<観劇レポート>Bobjack Theater 「目を閉じておいでよ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 Bobjack Theater「〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | Bobjack Theater |
回 | Bobjack Theater vol.25 |
冠 | 〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜 |
題 | 目を閉じておいでよ |
脚本 | 守山カオリ |
演出 | 扇田賢 |
日時場所 | 2020/12/17(木)~2020/12/27(日) シアターKASSAI(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2002年6月、作家・守山カオリと役者・扇田賢が立ち上げた演劇集団。
2017年9月までに、21本の本公演と、1本の地方公演(富山)、4本の番外公演を行っている。 その他多くのプロデュース公演に脚本・演出として参加し精力的に活動している。2013年10月に上演されたSEPとの提携作品『ラズベリーボーイ』が好評を得、その後再演、続編と上演され、多くの方に愛される作品へと成長した。
近年では劇団員の多くが活躍の場を広げており、脚本守山は映画や漫画の脚色なども務め、演出の扇田は様々な脚本家と組んで多くの舞台を手がけている。役者陣の多くも年間数多くの舞台に出演している。
2016年12月に上演された第21回公演『ノッキンオンヘブンズドア』では「男女完全反転ダブルキャスト」公演が話題を呼び、観客動員数が1500に到達。多くのお客様の支持を得た。これまでの作品の基本コンセプトは『おもしろ切ない』。
題材の根底に「生」「死」というテーマがある、というと重く感じるかもしれないが、そこに登場する生きることに少し不器用な人々、彼らが繰り広げるどこか可笑しく、どこか切ない会話は決して重いものではない。
ある評論家いわく、守山の書く戯曲の最大の魅力は「根底で蠢いている独特の暗さと、繰り広げられるポップな会話の絶妙なブレンド」らしい 。…と、かたくるしく書いてみましたが、『Bobjack theaterの作品とは?』実際に一度観て頂ければわかります。
それでもわからない時には2度3度。とにかく、劇場に足を運んで頂ければと思います。
スタッフ、役者一同、心よりご来場をお待ちしております。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「これからの人生は私の余生だ……」
二田原麦子は5年前、交通事故で家族(父母兄)と視力を失った
生命保険がおりたため生活に困らないだけのお金はあり、他人と深く関わらないため麦子を傷つける者もいない、麦子はそこそこ満ち足りた毎日を送っていたそんな日々のなか迎えた家族の命日…
墓参りに訪れた麦子は兄の昔の彼女である千野真夏が倒れているのを発見。放っておけずに助けてしまう麦子と再会した真夏は、陽気で前向きだった昔と違い、世捨て人のように生きる麦子を変えようと、あの手この手を使うのだが麦子は他人に心を閉ざしたまま。
なぜなら麦子には“ある秘密”があるからで……。視力を失った女性とそれを取り巻く人々のBobjack流群像劇!
観劇のきっかけ
劇団の役者さんが気になって、追いかけています。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年12月25日 19時00分〜 |
上演時間 | 155分(10分間の休憩含む) |
価格 | 5000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで、カンフェティのサイトで予約しました。
セブンイレブンで、予約番号を伝えて決済して、チケットを受け取りました。
客層・客席の様子
男女比は8:2。30~50代の男性が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・泣ける
・笑える
観た直後のtweet
Bobjack Theater「〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜目を閉じておいでよ」155分含休10
劇団2年ぶり2度目。前半ちょっと乗り切れなかったけど、ラストへの畳み掛けが好き。前作オムニバスと比べて作風ちと違う。成井豊、キャラメルボックスに似てる感強く「アローン・アゲイン」を思い出す。 pic.twitter.com/8sdSove29q— てっくぱぱ (@from_techpapa) December 25, 2020
映像化の情報
DVDの予約チラシが入っていましたので、映像化されると思います。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
演劇集団キャラメルボックス、あるいは成井豊の脚本を思い起こさせる作品だった。特に、死にゆく人が見えてしまう人物設定に「アローン・アゲイン」を思い浮かべた。
2年前に見た、短編集「ライナスの毛布」は、どちらかというとハートフルな短編集。そんな作品を期待していた部分もあったのだので、「あ、キャラメルっぽい」と気が付いたときは、ちょっと面食らい、前半はちょっと感情が乗りきらなかったものの。後半、畳みかけていく過程は、グイグイと引き込まれた。他のキャラメル作品同様、この種の作品は、感想を書くのがとても難しい。
盲目の主人公、森岡悠の迫力が凄かった。前半、盲目ながら割と控えめな演技。ラスト、墓地のシーン。丸山正吾演じる加害者に叫びかけるシーン。演者は皆、透明マスクをして演じる作品だったが、あまりの迫力の演技で・・・これは書くかどうか迷う所ではあるけれど・・・汗やツバが、マスクから滴り落ちている。叫びかける感情の発露が、奇しくもマスクで良く見える。その光景に、盲目で生きる事への必死さに、とても引き込まれた。
丸山正吾演じる加害者。脚を引きずる演技。あれ、どこかで見たぞ、と思ったら、劇団唐ゼミ☆「あれからのジョン・シルバー」でも同じような役所だった。ジョン・シルバーでの凄みのある表情とは打って変わって、自責の念に囚われ続けている弱々しい表情が印象的。ドガドガプラスでの役所といい、役によっての変化がものすごい役者さんだな、というのを改めて感じ。
何度か拝見している役者さん、蜂巣和紀演じる配達屋さんが出てくると、ついこちらも、笑顔になってしまう。底抜けな明るさの破壊力も、印象に残った。