<観劇レポート>ゴジゲン「朱春(すばる)」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ゴジゲン「朱春(すばる)」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | ゴジゲン |
回 | 第17回公演 |
題 | 朱春(すばる) |
脚本 | 松居大悟 |
演出 | 松居大悟 |
日時場所 | 2021/04/01(木)~2021/04/11(日) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2008年、慶應義塾大学演劇サークル“創像工房 in front of.”内で結成。
主宰の松居大悟が全ての作・演出を手がける。
メンバーの出身地は、福岡・島根・沖縄・北海道・岐阜・富山となぜか地方に偏っている。ヨーロッパ企画主宰の上田誠氏が「意気の上がらない人たちがワチャワチャするコメディ 」と称するように、不器用にしか生きられない人間達が紡ぎだす軟弱なシチュエーション コメディを上演していたが、近年は作るってなんだよ生きるだけだろと主張。
2008年より年2~3回の上演を精力的に行っていたが、2011年「極めてやわらかい道」の後、3年間の活動休止。
2014年「ごきげんさマイポレンド」より活動再開。2017年に初の3都市公演「くれなずめ」で2000人以上を動員。全国を視野に入れて、下北沢を中心に活動中。
過去の観劇
- 2022年04月22日 ゴジゲン「かえりにち」
- 2020年01月07日 ゴジゲン「ポポリンピック」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
小さな暗闇で、まぶしい春を願った。
ちょっと願いすぎなぐらいに。
お前のためじゃねえよ。
お前のためじゃねえと思ってるよ。
さあ!パーティーの始まりだ!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年4月2日 19時00分〜 |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
価格 | 3800円 全席指定 |
チケット購入方法
カンフェティのサイトで予約して、予約番号をもらいました。
セブンイレブンで予約番号を伝えて、クレジットカード決済しました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。様々な年齢層の方がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・泣ける
・笑える
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
ゴジゲン「朱春(すばる)」95分休無
得体の知れない寂しさ。青春があって、朱夏があって。夏休み最後の日の、あのどうしようもなく切ない感覚を、感覚として見事に切り取る。胸熱というか、愛おしい眼差しで世界を見た。2つの世界(時間)を行き来するも、解釈に寄り過ぎないのも面白く。超オススメ! pic.twitter.com/KnMlJXhkWJ— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 2, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
男6人のお笑いグループ。解散前、最後の温泉旅館での営業を終えた、お笑いグループ「ジュバル」。割当たられた部屋に戻って、解散を知らせるツイートをしようとするのだけれど、なかなか思い切れない。別部屋の、同じ舞台に立っていた別のお笑いグループを、窓越しにおちょくっていたら、そのグループの男が部屋に入り込んできた…と思ったら、メンバーの1人にそっくり。乳首をめぐるケンカが始まり…、過去の自分と今の自分が交錯する。お笑いグループに終止符を打とうとして、なかなか打てない男たちの、思い出や未練を綴った作品。
観ながら、ものすごく切なくなった。目の前で展開されているお笑いグループの寂しさとは別の、自分の事を考えた。お笑いグループの会話にあちこちで何度も笑いながら、でも、とにかく寂しい。胸引き締められる。・・・これ、何かに似ているなぁ、と思っていたのだけれど。後半の寂しさを抱きしめろ、なんてちょっとクサい様子を見ていて、「あ、これ、夏休みの最後の感覚」なんじゃないかなぁ、と思った。
青春時代にお笑いグループを始めて、朱夏・・・青春の次の期間・・・にお笑い芸人としてあがいて。その最後、夏の最後の、夏休みの最終日の光景を、今、見ているのかなぁ。そんな事を思うようになった。ラストシーンで桜吹雪がなびくのだけれど、なんで夏を連想するのか。そんな不思議な感覚があった。
どこかで同じような話を、観たことがあるような気もするのだけれど、何かを終えたくない、終止符を打ちたくない、という感覚の物語はたくさんあるのかもしれない。その中で、古い旅館の一室、とてもリアルで効果的。この小さな世界で、でも無限に広がる世界で、でもやはり小さな世界で、見える風景、という切り取り方が良かった。
ケンカを売るもう一つのグループは、実は自分達の将来だったり、過去だったり、という演出。ただ、その時間を行き来する設定を、あまり細かく追求せずに、ライトに「過去が見える」「未来が見える」的な魅せ方をしているのがとても効果的だと思った。きっと台本だと、どこがどの時間軸、みたいな事を意識して作っているのだろうけれど、客(少なくとも私)は、その曖昧なラインを上手く認識できていなかったように思う。ただ、そんな事認識しなくても、感覚的なところで十分「過去」「未来」を認識して理解できるのが、とてもいいなぁ、と思った。
「乳首見せろ!」ってやり取りが、面白すぎる。男の乳首見て、誰だか分かるのか(笑)。スズナリの階段、受付に並んでいたら、群馬のお笑いライブのチラシが貼ってあって、「ん?何故にスズナリに群馬の温泉?本多グループ地方営業に事業拡大中??」と不思議に思ったのだけれど、ここから既に世界観に引き込まれていたのは観終わってから知る。