<観劇レポート>劇団癖者「私、めんどくさい」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団癖者「私、めんどくさい」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団癖者 |
題 | 私、めんどくさい |
脚本 | 下城麻菜 |
演出 | 下城麻菜 |
日時場所 | 2021/11/10(水)~2021/11/17(水) OFFOFFシアター(東京都) |
団体の紹介
劇団twitterにはこんな紹介があります。
癖者です。 癖者とは、何も出来ない人間代表下城麻菜(
@kaodekamanachan)主宰の団体。 応援歌ならぬ応援演劇を作るため日々奮闘中!
過去の観劇
- 2022年10月22日 劇団癖者「みんな大好きだったっしょ!」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
胸の辺りが苦しい。ざわざわ。眠れない。
あーあーあー、
ちょっと言いすぎたかもな。
顔ひきつってたもんな。悪いことしたな。
うっ…今更考えてもしょうがないよね、
いやいや、もっと言ってやっても良かったでしょ。向こうが悪いんだし。私 って、かなり性格悪いのかも。
でも悩めてるだけ、自分のことばっかり考えている 、あの子やあの子よりましだよね。
いや、 こんなこと考えてる時点で性格悪いでしょ。
いやでも 悩めてるだけましかも。でもでも。
あ~もう!!!!!!! めんどくさい!!!!!!私!!!!!めんどくさい!!!!!!!!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月11日 14時00分〜 |
上演時間 | 85分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 全席指定 |
チケット購入方法
公演ページのリンクから予約しました。
当日、受付でお金を払い、座席指定の券をもらいました。
(座席指定はできませんでした)
客層・客席の様子
男女比は8:2くらい。
女性出演者が多いからか、30代upの男性が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
劇団癖者「私、めんどくさい」85分休無
万人受けするか分からないけど、面白かった。割とスロースタートな物語。イマジナリーフレンドというか、自意識?自己防衛?。そんなめんどくさい、私、の描き方が絶妙だった。誰でも、めんどくさい私いるよなーとか。みんな子供。赤ちゃんが凄い。オススメ。 pic.twitter.com/Ic7Btk2Ozw— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 11, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
保育園で保育士として働く、ゆり。幼いころから自分を抑えていて、他人に嫌われないように「いい人」を演じて生きてきた。今年の保育園の入園者は、ハイハイも出来ない赤ちゃん1人だけ。どうやらリストラが走りそうだぞ。でも、同僚の保母さんは、みんな子供っぽくて会話にならない。自意識のような、イマジナリーフレンドというか、脳内の「私」と会話して、自分を責めて卑下する日々。でも、避けていた姉が訪ねてきて、避けていた親戚の結婚式に出ろという。そこから爆発して、「自分」を出してみる。でも、やっぱり上手くいかない。入園した園児の1年の成長を追いながら、「めんどくさい私」とどうやってつき合っていくのか、を考えるお話。
舞台は保育園の育児室。冒頭の設定の説明のあたり。保育園の経営状況の説明がホンワカしていたり、子供より子供っぽい同僚の保育士達の振舞いが鼻につく。一体何の話だろうか?と、かなり戸惑うも。後半に進むにつれて、徐々に物語の軸が見えてくる、割とスロースタートなタイプのお話だった。主役のゆりは、一般的に見たら「めんどくさい」とは対極にいる人。自分自身の「めんどくささ」を、抑えて抑えて、面倒な仕事も引き受けて、でも本当は嫌で、葛藤しながら生きている。そのゆりが、回りに「うるせ~」と言い放って、自らのタガを外してみたらどうなるのか。そんな様子を、もう一人の「私」と会話し、ケンカしながら描く。
誰だって、自意識、自己嫌悪の海の中に溺れることもある。誰だって、自分の「めんどくささ」を持て余すことがある。でも、劇中のセリフの通り、「自分の機嫌の取り方は、自分で考えるしかない」。もがいて、もがいて、自分の機嫌を取るのは、どこか自己嫌悪を伴うんだけれど、それ、悪い事じゃないよな、という。誰もが持ちそうな内省的な葛藤が、物語の後半で自然と浮かび上がってきて、観ていてフムフム、と唸ってしまった。
周りで働く保育士達は、正に「めんどくささ」を、ド前面に出して、子供っぽく生きている人々。保育園、という設定に引っかけて、子供以上に子供っぽい面々が、何故か集まってる(むしろ、保育士達の保育園、という風になってるのが面白い)。だからこそ自然とゆりの「きき分けの良さ」が浮き立ってきてしまうのが効果的で、前半よく分からなかった保育園の設定が腑に落ちたのが面白かった。
気になった役者さん。ゆり役の、きゆう。一度タガが外れるシーンと、それまでのシーンの差に驚いた。あれ、同じ人かな、とか思ってしまったし。イマダトム、赤ちゃんの動きが、正に赤ちゃんを的確に表現していて、ついつい引き付けられてしまった。ボールの投げ方とか、うちの子もあんな感じで投げてた、とか思い出したり。