<観劇レポート>ワイルドバンチ演劇団 「喪服、緋色の。」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ワイルドバンチ演劇団「喪服、緋色の。」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 乙戯社×ワイルドバンチ演劇団 コラボレーション公演 |
題 | 喪服、緋色の。 |
脚本 | いちかわとも(乙戯社) |
演出 | 古田 龍(ワイルドバンチ演劇団) |
日時場所 | 2021/05/20(木)~2021/05/23(日) スタジオ「HIKARI」(神奈川県) |
団体の紹介
ブログ形式のホームページはあるのですが、団体紹介が見当たりませんでした。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
江戸中期。行商を生業にしている清七は、顔も知らぬ父を探しに、遠く深川までやってきた。
手がかりは一振りの刀。
もとは自分と母を棄てた父の持ち物で、この刀を返す事が、母の長年の悲願であったからだ。砂の中から一粒金をみつけるような人探しの最中、清七は巳之助という男に出会い、なかば強引に花街へ案内されそうになった。
それを見咎めたのは辰巳芸者の政吉であった。出会った瞬間から、彼女に心を奪われてしまった清七は、この縁をきっかけに政吉と逢瀬を重ねるようになる。
やがて二人はある誓いをかわした。
しかしその未来への淡く希望に満ちた誓いからは、なぜかほの暗く湿った血の香りが漂ってきたのだった。星明りだけを頼りに夜の海を進む舟のような、未熟で危うく激しい恋心は、いったいどこに流れ着くのか……
歌、殺陣、踊りを巧みに織り込んで構成されたエンターテイメント時代劇。
乙戯社×ワイルドバンチ演劇団による初めての共同製作によって令和三年五月開幕。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年5月22日 14時00分〜 |
チーム | 雨音チーム |
上演時間 | 80分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ブログからのリンクで予約しました。
当日、受付で現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。若い人とミドル層が半々くらいでした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・ミュージカル
・恋愛劇
観た直後のtweet
乙戯社×ワイルドバンチ演劇団「喪服、緋色の。」
80分と短めの音楽時代劇=ミュージカル。ストレートな悲恋もの。ちと粗削りな部分目立つも面白かった。何度かリプライズするメインテーマが良く耳に残る。周りの物語、特に豆奴と巳之助が気になる。周囲を描くとメインがより際立つ気がして少し惜しい。 pic.twitter.com/PGrZZzd3bp— てっくぱぱ (@from_techpapa) May 22, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは事前紹介の通り。80分の割と小さめのミュージカル。悲恋もの。ストーリーはどこかで見た事があるようで割とベタではあるものの、メインテーマの曲がとても耳に残る良い曲だった事もありミュージカルとして楽しめた。
劇中、重要なモチーフになっているのが「比翼の鳥」。想像上の鳥。二羽で一羽。二つで一つの象徴。恋焦がれるも、状況が許さずに結ばれない2人が夢見る存在として描かれる。ラストに向かって、お互いが恋焦がれて、無理をしていく様。迫力ある殺陣と、要所要所でリプライズするメインテーマの曲、そして二人のキスシーンがとても美しい。悲恋ものなので、それ以上の複雑な感情が産まれてくるわけではないのだけれど、甘美さと哀しさを兼ね備えた時間に酔いしれた。衣装が全編和服、着物姿なのもいい。
秦建日子のデビュー当時の作品に、「比翼の鳥」という作品がある。学生時代にその作品に触れた事を、ふと思い出す。狂言回しのピエロと共に、悲恋の男が自殺するまでを描く話だった。舞台は現代で、ミュージカルではないけれど、モチーフが同じだけに、話の構造が似ている事がふとフラッシュバックする。
大手制作会社が作るミュージカルは、大抵、3時間に迫る上演時間が一般的。だから、80分のミュージカルを「小さめ」と感じた。むしろ、逆に一般的なミュージカルは何故そんなに長いのか、という事が気になる。考えるに、歌で感情とか状況を表現するのは、結構(上演時間として)時間、尺が必要なのかな、という事に改めて気が付く。この作品は、全編オリジナル曲だと思うので、尺の観点でも、そこまで創り込むのは、中々大変な作業なのかもな、と想像したり。実際、花街の遊び場の実態とか、父と母との出会いと別れといったことが、あまり詳しくは描かれていない。そして特に惜しいのは、豆奴と巳之介の物語。あのこじれた関係は、どうしてうまれたのか。もう少し突っ込んで知りたいのに、軽く触れる程度でサラサラ流れてしまう感覚。改めて、ミュージカルって、外堀を埋めるのが大切なので時間が長いのかな…、というのを思ったり。
照明、面数の少ないチェイスを多用しているのが気になった。あまり場面に合っていない。普段はあまり思い至らない照明を、思わず気にしてしまった。