<観劇レポート>かるがも団地「なんとなく幸せだった2022」
<観劇レポート>かるがも団地 「なんとなく幸せだった2022」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 かるがも団地「なんとなく幸せだった2022」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | かるがも団地 |
回 | かるがも団地 佐藤佐吉演劇祭2022参加作品 |
題 | なんとなく幸せだった2022 |
脚本 | 藤田恭輔(かるがも団地) |
演出 | 藤田恭輔(かるがも団地) |
日時場所 | 2022/03/31(木)~2022/04/03(日) 北とぴあカナリアホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
What's かるがも団地?
団地って、ちょっと不思議な空間です。隣の部屋にはちょっと変わったおにいさんが住んでいたり、
下の部屋には長年連れ添った老夫婦が静かに暮らしていたり、
上の部屋は大家族で、いつも子供の足音が響いていたりします。1階の若い女性はもしかすると売れない画家かもしれないし、
3階のキノコ頭の青年は、メジャーデビューを夢見て
今日もスタジオに通うのかもしれない。みんな他人なんだけど、なぜか同じ団地に帰ってきて、
郵便受けで鉢合わせたら笑顔で挨拶をしたりします。かるがも団地は
「団地のようなあたたかさ、多様性」を合言葉に
2018年に結成された劇団です。劇団だけど、演劇だけにとどまらず、
写真や文章、小物など
いろいろなものをつくっていきたいと思います。どうぞよろしく。
過去の観劇
- 2023年11月13日 かるがも団地「静流、白むまで行け」
- 2022年12月19日 かるがも団地「秒で飛びたつハミングバード」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
相模大野、教室、あの日聴こえたあいつの歌。
人生の春を走り抜けていい大人になるまで、
わたしたちの痛くて痒くてしょうもない十年間。きっと鼻で笑われるくらいが丁度いい。
過ぎ去った日々はいつも綺麗にみえるけど、
それだけじゃお腹がすいちゃうからね。マジで。主宰のことば
2019年に第2回公演で王子スタジオ1、
2021年に第5回公演で花まる学習会王子小劇場と
王子方面にとてもとてもお世話になってきた私たちですが、
2022年、とうとう佐藤佐吉演劇祭に参加させていただけることになりました。思えば高校時代、オープンキャンパスついでに初めて東京の小劇場で観劇体験をした場所が、王子小劇場でした。
あれから間もなく10年が経ちますが、不思議な縁を感じております。憧れの団体さんたちと共に歴史ある演劇の祭典に参加できること、非常に光栄でございます。
またとない夢の舞台!!なるべくおとなしく過ごす!!よそに迷惑をかけない!!
さて、気になる中見ですが、初めて王子にお世話になった時に上演したちょこっと懐かしい作品をもう一度煮込んでみることにしました。
高1から25歳までの10年間をぶっ飛ばす青春群像コメディでございます。
タイトルは同じですが「再演」ではなく、軸を保ったまま全面改訂します。あくまで別の作品として楽しんでいただけたらと思います。上演していた2年前や、さらにそれ以前の学生時代に抱えていた将来への漠然とした不安や日々の鬱屈、ようやく笑い飛ばせるようになってきました。
「青春」なんて手垢のつきまくった題材を、25歳になった今の実感をもって、リボーンさせてみようと思います。お楽しみに。藤田恭輔
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年4月1日 14時00分〜 |
上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクでチケットを予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
男性は中年層が多く、女性は様々な年代層がいました
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・笑える
・会話劇
・シンプル
観た直後のtweet
かるがも団地「なんとなく幸せだった2022」120分休無
劇団初見。やっと観れたよかるがも団地。面白かった。けど観終わって何が面白かったんだろって自問自答すると、ちょっとたどり着けない感覚。青春の中の、個人的で感覚的な事。やっぱり恋が基軸なんだろうけど。ノスタルジーな共通感覚?オススメ。 pic.twitter.com/NtI9i51EEJ— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 1, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
劇団初見。ストーリーは主宰の言葉の通り。15歳から25歳までの約10年間の、高校時代の友人たちの人生。主に、高校生の頃にした淡い恋が、その後どんな展開をしたかを中心に、時間を行ったり来たりしながら紡がれる物語。途中途中に、その頃の青春の歌を歌いあげながら、「なんとなく幸せだった」あの頃を、コミカルに、でもどこか寂しさを持って描く物語。
前半は主に高校生の頃。後半は、大人になってからの事。前半は、高校演劇っぽい雰囲気(高校生だからかな)と思っていたら、後半はどこか、大人になってから冷静に「あの頃」を振り返っている視点。少し成長した大人の視点から、あの頃の"弱さ"あるいは"幼さ"に近い感覚を、優しいまなざしで振り返る感覚が独特。何気ないセリフの一つ一つが、短いながらも鋭くて、観ているうちに引き込まれていく。どこか、青春の記憶を、淡い感覚で再現させるような、そんな感覚だった。
北とぴあカナリアホールでの上演。佐藤佐吉演劇祭の一環だから、上演場所は選べなかったのかもしれないけれども、この独特な雰囲気を活かす空間造りみたいなのがあったら、よかったかな、と思う。カナリアホールは、ちょっとがちゃがちゃしている感。後方のスクリーンも、あまりよく見えなかったりする。元の作品は、2019年に王子スタジオで上演されたらしいけれど、むしろ王子スタジオで観てみたかったなぁ、などと思ったり。劇場も含めて、この作品、この団体に合うような空間造りがされているといいな、と思った。