<観劇レポート>劇団献身 「スケールⅡ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団献身「スケールⅡ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団献身 |
回 | 劇団献身第15回本公演 |
題 | スケールⅡ |
脚本 | 奥村徹也 |
演出 | 奥村徹也 |
日時場所 | 2021/10/15(金)~2021/10/20(水) OFFOFFシアター(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
早稲田大学演劇倶楽部出身の奥村徹也が、卒業後1年間のサラリーマン生活を経て2014年に旗揚げした劇団。
「ノンストップナンセンスコメディ」と銘打ち、3秒に1度放たれるギャグを武器に、ワンシチュエーションはもちろん、ハイスピードかつ複数の時間軸で構成された世界を縦横無尽にふざけ倒すことで100年規模の壮大な物語を立ち上げる作風も得意とする。2014年9月に「劇団献身」として初の公演『この岐阜の果て』では全ステージ完売。2015年は、7本の新作を上演するなどハイペースに活動。2016年には下北沢OFF・OFFシアターにて、劇団として初のロングラン公演を行い、成功を収める。2017年には初の駅前劇場にて第10回本公演を上演。1040人を動員。
2020年、MITAKA“Next”Selection 21stに参加、初の公共ホールにて公演を行った。
現在も年1回程度のペースで公演を重ねながら、メンバーそれぞれが商業舞台、TVドラマ、映画などに進出し、活動している。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
あいつが世界一の男なら、
負けた私も惨めじゃないのに。
劇団献身初めての、たぶん恋の物語。
そして家族の物語。
いずれにせよ行き詰まる、男と女の物語。
大事なことは、スケールを大きくしてごまかせ。
私が前を向けるよう、私以外は最強であれ!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年10月20日 14時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで、予約しました。
当日現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
年齢層は様々ですが、平日マチネなのか、あまり劇場で見ない層のお客様がいたような。
固定ファンを掴んでる劇団、の感触のある客席です。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・シリアス
・笑える
・考えさせる
観た直後のtweet
劇団献身「スケールⅡ」105分休無
劇団初見。面白かった!コメディだけどシリアスだけどコメディ。言葉の語感が鋭い。女の、恋へのケリの付け方…なんだろうけど。そんな一言じゃ片付かない豊かさがと広がりある。ラストの落としはちょっと好みじゃないけど。ハッチポッチは神だよね〜。超オススメ! pic.twitter.com/O2h4SKNuJs— てっくぱぱ (@from_techpapa) October 20, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
高校時代。突然告白された男子・・・ジュンとつきあい出し、それなりに幸せな時期を過ごした女、オサム。でも実は、その告白は男仲間の中での罰ゲームの結果だった。せっかく同じ大学に合格するも、行くのをやめて引きこもりになる。同じ時期、オサムの母も離婚して、二人で細々と暮らす。そこに訪ねてくる高校時代の親友の川久保と、同窓会の知らせ。ジュンと再会するオサム。何となく付き合い出す二人だけれど、ジュンはマルチ商法の餌食になっていて、オサムは借金返済のためにシャンプーを売り出す・・・。と強引にまとめるとこんなお話。
劇団初見。信頼している観劇おじさんのお勧めもあり、噂は長い事聞いていたのに、コロナの延期なんかもあり観れてなかった。
描いているのは、女視点の、男への想いのケリの付け方…、という事なのかな。オサムのジュンとの関係と、母のまだ籍は抜いていない夫との関係と、バイト先での新しい恋。それぞれのケリの付け方を淡々と描く感覚。そこに、かなりブッ飛んだバイト先の渋谷が、常に物語を茶化してくる。
作風は、人間ドラマ・・・と言ってしまえばそうなんだけれど。全編を貫く純粋に笑いを誘うコミカルさと、一方で人間ドラマとしてのしっかりとした深刻さ。さらにそれをストレートに語り過ぎない、覆い隠すようなコミカルさの、三重構造。笑いつつ、濃厚。面白かった。ラスト。大きな敵と戦う、、、、いや、相手を大きな敵だと考えれば、戦えるぞ、っていう落し方。私としては、濃厚なもの観た後、だいぶ「ありきたりな結論」をブッ込んできたな、という感覚が強くて、ラストは好きにはなれなかったけれど。それ以前の濃厚さをかき消す程でもなくてギリセーフ。劇団がいつもこの作風なのか分からないけれど。ちょっと継続して観続けて、他の作風も観てみたいと思った。
役者さんが魅力的。劇団公演は来年夏までないみたいなので、他での客演等が楽しみ。納葉、私の中では「逢いにいくの、雨だけど」の印象が強い役者さんなのだけれど、全く違う方向の演技で驚き。ダウナーで落ち込んでいる様子と、いたずらっぽい視線の差が魅力的。細井じゅん、この手のダメ男を演じると今小劇場界で右に出るものはいない、な感覚。川久保晴、MCRの印象強いも好演。加瀬澤拓未、登場での軽い笑いが嘘のように、気が付くと「お母さん」が板についてる不思議。渋⾕成増、とにかくブッ飛んでるけれど、みんなが感動的なやり取りしている時のtwitter見ているのが好き。松尾太稀、この物語だとちょっと損な役回りかもだけれど、憎めなくもないワル、って感覚。
そうそう。ハッチポッチ・ステーションのオープニングは、神だよな~。見る度に、今日はどのバージョンかな、って思ってたしね。