<観劇レポート>こまつ座「貧乏物語」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 こまつ座「貧乏物語」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | こまつ座 |
回 | 第141回公演 |
題 | 貧乏物語 |
脚本 | 井上ひさし |
演出 | 栗山民也 |
日時場所 | 2022/04/05(火)~2022/04/24(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
こまつ座とは・・・私たちは、人を泣かせたり、笑わせたりしている会社です。
それは、何かと言いますと・・・座付作者井上ひさしに関係する作品のみを専門に上演する制作集団です。
舞台を上演し続け、舞台が生みだす感動を、皆さまに届け続けるために、公演内容の企画制作、広報宣伝、チケット販売、パンフレットの作成と販売、長期の地方公演のための準備と引率など、公演全般にわたる管理業務をおこなっております。
1983年1月に創立し、84年4月『頭痛肩こり樋口一葉』公演で旗揚げ。以降、新作、再演、こまつ座以前の井上作品も織り交ぜて、年平均4~6作品を上演し続けています。
演出に木村光一、栗山民也、鵜山仁、丹野郁弓、東憲司、長塚圭史など様々な方々をお迎えし、東京では、おもに新宿の紀伊國屋ホール、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで公演しています。
北海道から九州まで、全国組織の演劇鑑賞団体の各ブロックを巡演し、年間のステージ数は200~250。
出演者、スタッフとも作品ごとに依頼をし、その作品だけの一座を組むプロデュースシステムをとっています。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
こまつ座24年振りの再演。
素敵な女優陣でお届けする、本当の豊かさのお話。
河上肇の登場しない井上ひさしの「貧乏物語」
社会問題としての資本主義...
「貧乏ってなに?」と問う人すべてに捧げる
可憐な女性六人の事情と人生。時は大正5年...第一次世界大戦の好景気の最中、
誰もが少し浮かれて、本当の"貧乏"を見ようとしなかった時代に、
ベストセラーになった河上肇の『貧乏物語』。
その河上肇の周りには、こんなにも素敵な女性たちがいた。
私たちはおんなじ問題の前にいる。
こまつ座24年振りの再演。
素敵な女優陣でお届けする、本当の豊かさのお話。"思うにわれわれ人間にとってたいせつなものはおよそ三ある。
その一は肉体であり、その二は知能であり、その三は霊魂である。
しかして人間の理想的生活といえば、ひっきょうこれら三のものをば
健全に維持し発育させて行くことにほかならぬ。"河上肇「貧乏物語」よりこれは自分のすべてを賭けても貫き守ろうとする主義主張
「生きて行く態度」六人それぞれに持った女性達の話。
―― 井上ひさし
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年4月9日 14時00分〜 |
上演時間 | 125分(途中休憩なし) |
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
男女ともに50代upの客が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
こまつ座「貧乏物語」125分休無
劇団初見。んーもうちょっと面白いと思ったんだけど、気持ちが乗らず2度程寝た。タイトルがよくない気が。確かに結果的には貧乏だけど、テーマは別だしなぁ。物語の確信以外の要素が多すぎて散漫。井上作品の中ではどんな位置づけなんだろう。今日は命日との事。 pic.twitter.com/ZDMfEVukNz— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 9, 2022
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは、大正5年、社会主義?(アカ)の教授は、刑務所に収監されていて。残った妻と娘、そしてかつての女中たちが一堂に会する。女中たちは、夫を見限ってこの家に再度世話になるためにやってきた。その夫の一人が、内務省に勤務していて、教授の扱いに関する裏情報が入ってくる。国家権力に翻弄されることが、貧乏を産み出す根源だ・・・というお話。
井上ひさし作品は、別劇団がやっているのを何度か観たことがあるが、こまつ座自体は、初めての観劇。こまつ座、たぶん合わないんじゃないかなぁ、と思って避けていたのだけれど、テレビで、「母と暮らせば」をやっていたのを見て、面白かったので観劇。・・・たた、以前の直観の方が当たっていた。途中退屈で、2回くらい寝てしまった。登場人物が少ないわりに、前半1時間くらいは物語の焦点がどうにも定まらないのでイライラしてしまったのが大きい。舞台セットも、教授の部屋のみで変化がなく、のっぺりとした感覚も、退屈さに加勢して来た。
「貧乏物語」というのから想像していた物語とは、大分違った。国家の横暴が貧乏の本質・・・という風に言いたいのかもしれないけれど、それにしても、どうにもテーマもぼやけているように感じる。思想犯として統制されて、生活を追いやられることで日々の生活を憂う人々と、いわゆる「貧乏」とは、少し掛け違えているように感じる。こまつ座では23年ぶりの再演との事だけれど、あまりピンとこなかっただけに、井上ひさし作品として、どのような位置づけになるのかが気になった。
気になる役者さん、保坂知寿は、やはり凄みに迫力があったのと、今の女中の山﨑薫が印象に残り。薄い1枚でいいので、配役表を配ってほしかった。
この日は、井上ひさしの13回目の命日との事。