<観劇レポート>劇団肋骨蜜柑同好会「田瓶奇譚集」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団肋骨蜜柑同好会「田瓶奇譚集」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団肋骨蜜柑同好会 |
回 | 劇団肋骨蜜柑同好会 特別企画 |
題 | 田瓶奇譚集 |
脚本 | フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)、他 |
演出 | フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)、他 |
日時場所 | 2022/09/16(金)~2022/09/25(日) 駅前劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
東京を中心に演劇活動を行う。
2010年の旗揚げから現在に至るまで、手探りで、暗中を模索するように活動中。主宰フジタの標榜する「演劇とは方法論ではなく存在論である」という言葉のもとに 、言語による世界の腑分けを試み、「生きづらさ」を抱えた人たちの救いとなることを考えている。
頭のねじがどこか緩んでいるようなズレた登場人物と、捩れたメタフィクション的な構造、既製品を多用したシンプルで分裂的な舞台構成が特徴。
ストーリーやメッセージを極端に廃し、あるいは換骨奪胎し、あるいは解体し、その先の地平にたどり着くべく、過剰に論理的に「なぜ演劇なのか」を問い続ける。問い続けたい。問い続けられますように。
コミュニケーションはいつも、祈りの形に。
過去の観劇
- 2020年12月05日劇団肋骨蜜柑同好会「2020」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
あら、なにかお探しですか?なにが知りたいの?
田瓶市ははじめて?それとも、何度かおいでになったことが?おもしろい町でしょう。
ここにはね、いろんな本がありますよ。そりゃあなんでもってわけにはいかないけれど、まあそれなりに。
そう、オハナシが読みたいの。それならたくさんありますよ。なんなら私のとっておき、お教えしましょうか。田瓶市立図書館の貸し出しカウンターにはいつも、噂好きの司書が座っている。不思議な話がききたいときは、彼女に話しかけてみるといい。きっと、嬉々として話してくれるはずだ。山間の町田瓶市でまことしやかに囁かれる、奇妙奇天烈な「オハナシ」たちを。
劇団肋骨蜜柑同好会が特別企画として贈る、妄想都市の「奇譚集(ホラーアンソロジー)」。5つの団体が、田瓶市を舞台に約30分の短編を書き下ろします。一筋縄ではいかない劇作家達による、千夜一夜の物語をどうぞお楽しみください。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年9月21日 15時00分〜 |
チーム | 怪チーム |
上演時間 | 110分(途中休憩なし) |
価格 | 4500円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団のホームページから予約しました。
当日受付で、予約時に発行のQRコードを提示、Suicaで決済をしました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらい。様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・ホラー
観た直後のtweet
劇団肋骨蜜柑同好会 特別企画「田瓶奇譚集」怪チーム 110分休無
面白かった。ひとつの町を舞台にした3劇団による、ホラーもの3本立て。シンプルな構成だけど、割と観入ってしまった。一本目、フジタさんの「腸詰と極楽」が好き。もう少し暑い日なら、涼しくなれたのにな。オススメ。 pic.twitter.com/DS6kAuK4UD— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) September 21, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
肋骨蜜柑同好会が企画する、複数劇団参加のホラーもの3本立て。「怪」「奇」、2バージョンなので話は全部で6つ。観たのは「怪」チームの3本。元々、映画もドラマも、ホラーものは苦手で、あまり感想らしい感想が書けない・・・というか出て来ないのだけれど。いつもスケジュールが合わなくて観れてなかった、肋骨蜜柑同好会。今回はスケジュールできそうだったので、前日予約で、ちょっと背伸びして観劇。
3本のお話、基本は独立したオムニバスなのだけれど、一つの架空の町「田瓶市」で起こったことして、ちょっとした会話で繋がっている。(田瓶市・・・実在してました・・・)当日パンフレットには、田瓶市の説明など、いろいろな説明が書かれている。おそらくもう一つのバージョン「奇」とも、どこか話が繋がっているのだろうな(観れないけれど)。
各作品のあらすじと、感想のメモ。
「腸詰と極楽」脚本:ホトンドケイ素(劇団肋骨蜜柑同好会)
古びた団地の一角に住まい、ソーセージ工場の仕事に従事しつつも、「先生」と呼ばれる人に「ポジティブ」になるように言われているも、抜け出そうとすると「行方不明」・・・ソーセージの原料にされてしまう若者の物語。
ホラーに加えて、搾取とか、ワーキングプアとか、何者にもなれない若者とか、社会問題っぽい要素が入り組んでいて、それがむしろ怖くて、好みのホラーテイストな作品だった。てっきり、フジタタイセイ作の作品かと思ったが、よくよく見てみると、脚本は、ホトンドケイ素。誰だろう。
「隣は猫をする人ぞ」脚本:目崎剛(たすいち)
ボロアパートの101号室。隣の部屋、102号室から聞こえてくる猫の声。大学の友達の先輩が、一緒に調べてくれる。隣の部屋には、猫に憑りつかれた女がいたけれど。憑りつかれた女は、常に101号室の方を向いている。猫がいたのは、壁の間。
コメディ要素が所々入っていて、思わず笑ってしまうのが、ホラー作品には、良いのか悪いのか。ちょっと笑いつつも、猫の事を想像すると怖い。
「くるくるさん」脚本:屋代秀樹(日本のラジオ)
小学生の間で流行っている「くるくるさん」。これを唱えると、1/2の確率で夢の中に、事故で小指を失った女の子が出てくる。それをやられちゃった、学校の先生の夢。一緒に探してあげないと、自分の指も失うようなのだけれど・・・夢の中なので、話が二転三転していき・・・その子の指は、自分の失った指だった。
夢の中だからか、状況かどんどん変わっていく。映像だとよくありそうだけれど、舞台で、状況の変化と共に、空気感が変わっていくのが面白い。ナポリタンで汚れた指を、背中で拭くと、白いシャツがほんのり赤くなる。後々考えると、ちょっと空恐ろしい。