<観劇レポート>2223project「劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます”」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 2223project「劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます”」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 2223project |
回 | 2223project produce 劇団晴天第12回本公演 |
題 | 劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます” |
脚本 | 大石晟雄 |
演出 | 大石晟雄 |
日時場所 | 2021/11/25(木)~2021/12/05(日) 上野ストアハウス(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
気が付かないふりをしたい現実から目を逸らさず、辟易しない優しさを誠実に描く。
無自覚な心の傷に沁みる、 明日もがんばろうと思える演劇。
シンプルな会話と本当の音がする物語で、センスでもアートでもシュールでもない、
次世代のスタンダードを目指す。
2015年佐藤佐吉賞優秀脚本賞、2017佐藤佐吉賞主演女優賞(鈴木彩乃)を受賞
過去の観劇
- 2023年12月03日 2223project ハナコキカク「おかしな二人~女性版~」
- 2023年07月12日 2223project 劇団晴天「共演者/同級生」
- 2022年06月24日 2223project 劇団晴天「捨て身のハンサム」
- 2021年04月17日 劇団晴天「獣道すらないぜ、令和」/『1つの部屋のいくつかの生活』#3
- 2020年11月07日 2223project 「劇団晴天の「曇天短編集」vol.2」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
劇団晴天の『曇天短編集』vol.3
止まない雨がないことも、
6秒待ったら忘れることも、優しい嘘があることも、
自分らしく生きた方がいいことも、
知っているので、せめて少しでも、憂さが晴れる短編集。1/『雨が止むのは知ってます』
荒木広輔・白石花子
■母を殺すと決めてから、裏腹に夫婦の会話は増えていた。
セックスレスはもう4年。大きく息を吸い込んで、はじめて戦う深夜2時。2/『たいふうとおまつり』(リライト)
黒田愛香・近藤陽子・佐藤沙紀・角田悠
■台風の夜にいなくなった姉が一年ぶりに帰ってきた。一晩では足りないし、一瞬でも構わない。
懐かしい音楽みたいなお話×エモファンタジックバトルオブラップ3/『浮気はしたい』
榎本ゆう・鈴木彩乃 ・竹林佑介
■「わかるよ。人間だった相手がだんだん毛布みたいになって、毛布みたいだったのがタオルみたいになって、」
しばらく家を空けた夫の亮介に会いに行ったすみ子は、骨壷になった浮気相手を紹介される。幕間/『推しのいる星』
榎本ゆう
■Q・推しの晴れ舞台と彼氏の誕生日が被りました。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月29日 18時00分〜 |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 事前クレジットカード清算 |
チケット購入方法
CoRichで「事前清算」を選択して予約しました。
送られてきたメールの指示に従い、PassMarketでカード決済をしました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらいで少し男性多め。
40代upの年代が多いように感じました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・シリアス
・泣ける
・シンプル
観た直後のtweet
2223project produce 劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます” 95分休無
3編のオムニバスと縫うように小編1。めちゃよかった!2本目が私の知ってる晴天節で涙。1・3本目は少し不思議な世界。会話から始まって高まる感情を叫ぶように表現する独特さは健在。観れて幸せ。超オススメ! pic.twitter.com/ytGkOpMtKf— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 29, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
静かで淡々としているけれど、でも、叫ぶようにお互いの感情をぶつけ合う。その感情のぶつけ合いが、意外なところを突いてくることが多くて、心の隙間に染み入ってくる。そんな劇団で、大好きで続けて観ている。
3編の短編と、その3編を貫く幕間の短編。2本目『たいふうとおまつり』が、これまで観た劇団晴天に近い作品。1本目、3本目は、(私の観たこれまでの作品からは)ちょっと異色な空間。いずれも、劇場が静まり返って、近くを通る電車の音が聞こえてくるくらい、会話のやり取りに引き込まれた。
1/『雨が止むのは知ってます』
どちらかと言うと女性側の視点で描く、介護の辛さ。病気の母を殺すと決めたものの、直前でビビる男。男には分からない。いや、どこか勘違いして理解しているのかもしれない。「どこで間違ったんだろう」という台詞の通り、それまでの2人の夫婦生活が、30分の会話から有り有と想像出来る。ラスト、ん?仲直りしたのか?と思ったら、離婚届に納得。殺す直前、っていう不思議な時間だった。
2/『たいふうとおまつり』
「死んだxxさんが天国で悲しんでるよ・怒ってよ」っていう言葉を何気なく使うけれど。本当に天国のxxさんがやって来たら、どう怒るんだろう、どう悲しむんだろう。しかも、死んだ(行方不明)の姉は、ラップが大好き。小説を書くのを諦めた妹に、姉はどんなラップで妹と語るのか・・・っていうのを物語にしたもの。突如現れた姉は、幽霊なのか、想像の産物なのか、結局語られないけれど。姉と妹のぎこちないラップバトルが、見ていてヒリヒリするような喪失を孕んでいて、観ていて辛かった。
3/『浮気はしたい』・幕間/『推しのいる星』
浮気した相手の死を受け入れられない男。妹の部屋にかくまわれながら、骨壺に、まるで相手が生きているかのように話しかける。そこに妻がやってくる。・・・妹は、その光景を見て、支配欲の強い彼氏と別れる決意をする。
一夫多妻制は、本気で言っているのか、それとも浮気のいい訳なのか。はたまた、背後で一体何があったのか、ラストまで観ても、明確に語られない状況があるけれど、当人達にはとても深刻な状況を、少し滑稽で不思議な空間として描いていて、面白かった。