<観劇レポート>ワヲン「イントロ」
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
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団体名 | ワヲン |
回 | SWANDIVE×ワヲン 一つ目のワヲン |
題 | イントロ |
脚本 | 笹倉良太 |
演出 | 笹倉良太 |
日時場所 | 2023/07/21(金)~2023/07/24(月) 早稲田小劇場どらま館(東京都) |
団体の紹介
こんな紹介を見つけました。
大学のサークルで出会った笹倉良太と田中陽太の二人で旗揚げした演劇ユニット。
ヒーローになりたくてもなれなかった、それでもなりたいと願う人の小さな、しかし確かな祈りをストーリーに乗せて描く。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
就職に失敗した主人公が、親友と公園で話す中で「もし」の世界を彷徨う擬似マルチバースもの
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
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観劇日時 | 2023年07月21日 19時00分〜 |
上演時間 | 65分(途中休憩なし) |
価格 | 2000円 全席自由 |
観た直後のtweet
SWANDIVE×ワヲン「イントロ」65分休無
初見の団体。粗削りだしテーマに青さもあるけど、面白かった。脳内の自分会議。具体的な割に肝心なところがワザと抽象化されてる上手さ。性別を気にせずに同じ人を描く思いっきりの良さがいいな。どらま館だとちょっと狭いけど、役者の使い方上手し。オススメ。 pic.twitter.com/EMf1q06XMZ— てっくぱぱ@観劇垢/3 (@from_techpapa) July 21, 2023
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
今年の早稲田はイキのいい演劇人が多いが、この団体もその一つ。・・・とはいうものの、劇研の公演で顔を知っている役者さんも多い。あっちこっちでイキのいい芝居をしているひとつ、という事だろうか。
バイトの面接にも落ちた。大学を卒業しても特に「やりたい事」はない女。小学生の頃は野球少女だった。プロになる事も考えたけれど、結局中学から何もやっていない。そこに、いい感じで働いている幼馴染の友達。彼女と話しているうちに蘇る、人生の可能性の「自分」。そんな何人もの自分と対話しながら、自分のアイデンティティを問う作品。
役者は11人も出ているのに、基本登場人物は2人。主人公の陽彩と、友達のヒイロ。二人の会話をキッカケに、陽彩の脳内で展開するもしも○○だったたら、の自分の中の脳内会議。もしもあの時、野球を続けていたら、ハッキリとモノを言えていたら、親と闘っていたら、DJを目指していたら・・・等々。脳内の陽彩は、それぞれ別の役者が演じる。出てくる人出てくる人、陽彩。・・・役者が多く交錯して、どらま館ではちょっと手狭な感じは否めなかったけれど、一つ一つのキャラクターが立っていて、次から次へと脳内をテンポよく巡り歩くのが面白い。
陽彩は女性だが、性別を無関係に代わりが演じられるからなのか、陽彩という一人の女性の脳内でもあり、それが観ている側の普遍的な「過去への後悔」のように見えてくる構図が、面白い。「たら」「れば」の作品って、それこそタイムスリップモノまで含めると沢山あるのだけれど、爽快に駆け抜ける自分振り返りの青春モノ、といった感じ。初見の劇団なので毎回こんな作風かは分からないものの、ひと味違った過去の切り口、描き方が楽しかった。