<観劇レポート>イノチガケ「ハーツ・ハート・ハード!」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 イノチガケ「ハーツ・ハート・ハード!」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | イノチガケ |
回 | イノチガケプロデュース♡× |
題 | ハーツ・ハート・ハード! |
脚本 | 髙橋広大 |
演出 | 髙橋広大 |
日時場所 | 2022/11/29(火)~2022/12/04(日) ステージカフェ下北沢亭(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
俳優・岩田和浩、福島マリコと脚本家・演出家・イラストレーターの西島巧輔の3人で2020年に結成。
同年10月下北沢亭にて旗揚げ公演を実施。劇団『ふくふくや』では役者だけでなくプロデュサーも兼任する岩田和浩。小劇場から商業演劇まで幅広く出演している福島マリコ。作家、役者、クリエイターとマルチな活動で吉本新喜劇所属時から“笑い”を追求し続けてきた西島巧輔。
ジャンルの異なる3人が各々の特性を活かし、“今を生きるエネルギー”を表現している団体である。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
STORY:でもさ、お姉ちゃんはそういう幸せ享受してきたでしょ?恋愛双六エンジョイしてきたでしょ?池尻あたりのワインバーで声かけられて、コンクリート打ちっぱなしの狭小1Kに転がり込んで、壁にフジロック映しながら音楽と優越感にゆらゆら揺れてきたでしょ?最高の夏締めくくってきたでしょ?(笑)。そんなチームラボではしゃぐことが幸せのピークみたいなお姉ちゃんにさ、特別な人生なんて訪れるわけないじゃん。そんなの勘違い通り越して惨めだよ。何かを突き詰める能力もやり遂げる能力もない上、突き詰める努力もやり遂げる努力もしてこなかった結果が今のお姉ちゃんじゃん。残念だけどさ、人生はフィルター加工出来ないんだよ。あ、結婚おめでとうございます 。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年12月1日 14時00分〜 |
上演時間 | 90分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 全席自由 |
客層・客席の様子
男女比は5:5。様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ$$
・泣ける
・笑える
・会話劇
観た直後のtweet
イノチガケ「ハーツ・ハート・ハード!」90分休無
団体初見。んーめっさ面白かった。前半はシチュエーションコメディのようなのだけど、後半気がつくと全然違う場所にいた。何の話しだったんだろうなぁ。レクイエムなのかなぁ。後々尾を引いて残るタイプの作品。超オススメ! pic.twitter.com/pql8uDJoNd— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) December 1, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
団体初見。意識不明になって寝たきりになっている母。2人姉妹の娘。妹は、看護師になってその病院で働き、休み時間に母の病室でタバコを吸う。姉は、明治大学ラグビー部OBで電通で働く薄っぺらい男と結婚しようとしている。医者は、この病院をたたむ予定。寝たきりの母は、もうすぐ転院する。そんな状況で描かれる、前半は、どこかシチュエーションコメディのよう。後半は、時間的にも空間的にも、どこかうまくつながっていけど、テンポとセリフの巧みさに押し切られて、妙に納得してしまう不思議なお話。
ストーリー。思い返しても、上手くつながらない。前半で、これはきっとシチュエーションコメディだ!、と思ってゲラゲラ笑ったので、設定やお話の筋は特に繋がっていなくてもいいかなぁ、なんて気楽に観ていたのだけれど。後半は、母の遺書や臓器提供の話・・・が出てきて、既に寝たきりになってしまっている母の残像のようなものが、物語の中にチラチラと登場する。時間的な流れも、一方向に、一定して流れている訳ではないので、気がつくと不思議な空間。病室の心拍計が、一定間隔でリズムを刻む中、Louis Armstrongの"What a wonderful world"、フルコーラス使っての、臓器の摘出のシーン。「感動」とは、ちょっと違うのだけれど、どこか今はもう亡き、母のレクィエムのようなお話・・・に思えてくる。
姉妹の喧嘩のやり取りや、マヌケな明大ラグビー部の自己顕示欲なんかは、すごく下らないやり取りなのに、ものすごく会話の切れ味というか、言葉の紡ぎ方が鋭い。芝居全体、何だか、キツネに化かされたような感覚があったけれど、速いテンポと勢いと、笑いに乗せられて、心地よく観た芝居だった。