<観劇レポート>る・ひまわり「象」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 る・ひまわり「象」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | る・ひまわり |
脚本 | 齋藤孝 |
演出 | 小林且弥 |
日時場所 | 2022/04/06(水)~2022/04/17(日) 神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県) |
団体の紹介
CoRichページにはこんな紹介があります。
事業内容
◇演劇・映画・イベントなどの企画、制作、運営、宣伝
◇演劇・映画・イベント等の記者発表会見、新商品発表会等の企画、設営、運営、マスコミ誘致
◇チラシ・ポスター・パンフレット・DM等の制作
◇映像プロデュース
◇広報・宣伝コンサルティング
◇広告代理店業務
◇企業広報委託
◇アーティストマネージメント及びエージェント業務
◇海外アーティスト招聘
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
廃業することとなった「びっくりサーカス・ノア」。
解団の日に集った団員は、今後の生活への不安や不満を口にしながら後片付けをしている。
殺伐とした空気を払拭するように、不遇の過去を持つ見習いクラウンがパフォーマンスを披露することになるのだが、サーカス団所有の象が業者に引き取られていないことが判明する。
金を持ち逃げしたオーナーとは連絡がつかず、残された団員で象の処遇を話し合うのだが…。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年4月16日 12時00分〜 |
上演時間 | 115分(途中休憩なし) |
客層・客席の様子
男女比は、5:95で女性がほとんど。
女性は、様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・シリアス
・考えさせる
観た直後のtweet
る・ひまわり「象」115分休無、AT除く
会話劇。ちょっと盛り上がりがスロースタートだけど、面白かった。書き下ろし?有名な作品?サーカス団最後の日の、後片付けの物語。自然な会話の中に、サーカス団の日常と、ものすごく重いメタファーが込められてた。ラスト綺麗。AT面白かった。オススメ! pic.twitter.com/GI3BWQLOaN— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 16, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
サーカス団最後の日。片づけをしている最中、象の処分費用がオーナーに持ち逃げされている事が判明する。象をどうするのか。処分をめぐって団員たちが話し合う。クラウンとしてデビューする予定の男が、団長に指示されて象を殺すことになるが、その男は象を殺せず、象が逃げる時間を稼ぐために団員に銃を突きつけながら、クラウンとしてジャグリングを披露する・・・と、強引にまとめるとこんなお話。
KAATの大スタジオに登場している、その日で最終日を迎えるサーカススペース。その殺伐とした派手さとは裏腹に、芝居自体はとてもストレートな会話劇。団員たちは仲が良い訳ではなさそうだけれど、制作?の人が作ってきた「しおむすび」を食べながら、最後の片づけを淡々とこなしている。サーカス団の最後の描写としては、割と現実に見えて、シュールながらも、演劇的な感情が沸き起こってくるまでには少し時間がかかる。
象が引き取られず残っている事が分かり、処分に苦慮すると、サーカス団の面々がまるで社会の縮図であるかのように見えてくる。力の関係やお金関係、そのた人間関係の背後にある部分が透けてくる。サーカス団の最後の日、という構図は変わらないまま、それでもそこに現れてくるのは、人間の社会だったり、国家だったり、かなりハイレベルな層のもののメタファーになっているのが浮き彫りになってくる。
クラウンの男、サーカスに入る前に何があったのか、具体的に語られる訳ではないものの、おそらく父に虐待され、その中で母を殺した経験があるのかも、しれない。「しおむすび」を食べながら、自然な会話の中で突如語られるその事に、突如ドキッとさせられる。ラスト、舞台中央にあるサーカス場のはしごを、一段一段登っていくのが印象的。その先に、希望が待っているのか、絶望が繰り返されるのかは、誰にも分からない。それでも、たくましく生きていく様が、舞台照明の効果と相まって、美しかった。
気になった役者さん。 安西慎太郎、白塗りの顔で銃を突きつけながらジャグリングする様と、ラストのシーンが印象的。大堀こういち、団長が象を殺すように追い立てる迫力が凄かった。