアター第16回公演
佐藤佐吉演劇祭2020参加作品
ロケットペンシル×ドレッドノート
脚本笠浦静花
演出笠浦静花
日時場所2020/02/19(水)~2020/02/24(月)
花まる学習会王子小劇場(東京都)

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団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」
というコンセプトのもとに芝居作りを行う。

やみ・あがりシアター//

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

さらば地球よ……!

「全体の枠組みは、宇宙戦艦×マトのパロディですよね」
「はあ」
「随所に、銀河×道999のオマージュもあるなって思いますけど」
「……え?」
「僕なんかは、人物のあり方なんかに、11人××!の××……」
「すみません、なんて?」
「え?知りません?11×い×!っていう」
「いえ聞き取れなくて」
「え?なんて?」
「ノイズがのってて」
「……ノイズですか?」
「ノイズです。なんのパロディって?」
「パロディやオマージュが、ノイズだって言うんですか?」
「え?」
「すみません、聞こえますか?」

僕はこんなに、宇宙戦艦を待っている。

観劇のきっかけ

今、公演を楽しみに待っている劇団の一つです。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時2020年2月19日
19時30分〜
上演時間110分(途中休憩なし)
価格2500円 全席自由

チケット購入方法

Confettiのサイトで、クレジットカード決済をして購入しました。
セブンイレブンで、予約番号を伝えて発券してもらいました。
当日は、整列順の入場です。

客層・客席の様子

男女比は7:3くらい。男性の年齢は幅広く、女性は若い人が目立ちました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・冒険活劇
・アニメ
・オマージュ
・笑える

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
スマホのある現代。火曜朝5:00〜放送のアニメ「ロケットペンシル×ドレッドノート」は、宇宙戦艦ヤマトを下敷きに、ガンダム、マクロス、キャプテンハーロック、銀河鉄道999…その他往年のアニメの「パクリ」要素を含んでいて、ちよっとした炎上気味。不人気なのか、15話あった放送枠が10話、8話と短くなっていき。そんなアニメの中の世界と。そのアニメに熱狂しているけれど、何処か大人になれない見知らぬ男女の関わりを描く・・・と、あまり感情込めずにストーリーだけまとめるとこんな感じ。

宇宙戦艦ヤマトを下敷きにしたパロディの展開は、純粋に面白い。どこかで聞いたようなセリフ、のオンパレード。あれ、なんか聞いたことあるぞ、の感覚が常にあり。沖田艦長の風貌といい、メーテルな衣装なのに役はアナライザーで、あのズッコケ方てるし、エメラルダスはセクシーだし、佐渡酒造は女性だけれど佐渡先生だし、スクール水着のシャアが(何故か)いるし。どの役者さんも、アニメの世界と現実の世界を行き来するのだけれど、その落差が面白い。後半になるにつれて、そのテンポも早くなっていくし、切り替えが素早くなっていく。パロディーの空間の作り方と、そのものずばりにならない、ちょっと「ズレた」感覚。宇宙戦艦ヤマトのテーマ曲のようであって、テーマ曲ではない。「のようで、ではない」的な、あの妙な音楽、歌うの大変だろうなぁ(だって、雰囲気がまんまヤマトなのに、全然違う音程なんだもの)とは思いつつ。アニメの中で展開されている世界を、ずっと見ていられた、とても面白いのに、と感じる。派手な照明、よくわからんけれど凝った衣装を基に展開する、オマージュというかパロディの、楽しい世界ではあった。

その「アニメ」を見ている2人。大学卒業出来ずにモジモジしている古代進という女性と、過去に事故で人を殺してしまったコンビニでバイトしている森雪というオタクっぽい男性と。その2人の物語が、アニメとシンクロすることで語られる物語なのだとは、思うのだけれど。アニメ内容と、現実の葛藤が、あまり繋がって見えてこない。イスカンダルに近づくほど、みんなには「歌声」として聞こえる「ノイズ」が激しくなる事が、避けがたい何かとか大人になる事そのもの、みたいなのを示しているとは思う。多分これは「やみ・あがりシアター」が割と一貫して描いているテーマなのだとは、思う。ラストのシーン、古代が包丁を持って森雪の元に向かうも、カバンから取り出すのリモコン…。リモコンでしか対抗し得ない切なさは理解しつつも、そのイメージが、2人の状況と、直接リンクしてこなかった。多分繋げたいんだろうけれど、どういうわけか繋がってこないまま、終演しちゃった、という感覚が強い芝居。やはりパロディのシーンが強すぎたのか、物語の構造的に繋がってこなかったのか・・・後者のような気がしたが、理由は上手く掴めないままだった。

ところで、本家「宇宙戦艦ヤマト」では、イスカンダルに接近したら、実はイスカンダルとガミラスは二連星で、イスカンダルに近づくと、ガミラスにも近づいていた、っていう話があるけれど。てっきりこのあたりがラストのオチになるのかなぁと思って、途中まで観ていた。結局ガミラスに当たるモノは出てこなかった気がする、とかいう事が引っかかっていたり。

気になった役者さん。内野智、ちょっとセリフ危ういところあったけれど、艦長沖田と店長沖田の落差好きだったなぁ。加藤睦望、メーテルっぽい。アナライザーの動きが思わず頭をよぎってしまって。現実世界のアナライザーは怖い。森かなみ、彼氏の真田さんと喧嘩している時の、あのちょっと自分勝手な感じ、ちょっとツボにはまってしまった。久保瑠衣香、「こっちみてるの、しょうこ」に続き、立ち姿がとても印象的。

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