<観劇レポート>東京にこにこちゃん「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 東京にこにこちゃん「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 東京にこにこちゃん |
題 | ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!! |
脚本 | 萩田頌豊与 |
演出 | 萩田頌豊与 |
日時場所 | 2022/07/21(木)~2022/07/24(日) シアター711(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
和光大学在学中に2013年に主宰脚本演出の萩田頌豊与が立ち上げた団体。
観終わったあと、5分で忘れる喜劇をモットーに雑音のようなボケをツッコミなしでダダ流す、お笑いノイズには定評がある。
因みに、今、日本で1番チケットが取れる団体。
過去の観劇
- 2024年10月03日【観劇メモ】東京にこにこちゃん「RTA・インマイ・ラヴァー」
- 2024年03月04日【観劇メモ】東京にこにこちゃん 「ネバーエンディング・コミックス」
- 2023年07月15日東京にこにこちゃん「シュガシュガ・YAYA」
- 2022年12月31日東京にこにこちゃん「ゲラゲラのゲラによろしく」
- 2022年02月19日東京にこにこちゃん「どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
サザンオールスターズになりたかった高校生の僕は、
サザンオールスターズにはなれなくて、
ロミオと添い遂げたかったジュリエットは、
ロミオと添い遂げられなくて、
悔しくて、結構大きな声を出したけれど、
結果は変わらない。
これは、そうならなかった人達の物語。
でも安心してください。
今回も間違いなくハッピーエンドです。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年7月21日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 3200円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団のTwitterからのリンクで予約しました。
当日受付で、現金でお金を払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
実に様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・泣ける
・笑える
観た直後のtweet
東京にこにこちゃん「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」105分休無
劇団2度目。こんな切ない気持ち、にこにこちゃん独特。ラストはロミオのセリフから読み通りで。チャチなセットなのに、繋がれ!って心の中で叫んでた。ロミオのアホさに爆笑してるのに泣いてた。最高。超オススメ! pic.twitter.com/SZKk0DCN2L— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) July 21, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ロミオとジュリエット。もしも、ジュリエットが、死んだロミオを見ながらロミオとの生活を想像したら・・・それは朝ドラのような、尖りつつも、のほほんとした世界。おバカなロミオと、3人の子供たちとの生活は幸せだけれど。永遠の幸せなんて、望むべきものなのか。ジュリエットの想像の中の「もしも」2人が結ばれた後の世界を、朝ドラを模した少し皮肉っぽいファミリー劇として描いた作品。
今年前半話題になった、「どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード」以来、同劇団2回目の観劇。今回も、感じた感情は同じ。独特の物悲しさ・・・しかも、恋焦がれる何かを失った時に感じる物悲しさ。失ってしまった何か。届かない何かへの想い。甘酸っぱい。そんな追憶の中にいるのに、全く真逆なコミカルな展開で爆笑し、笑いながら号泣する。ファミリー劇のコメディテイストな「愛おしい生活」の部分と、ロミオとジュリエットを下敷きにした「届かぬ想い」のパートが、絶妙に混じりあった作品。
ファミリー劇の部分は。冒頭の、朝ドラのオープニングテーマような映像で始まる、ロミオとジュリエットが、3人子供をもうけた後の世界。セリフ回しが独特で、正直会話としては変なのに、妙に納得させられてしまう説得力。時に自虐的に、演劇の仕組みをディスりながら展開される会話に、細かくクスクス笑う。長女が(何故か)方言しか話せなくて、たまに言っている事が分からない。様々な家族の些細なことが、とことんデフォルメされてはいるものの。どこにでもある幸せな家族に、ありきたりな日常があって。
ロミジュリの部分は、とにかくロミオがお馬鹿で、でも愛おしい。ジュリエットは、ロミオ・バカだなぁと思いつつも、取り壊されて記憶から薄れゆくバルコニーの想いでの中で、彼を愛している。取り壊されるバルコニーを眺める2人。ロミオが自信満々に「別のバルコニー」の話をするので、これは最後にバルコニーが出てくるぞ・・・と思ったら。夏の盆踊りで登場する、あまりにも、ちゃっちいバルコニー。でも、ありきたりな日常の中で振り返るバルコニーは、あまりにも甘酸っぱくて。しかも、バルコニーに乗ってもなお、おバカな言葉を吐き続けるロミオに笑い転げながら、二人が手を取りあうシーンに思わず号泣してしまった。
・・・観劇2度目の劇団。こういう作風の劇団なのだろうか。今回の作品でのインタビュー記事を見かけたけれど、元々こういう作風ばかりでもなかったような記載がチラホラ。試行錯誤の上にたどり着いたのか。40代のオジサンにとっては、ちょっと振り返るのが恥ずかしい感情。東京にこにこちゃんを観なければ、こういう感情には、基本スルーして生きていくのだろうけれど。ドキドキするような感情を蘇生させられたような、そんな観劇体験だった。
気になった役者さん。もう尖り過ぎて、全般的に気になるのだけれど。ロミオ役の細井じゅん、コンプソンズでみるいつものあの感じが、ロミオにたまらなくマッチしていて大好きなのと。おバカなロミオをちょっと冷笑しつつも、心の底から愛している、ジュリエット役の木乃江祐希が、とにかく印象に残る。