<観劇レポート>劇団三日月座「あの部屋が燃えろ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団三日月座「あの部屋が燃えろ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団三日月座 |
回 | 劇団三日月座2022年度秋公演 |
題 | あの部屋が燃えろ |
脚本 | 櫻井智也(MCR) |
演出 | 簑添智哉 |
日時場所 | 2022/10/16(日)~2022/10/23(日) 横浜国立大学 第一食堂下 共用室3(神奈川県) |
団体の紹介
CoRichのページにはこんな紹介があります。
横浜国立大学唯一の演劇サークルです!
特にジャンルにはこだわらず、年5回ほど、公演を行っております。
過去の観劇
- 2021年11月21日 劇団三日月座「天邪鬼」
事前に分かるストーリーは?
ストーリーの記載を見つけられませんでした。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年10月22日 13時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 無料・カンパ制 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichのページから予約しました。
当日受付で名前を告げて入場しました。
客層・客席の様子
男女比は5:5。学生さんが多かったです。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・泣ける
・笑える
・会話劇
観た直後のtweet
劇団三日月座「あの部屋が燃えろ」100分休無
本家も観てて作品2度目(一時期YouTubeで見た記憶も)。MCRをMCR以外がやる、しかも大学劇研。成立するんかな?と思ったけど。すごく良かったなぁ。粗削りな部分あるもハマってた。澤くんのアレに涙。役名そのままはちと気になるが是非割れそう。オススメ! pic.twitter.com/VVYNcCOb9w— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) October 22, 2022
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
MCRの再演で観た「あの部屋が燃えろ」以来、同作2度目の観劇。
昨年観た「天邪鬼」に続いて、二度目の、横浜国立大学の劇研、三日月座。前回の作品が良かったのもあるのだけれど、それ以上にMCRの「あの部屋が燃えろ」を上演するから。チラシがTwitterに流れてきて、思わず2度見した。びっくりした。いや、これ大学の劇研がやるのか・・・。作者の櫻井智也から、「上演許可出しました」なんてツイートも流れてくる。そもそもMCRの作品を、MCR以外がやるのって、聞いた事がない。・・・まだMCRのファンになって日が浅いので、私が知らないだけかもしれないけれど。とにかく、ものすごく難度が高いんじゃないかなぁ、と思ったのと。とはいえ、やっぱり観たいなぁ、というのが日に日に強くなった。
大学のサークル部屋みたいなところを小屋にして、その中に組まれた、アパートの一室。隣の部屋との薄い壁。貫通してくるドリル。変なところから出入りする扉。開場して入って、かなり期待値高まる。MCRの公演はOFF、OFFで観たけれど。正にあの時の記憶がよみがえる。
MCRの作品、他の団体が創ることに難易度の高さを感じるのは、本家MCRの感想にも書いているけれど、何よりも、登場人物の名前が役者本人の名前と同一であること。智くんこと櫻井智也、澤くんこと澤唯ほか、みんな役者の実名で、何よりも物語の中に、自伝的な要素がたくさんな事。要は、(当たり前だけれど)MCRが作ることをかなり大前提に作られた脚本だと思う。
今回、役名は、もとの作品から変更がなかった。要は、澤だったり櫻井だったりという「役名の役」が、三日月座のメンバにーよって演じられる。正直なところ最初はちょっと違和感があって、飛鳥が「智くん」と呼ぶたびに、どうしても櫻井智也の、あの舞台で最後に手を振る笑顔が、瞼の中で重なってしまう。脚本上何らかの指定があるのかもしれないし、あるいは三日月座の役者の本名をあてること検討して止めたのかもしれないけれど(勝手な想像だけど)、やっぱり物語の意味を考えると、演じている役者自身の名前をあてる方が、しっくりくるような気がする。それ故、瞼の中の「智くん」のイメージが消えることは無かったけれど、後半に進むにつれて、丁寧に丁寧に描かれているからか、「智くん」がちらつきつつも、一つ別のバージョンの物語として受け入れられるようになってくる。
櫻井智也という作家が凄いのは、自分自身の事を投影している感が強いこの物語・・・日栄の励ましも、澤の少し引いた感覚も、自分のまわりを余すところなく、正にえぐるように、身も蓋もなく自分自身で書いてしまう事で。それが、他の劇団、他の座組で演じられる事で、櫻井智也が自ら世界を描くときには、絶対にたどり着けない、少しひねる、ツイストする視点てで観れたんだろうなぁ・・・と。役名の事は別にしても、櫻井智也の、MCRの世界観が炸裂してたなぁ…というのを、観終わった後の後味として強烈に感じた時間だった。