<観劇レポート>セツコの豪遊「自亡自記」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 セツコの豪遊「自亡自記」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | セツコの豪遊 |
回 | 一人芝居 |
題 | 自亡自記 |
脚本 | 宮村 |
演出 | 宮村 |
日時場所 | 2022/07/29(金)~2022/07/31(日) 新宿眼科画廊(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2015年3月旗上げ。宮村がのびのびと好き勝手する劇団。
本公演では、「お腹が空く」という感想をたくさんもらう。
過去の観劇
- 2024年03月08日 【観劇メモ】セツコの豪遊 「殺意(ストリップショウ)」
- 2023年07月19日 セツコの豪遊「授業」
- 2022年03月26日 Ito・M・Studio演技研究クラス「殺意(ストリップショウ)」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
大型連休に乗じて浮かれ騒ぐ俗世間に猫背を向け、四畳半の自室でひとり、真っ白な液晶画面と対峙する女。
着古したジャージ姿で、化粧っ気はなく、髪もバサバサ。彼女は、芝居を書いたり、役を演じたりする人である。
一切の煩悩を捨て、自らの時間とお金と体力を芝居に投じたために、外見も著しく荒んでしまったのだ。
一方で心の内は、枯山水の庭の如く、潔く整い切っていた(ように思われた)。
ところが、直近の芝居で「彼女は恋をしていない」云々と酷評されたことから、枯山水に歪な波紋が広がり始める。
そういえば、演劇に没頭する前は、ずっと恋愛に惑溺していた。
捨ててしまった恋の記憶を引っ掻きまわすうち、女は生涯で一番好きだった人のことを思い出す。そして、その人に連絡を取った。
あくまでも、よい芝居をするために。その顛末を題材に、一人芝居を書き下ろす女の話。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年7月30日 16時30分〜 |
上演時間 | 40分(途中休憩なし) |
価格 | カンパ制 全席自由 |
チケット購入方法
劇団Twitterからのリンクで予約しました。
当日受付で封筒をもらい、帰りにカンパを入れて帰りました。
客層・客席の様子
男女比は、8:2くらい。
男性はおじさん。女性は若い人が多かったです。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・一人芝居
・笑える
・シンプル
観た直後のtweet
セツコの豪遊 「自亡自記」40分休無
カンパ制ほぼワンオペ1人芝居。面白かった。自嘲しながらの自暴自棄な自亡自記。小気味よいテンポで語られる恋愛と演劇との遍歴。自嘲にクスクス笑いながら、割とリアルなのかな、なんて考えながら観てた。恋してるのか?んー、分からん。滑舌頑張ろう。オススメ! pic.twitter.com/DQSdN1Iyp5— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) July 30, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
3月に観た「殺意(ストリップショウ)」という作品で興味を持った、セツコの豪遊。3月の作品は、養成所の発表会のような作品だったが、今回は劇団のという事で観劇。観終わった後Twitterを眺めていると、気にかけている観劇好き達が次々に感想を上げている。新宿眼下画廊だし、とても小さな規模の公演だけれど、演劇ツウ、には好まれている感覚。画廊の地下劇場。奥側後方の壁はゴミ袋の黒で多い、舞台もひし形に引かれた白い線のみ。シンプルな空間で描かれる作品。
ストーリーは、事前の説明の通り。「彼女は恋をしていない」と言われた私。中学三年で出会ったジャニーズJrにいそうなイケメンの初恋の相手とのアラサーに至るまでの交遊歴と、それと併せて中学演劇部からの演劇との関わりを、小気味よいタッチの一人芝居として描いた作品。自亡自記・・・のタイトルの通り、自分でも忘れていた事、あるいは忘れたかった事を、自暴自棄でも起こしたかのようにダダダと撃ちまくるように語り出す。・・・と書くとハチャメチャな展開を想像するけれど、演劇としては実に計算され尽くされている感覚。
しかも、いい塩梅の「自嘲」の要素があるので、観ている方は所々でクスクスと笑ってしまう。「虚構」なのか「現実」なのか想像するしかないものの、どこか演じる宮村の「現実の話」を、ものすごく突き放した場所から淡々と語っている感覚が強い(多分・・・実際にそうかもしれない)。語りが"イタイ"と、観ている側も付き合うのが辛いけれど、「自嘲」と「虚構っぽい」の上手いバランスの「自嘲」があって、観ていると純粋に楽しい。そんな、絶妙な距離感の心地よさの中で、楽しく観た作品だった。