<観劇レポート>やみ・あがりシアター「マリーバードランド」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 やみ・あがりシアター「マリーバードランド」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | やみ・あがりシアター |
回 | 第17回公演 |
題 | マリーバードランド |
脚本 | 笠浦静花 |
演出 | 笠浦静花 |
日時場所 | 2022/03/17(木)~2022/03/21(月) 北とぴあ ペガサスホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」
というコンセプトのもとに芝居作りを行う。
過去の観劇
- 2024年05月02日【観劇メモ】やみ・あがりシアター 「フィクショナル香港IBM」
- 2023年09月13日やみ・あがりシアター「濫吹」
- 2023年01月08日やみ・あがりシアター「すずめのなみだだん!」
- 2022年09月03日やみ・あがりシアター「Show me Shoot me」
- 2021年08月27日やみ・あがりシアター「うわさにきく風2020-2021」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
まだ誰のものでもありません―――。
マリーバードランドは、
南極大陸西経90度から150度にかけての地域で、
どの国にも領有を主張されていない、
正真正銘の無主地です。私達のご提案するマリーバードランドウエディングツアーでは、
挙式だけでなく、ご家族やご友人を招き、
現地で簡単な披露宴をすることが出来ます。
新郎新婦はタロとジロのように寄り添い、
それを見守るゲストはいわば愛の観測隊♥誰のものでもない場所で、誰かのものになれる旅
きっと、どんな難局も乗り越えられる二人になる
―――南極だけに。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年3月18日 19時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichの公演ページで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シチュエーションコメディ
・シリアス
・笑える
・ちょっと泣ける
・会話劇
観た直後のtweet
やみ・あがりシアター「マリーバードランド」100分休無
南極で結婚式を挙げるドタバタシットコム。めっさ面白かった!コメディの面白さはもちろん、作品全体の細かなエピソードが、結婚する時にそれぞれが内心抱える感情を代弁してる感がいい。いつか嫌いと言われても今は好きという的な。超オススメ! pic.twitter.com/vXdIapWvbJ— てっくぱぱ (@from_techpapa) March 18, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
南極の、誰にも領有権を主張されていない場所、マリーバードランド。そこで結婚式を挙げるプランを開発した、ウエディングプラン会社と旅行代理店。ちょうど、両社でそれぞれ働いていたカップルが結婚することになり、プランの宣伝素材取得を兼ねて、南極で式を挙げることに。まさに、氷のケーキに入刀!ならぬワインを注ぐところに、「サウンド・オブ・サイレンス」の音楽と共に、ダスティ・ホフマンのように登場する男。「僕は、マリさんと結婚します!」新婦の、結婚直前の火遊びが発覚。新郎は結婚する気を無くし。でも宣伝素材として誰かが式を挙げないと、旅行会社も結婚式プラン会社も億単位の大損害。さて、南極の地の果てで、誰の式を挙げる?…と、強引にまとめてしまうとこんなお話。
北とぴあ ペガサスホールが、まるで結婚式の披露宴会場のよう。そこに集まった人々の、ドタバタシチュエーションコメディ。笑い倒した100分間だった。やみ・あがりシアター、ここまでそこそこの本数を観てきたけれど、純粋にシチュエーションコメディっぽかったのは、最初に観た「サンカイ」以来かもしれない(「サンカイ」は、シチュエーションコメディ以外の要素も強いし)。こう言う作風もあるんだ・・・というのに驚いた。感想を書きながら振り返ってみると、割と古典的な「密室もの」シチュエーションコメディ。密室に閉じ込めて、やらねばならない事のタネを撒けば、はい、コメディの出来上がり!ってやつ。ただ、改めてこうして感想を書くまでその事に気が付いてなかったのは、出演者がとにかく魅力的で、コメディの骨格みたいなのを覆い隠しているからだろうか。出演者が多くモブなシーンが多いのに、一人ひとりのキャラクターとても際立っていた。
なんとか結婚式をしようと出席者の状況が明かされてくると、どこか「結婚ってこういう要素あるよね」みたいな事が、次々と見えてくる。容姿だけで結婚していいのか?金に釣られて結婚していいのか?熟年になれば離婚だってあり得る。結婚式のコメディのはずが、気が付くと結婚前の話、結婚の価値観の話にすり替わってる。内容的には式中のドタバタコメディだけれど、各々の人生観、結婚観が垣間見られるのが面白い。ラスト、新婦のマリは、例え嫌われたままでも、新郎のアツシと結婚したい、と言い切る。それってどこか結婚の真実のひとつの側面にも思える。遅かれ早かれ、心は遠くなったり離れたり、あるいは別れたり、するものだけれど。それでも今、一緒になりたい。・・・普段はベールに覆われて隠された、結婚の裏側に流れる心の葛藤みたいなものを、おおっぴらにまくり上げて、見させられた、そんな風景にも思えた。
気になった役者さん。川上献心、あ、こういう「ふてくされた」演技もするんだなぁ、とちょっと意外。加藤睦望、ドレスたくし上げて闘ってるのいい。河村凌、めちゃステレオタイプな外国人(アルゼンチン?)に笑う。髙橋紗綾、おしとやかなんだか荒っぽいんだかな司会進行と"ペンギン"がちょっとツボだった。
当日パンフレットを見ていたら、次回公演は2022年9月。しかも、MITAKA "Next" Selection枠での公演のよう。ついに選ばれた!今から楽しみで仕方ない。