<観劇レポート>2223project 劇団晴天「捨て身のハンサム」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 2223project「捨て身のハンサム」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 2223project 劇団晴天 |
回 | 2223project produce 劇団晴天第13回本公演 |
題 | 捨て身のハンサム |
脚本 | 大石晟雄 |
演出 | 大石晟雄 |
日時場所 | 2022/06/22(水)~2022/06/26(日) 小劇場B1(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇団晴天
気が付かないふりをしたい現実から目を逸らさず、辟易しない優しさを誠実に描く。
無自覚な心の傷に沁みる、 明日もがんばろうと思える演劇。
シンプルな会話と本当の音がする物語で、センスでもアートでもシュールでもない、
次世代のスタンダードを目指す。
2015年佐藤佐吉賞優秀脚本賞、2017佐藤佐吉賞主演女優賞(鈴木彩乃)を受賞
過去の観劇
- 2023年12月03日 2223project ハナコキカク「おかしな二人~女性版~」
- 2023年07月12日 2223project 劇団晴天「共演者/同級生」
- 2021年11月30日 2223project「劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます”」
- 2021年04月17日 劇団晴天「獣道すらないぜ、令和」/『1つの部屋のいくつかの生活』#3
- 2020年11月07日 2223project 「劇団晴天の「曇天短編集」vol.2」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「大事な人がいるから、投げやりにもなれない」
『男らしい』みたいなのが死語になっていて、男らしいおれはどうやって過ごそうか
歳をとるごとに、年上の男になる 何かを決める人になるでも男とか女とかじゃあないらしいんだ。
だったら記憶の中の胸の高鳴りは
憧れの浜辺のあの人は
丘の上の空き家は
敵だった彼は
それを知っているおれは
子どもにはかっこいい姿を見せたいよ
年齢を重ねることはただ水分を失うことなのか?
なあ おじさんだってセンチメンタルになるさ ただ隠すのが上手くなっただけでね
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年06月23日 14時00分〜 |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団のホームページから予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。(カード・Suica等も使えるようでした)
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
平日マチネだからか、40代upが目立ったように思いました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・笑える
・ミュージカル
・考えさせる
・シンプル
観た直後のtweet
2223project 劇団晴天「捨て身のハンサム」95分休無。
面白かった!95分であれだけの人の人生模様を描き切るの、凄いな。もはや晴天節…って言ってもいい、緻密だけどフルボリュームな声の、感情の肉弾戦のようなセリフのやり取り。今回は桂弘の、卑屈を隠す演技が印象的だった。超オススメ! pic.twitter.com/V6rCOlq8J8— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) June 23, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーをかなり強引にまとめると・・・。コロナが終息した後の、弁当の仕出し屋さん、兼、YouTuberをしている夫婦のお店。そこに、30代で何もできない、かつての友達の男が仕事を求めてやってくる。職場結婚しようとして、結婚式当日に花嫁が現れず、そのまま会社を辞めた…という。動画の編集が出来るはずが、実は何もできない。かつてはレンタル彼氏だったらしいが、YouTuberの男の妻が、かつてその「彼氏」をレンタルしたことがあったらしい。夫婦はどうやら、離婚寸前らしい。そんな中、忙しさを乗り切るために雇ったバイトが、逃げた花嫁…じつは花嫁は逃げてなくて、逃げたのはその男の方で。・・・その店に集う人たちの、感情をむき出しにしつつも、どこか本当の自分の姿を出すのに迷っている人々の物語。
お気に入りの劇団。感情の描写が緻密で、会話がリアルなのに、もう少しで「怒鳴る」と表現するのが相応しいほどの大きな声でやり取りされる台詞。晴天節、と言ってもいいくらいの会話のスタイルと、その中で見えてくる、11人の人間模様。コロナで、いびつなビジネス形態になってしまった町の食堂?っぽい場所に集う人々の人間模様。ストーリーを書き出してみたものの、あまり書き切れてない。他にも、マルチ商法にハマってしまった女や、それ誘われてしまうけど目を覚ます女、YouTuberのアシスタントや、ちんちんが小さいと悩む男…などなど。それぞれの事情を抱えた面々が集まる職場でのやり取り。
テーマは、「自分自身を出せない自分」との向き合い方、みたいな事。桂弘演じる、「だめなおじさん」の情けなさを振り切る様子と、田中孝宗演じる、男っぽいYouTuberなのに実は女性のように生きたかった(ラストに女装して出てくる)2人を中心に描かれるけれど。YouTubeの動画編集者や、ケータリングの職員などなど、周りの登場人物も、それぞれに何かを抱えているのが透けて見える。ここまで濃い人間模様が、よく90分によく収まるなぁ。
劇団、5度目くらいの観劇なのに。何度観ても、上手い感想が書けない。いつもうーうー悩む。今回は久々の長編で、90分が濃密でてんこ盛りだからっていうのもあるのかもしれないが。言葉にすると陳腐になってしまうけれど、その様子を横から観ていると、切実な何かが浮かび上がる。「晴天節」の声量で、はっきりと隠さずに表現される。その空間に一緒にいるのが好きでたまらない。そんなよく分からないけれど、大好きな何か。しばらくは、言語化を試み続けて、毎度負けそうな気もしている。