<観劇レポート>CACHU!NUTS「セーラー服を溶かさないで」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 CACHU!NUTS「セーラー服を溶かさないで」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | CACHU!NUTS |
題 | セーラー服を溶かさないで |
脚本 | 中嶋康太(Mrs.fictions) |
演出 | 中嶋康太(Mrs.fictions) |
日時場所 | 2021/12/22(水)~2021/12/26(日) イズモギャラリー(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
はじめまして。カチューナッツです。
川口知夏と熊谷有芳が一緒にお芝居をしたいという欲望から、
2021年夏に結成しました。
生まれも育ちも性格もなにもかもバラバラなわたし達の、
たった一つの共通項は演劇。
好きな人やものをかき集めた、
最高にハッピーな演劇をつくります。わくわくする時間を、あなたに。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
― バカがやる不倫劇 ―
「昔はよかった」とか「若いころはキラキラしてた」とか言ったらあの頃の私は絶対に怒ると思う。
だってあの頃はあの頃で青春とか恋愛とか欲望とかそういう得体の知れない怪物の口に放り込まれてドロドロの揉みくちゃにされていたんだから。
なのに、そこからベッと吐き出された先が社会だったので仕方なく右往左往しているうちに、いつの間にかあの頃の思い出を甘い飴玉みたいに転がす怪物の側に回ってしまった。
こんなことならいっそあの頃、ひと思いに飲み込んでくれればよかったのに。大人になれば他人の気持ちがわかるようになったり、
湧き上がる情動を抑えられたり、
きっともっと賢くなると思っていた私達が繰り広げる、
バカしか出てこない不倫劇。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年12月22日 14時00分〜 |
上演時間 | 70分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 わくわくじゃない普通チケット(自由席) |
チケット購入方法
CoRichのリンクから予約しました。
当日、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は9:1。40代upの男性が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・会話劇
・考えさせる
・ちょっとエロい
観た直後のtweet
CACHU!NUTS「セーラー服を溶かさないで」70分休無
チラシのイメージだと、えぐいのかなと思ったけど、適度に程々?。コミカル、でも扱ってる問題は結構深い。以前観たMrs.fictionsの作品を思い出す。川口・熊谷ペアの魅力満載だけど、浅利ねこさんの立ち位置好き。あの背負う機械なんだろ。オススメ! pic.twitter.com/LnYkhVGciQ— てっくぱぱ? (@from_techpapa) December 22, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
とまるの夫、ビデ夫が不倫していた。しかも、性欲の強い不動産の営業担当の女性とセックスを重ねていたらしい。彼女はどうやら、単に性欲が強いだけで、男に気があるとか、寝取りたいとかいう他意があるわけではないように見える。そんな中、高校時代、とまるに憧れて、あんなことやこんなことをして遊んでいたしおりに、偶然出会系で再開して、悩みを聞いてもらう。しおりは、どうやら「エッチな店」で働いているらしい。とまるは、彼女のお客として店にいく…と強引にまとめるとそんなお話。
不倫というより、むしろ「性欲」についてのお話。「セックス」って言う語は一度も出ず「仲良くなる」って表現に置き換えられている。その割に、淡々と描かれている事実は大胆でストレートな、性欲。開けっ広げなのか、恥じらい隠しているのか、よく分からない曖昧な中で語られる、性欲。性欲のどうしようもなさを、コミカルに淡々と浮き立たせていく感覚。
どちらかと言うと、男性的な性欲の話を、女性の物語に強引に乗っけているのではないのかなぁ…と感じる。男性の私視点だと、浮気する夫も、性欲の強い夫もビデ夫も、不動産営業の「やわらかさん」の感情も、違和感なく素直に納得してしまう。女性が観ても、同じような感覚なのかな、というのが気になる。まあ、男性の性欲を、女性が想像できないのは、永遠の問題なのかもしれないけれども。
中嶋康太のMrs.fictionsの作品は、まだ一本しか観たことがないが、以前観た一本「月がとっても睨むから」を思い出す。この作品もいろいろと複雑な物語がありつつも、結局のところ「性癖」とか「性欲」が巻き起こした問題を、割と淡々とライトに、でもド直球に描いているのが印象的だった。今回も、物語自体はものすごく淡々とあっさりしているのに、「あー結局は下半身だよなぁ」なんてゲスな事に思いを馳せずにはいられない。中嶋康太の作品の、ひとつの特徴なのかな、と想像う。
川口知夏と熊谷有芳のユニット。ちょっとエッチな内容だし、必然的に2人の魅力全開な作品。いつも妙に楽しそうな川口知夏と、怒っている…というかツッコんでる熊谷有芳のが印象的。加えて、浅利ねこの演じる、性欲の強い不動産営業担当の役所が面白い。冒頭の地味な登場と、後半の戦隊モノのピンクの"私服"を着て、妙に悲しそうなのが印象的。