<観劇レポート>アナログスイッチ「白片つぐつぐ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 アナログスイッチ「白片つぐつぐ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | アナログスイッチ |
回 | アナログスイッチ 18th situation |
題 | 白片つぐつぐ |
脚本 | 佐藤慎哉 |
演出 | 佐藤慎哉 |
日時場所 | 2022/03/16(水)~2022/03/22(火) 駅前劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
「笑い損ねた日には、ちゃんとしたコメディを。」
2012年に旗揚げ。
「ゆるくて笑えてほっこりする」ワンシチュエーションコメディ劇団。
毎回一つのシチュエーションをテーマに、舞台を作り上げる。
人物の実感から外れることなく、湧き出る感情、人間の可笑しさから観客の笑いを誘う。
観客を笑わせつつも、しんみりさせ、最後にはほっこりと優しい気持ちにさせる作品が多い。
過去の観劇
- 2023年05月14日アナログスイッチ「信長の野暮」
- 2020年10月24日アナログスイッチ「みんなの捨てる家。」
- 2019年08月09日アナログスイッチ「かっぱのディッシュ!」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
日本統治下の朝鮮京城、今のソウル。
かつてその街の外れに日本と朝鮮の関係を繋ぎ止めようとした日本人がいた。
彼の名前は浅川巧。
朝鮮服に身を包み不思議な魅力を持つ彼に、吸い寄せられるように集まる人々。
彼らは白い焼きものに日本と朝鮮の明るい未来を見る。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年3月17日 14時30分〜 |
上演時間 | 130分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 全席指定 |
チケット購入方法
劇団のホームページからのリンク先で予約しました。
当日、受付で現金でお金を払いました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらい。様々な年齢層がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・笑える
・静か
・考えさせる
観た直後のtweet
アナログスイッチ「白片つぐつぐ」130分休無
朝鮮併合付近の時代の、日本人と朝鮮人の交流を描いた物語。よかった。劇中珍しく時計を一度も見なかった。おそらく実在の人物の話だと思う。結末はある程度読めてしまうけど、会話のやり取りに浸りきった。コメディ要素はなくてもいいかも。超オススメ。 pic.twitter.com/m3g56WPrCT— てっくぱぱ (@from_techpapa) March 17, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは事前紹介の通り。終演後に調べて知ったが、実在の人物、浅川巧の物語。日韓併合から、日中戦争に向かう時期、韓国にあって、植林や陶器の研究に従事した日本人。こちらも実在の「朝鮮民族美術館」の開館までの道のりと、朝鮮の人々との交流を描く作品。恥ずかしくも、こんな日本人がいたとは、この物語を観るまで知らなかった。
(事実上の)占領下において、市井の普通の人々が友情をはぐくむ…というお話は、どこかで聞いた事があるようでもあり。所々にコメディチックな要素が織り込まれていたからか、ふと映画「グッドモーニング, ベトナム」を思い出す。劇中、このままでは朝鮮が無くなってしまう…と叫び、反日運動に身を投じていくセジンは、どこか、同映画のツアンを思い出したり。元々、他国を占領する事自体がねじ曲がっていて、ねじ曲がりからスタートしている以上、どこまで友情を温めても、どうしてもねじ曲がった結果になってしまう。時代設定を知ったところから、どこか結末は見えてしまっていたけれど、そのどうしようもなさと、それでも意思と経緯を貫き通そうとした日本人がいた事に、敬意の念を感じた。
アナログスイッチ、今回で3作目の観劇。自分好みのテイストな作品を創る劇団なのは間違いなく、お気に入り確定。前2作では、作中出てくる「笑い」の要素がが効果的だったけれど、今回の作品に関しては、コメディタッチの要素は無くても良いかな、と思った。純粋に歴史を回顧する作品にしても、十分良かったと思ったり。コメディ要素をそぎ落とすと、どこか、「劇団印象」に作風が似ているかな、とも思う。
気になった役者さん。ぎぃ子、前回観た「みんなの捨てる家。」も印象的だったけれと、今回は物語の語りべも兼ねた朝鮮人の役。印象が大分違って驚いた。浅見紘至、官憲…要は権力の手先の一員の視点で、朝鮮人に対する本心の部分と、建前の部分を感情的に描いているのが印象的だった。