<観劇レポート>東京No.1親子 「夜鷹と夜警」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、東京No.1親子 「『夜鷹と夜警』(よだかとやけい)」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 東京No.1親子 |
回 | 第2回公演 |
題 | 夜鷹と夜警(よだかとやけい) |
脚本 | 福原充則 |
演出 | 福原充則 |
日時場所 | 2020/09/11(金)~2020/09/22(火) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
ホームページにはこんなごあいさつがありました。
私は古希+1の71歳になりました。ところが体調はスコブル良いのです。 めまいも出なくなり、ギックリ腰は完治し、胃癌の後遺症も全くありません…。 今がこの世の春のようです!!これでお客様が楽しんで頂ける様な芝居に参加できたらもう私は何も思い残す事はありません…。(佐藤B作)
4年ぶり! 恐怖の演劇、東京No.1親子! 前回終わった後、稽古場に行ったら動悸がはやくなりました。第1回のトラウマを乗り越えるべく、今回親父には毒を、福原さんには睡眠薬を盛ろうと思ってます。逆に2人とも元気になっちゃったらどうしよう!?(佐藤銀平)
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
挙げ句の果ての彼方から!あの親子が下北沢に帰ってくる!!
かなわない敵と夢。刃向かう度胸も尽き果てて、膝を折って両手をついて額の置き場を探してる。ところがそこかしこに先達が。俺の土下座の場所がない…。長いものに巻かれたいのに巻いてもらえない男と女のロール・オーバー物語!
観劇のきっかけ
評判が良かったから、の観劇です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年9月16日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 4500円 早割価格 全席指定 当日指定席券と引き換え |
チケット購入方法
カンフェティのサイトで予約しました。
セブイレブンで、あらかじめチケットを発券しました。
客層・客席の様子
男女は5:5くらい。様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・笑える
・考えさせる
観た直後のtweet
東京No.1親子「夜鷹と夜警」105分休無。途中換気あり。
佐藤B作氏親子劇団。東京BSも含め初見。最初状況分かるまでちと遅め。言葉は珠玉で時折ハッとさせられる。転換も上手く役者さんも粒揃い。ただどういう訳かメッセージが上手く頭に入ってこない。なんだろうなこの感覚。どこか懐かしい感もあり。 pic.twitter.com/DTNLER5lt1— てっくぱぱ (芝居が好き・映画も好き) (@from_techpapa) September 16, 2020
映像化の情報
情報はありませんが、公演日程にあわせて配信があるようです。
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
物語の中心は、町の有力者の政治家の娘と、その政治家の悪行が怖くなって、警察に通報して干された造園技師の男。干された男が、必死に政治家詣でをして詫びを入れているのに、政治家は行方しれずで娘もつれない。娘が政治家を探すと、風俗で腹上死していた。あとをつげと秘書に迫られる娘だが、父のように汚れたくないと娘は拒み。そんな娘に、横から入れ知恵をして、自分をとりなしてくれるように頼む、造園技師。結局娘は、あとをつがずに町を出たが、風俗嬢に刺され。造園技師も、息子と町から逃げ出そうとして、政治家の死体を捨てたところをひいてしまう。。。。と、強引にまとめるとこんな感じ。
5人しか役者が出ていないのに、軸となる2人も含めて、1人の役者がが何役もする。明確にストーリーラインはあるものの、時折コメディに脱線する。脱線する話が多いからか、うかうかしていると、メインの筋を見失いそうになる。話の大枠を輪郭をを描くようになぞりながら、微妙なバランスに紡いでいく感覚。冒頭、祭りの話がいろいろ出ていた時は、一体誰が何のことやらよく分からなくて困惑する部分あり。
笑い・・・大爆笑というより、思い思いのツボで、それぞれ笑う感覚で、それぞれ感じていることが違うのかなぁ、という事が頭をよぎる。そんな笑の中、突如、思わず背筋がゾッとするような、珠玉の言葉が散りばめられる。ハッとして、ゾッとする。言葉の鋭さと、座組の役者たちが、その言葉を巧みに操る感覚は、見ていて鮮やか。唸る部分があり。
ただ、光る言葉に時折、驚きながらも、物語全体としては何が言いたいのか、上手く入ってこない。何か、生に対する、やるせなさ、どうしようもなさ、みたいなものを表しているのだとは思うのだけれど、それが何なのか、うまく頭に入ってこない、上手く捕らえられない。そんなもどかしさが、常に付きまとう。頭に入ってこないので、尚更、個々の言葉の光る、断片のみが、印象に残る。。。そんな作品だった。
私は、劇団東京ヴォードヴィルショーの作品は観た事がない。今回は厳密には、東京ヴォードヴィルショーの作品ではないが、途中に設けられた換気タイムで、過去の映像がコミカルに放映されるなど、佐藤B作の東京ヴォードヴィルショーの雰囲気を持っているのではないか、と考えた。やはりどこか懐かしい雰囲気。自分の好きな「第三舞台」の、自分もまだ観ていなかった頃の、古い映像作品を見たような、そんな錯覚にとらわれる。東京ヴォードヴィルショーは、1973年旗揚げ。「第三舞台」は、1981年。時代的には10年も異なる劇団のはずなのに、この懐かしさは何なんだろう、と、上手く言葉に表現できない自分もいる。
印象に残った役者さん。佐藤B作、生で初めて拝見。場のつかみ方が凄くて、気が付くと魅了されている。どこか、歌舞伎役者のような様相も面白い。安藤聖、女性のしなやかさと、作品のコミカルさが一人に同居している感覚が魅力的。
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