<観劇レポート>コンプソンズ「愛について語るときは静かにしてくれ」
【ネタバレ分離】 コンプソンズ「愛について語るときは静かにしてくれ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | コンプソンズ |
回 | コンプソンズ#11 |
題 | 愛について語るときは静かにしてくれ |
脚本 | 金子鈴幸 |
演出 | 金子鈴幸 |
日時場所 | 2023/08/02(水)~2023/08/13(日) OFFOFFシアター(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
コンプソンズ
2016年、金子鈴幸・星野花菜里を中心として明治大学 実験劇場を母体に発足。ある実在の出来事を題材に事件から事件、あるいは現実から虚構を縦横無尽に渡り歩く作風が特徴。速射砲の如く繰り広げられるナンセンスギャグとこじつけによって物語はあくまで物語としての結末を迎える。
過去の観劇
- 2024年10月18日 【観劇メモ】コンプソンズ「ビッグ虚無」
- 2024年04月19日 【観劇メモ】コンプソンズ 大宮企画「映画のパロディ」
- 2022年04月06日 コンプソンズ「イン・ザ・ナイトプール」
- 2021年04月08日 コンプソンズ「何を見ても何かを思い出すと思う」
- 2020年12月11日 「脳天パラダイス」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
ざわざわ。夢見る若者集いしトキワ荘。今年30ですよ。だから何?や、友達との会話の内容とか変わってきますよね30になると。この街も時代も変わったなぁ、軽々しくBU•SUなんて言っちゃダメですよ。でも30代が一番楽しいらしいですから。そんな時期もどんどん過ぎ去って病院で死ぬということらしいですから。果たして未来は病院で死ぬ時代かね?ざわざわ。そんな音を立てて体内にシモキタが入り込んでくるような、それどころじゃないような。クレープ食べたい。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年08月02日 19時00分〜 |
上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
価格 | 3300円 前半割 全席自由 |
観た直後のtweet
コンプソンズ「愛について語るときは静かにしてくれ」120分休無
どう頑張っても感想に若干ネタバレ含むので注意!
正直クソつまんねえ演劇ぶっ込んできたなオイって思ってた59分までは。そこからの返しが見事過ぎ。ウクライナも庵野秀明も同じ地平に見えた。最後泣くとは。愛だな最高。超オススメ!! pic.twitter.com/scmFFiRuxa— てっくぱぱ@観劇垢/2 (@from_techpapa) August 2, 2023
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
トキワ荘みたいな場所。小春は配信ゲーマー。エログロ漫画家や、なんやら。周りには変な友達ばかり。幽霊なのか何なのかよくかからんサキュバスまでいる。ズレてはいるけれど、ごく普通の日常のように、見える。でも実はそこは2050?年。配信ゲーマーというのは、実はドローンをリモートで操作している「戦争」だった。みん多かれ少なかれ徴兵された過去を持ち、Web徴兵なんてのもある時代。そんな時代に、サブカルだったり2023年頃の文化だったりを愛でながら、今を叫ぶ物語。
最近観れてなかったコンプソンズ。久々だなぁ、と楽しみにしていたのが悪かったのか、前半が・・・時計見たので覚えているけれど59分までが、とにかくつまらない。辻凪子が馴染んでいる感がしないし、それぞれのキャラクターが曖昧だし。どうしちゃったのコンプソンズ、と思って観ている。・・・いや、サブカル小ネタはいつもの通りバンバン入ってきて、それ故に'80な匂いが漂ういつものコンプソンズで。でも、だからなんなんじゃ~、と疑問。客席から笑いが起きてるけれど、何だか知ってるサブカルネタに無理に笑う感じ。あれれ?あれれ?って思ったのだけれど。
59分から展開する、2050年の物語。今まで観ていた光景は、実は2050年だった。まるでエヴァンゲリオンに乗ってるシンジ君みたいに見えてくる、ゲームしている小春。2024年以前の曲を、有難がるように聴く人々。ああ・・・前半は日常を、令和の我々の前に展開している日常を表現していて。時空が曲がってフニャっとなって、「ERO GRO」なんてTシャツを着て我々のサブカルチャーがしっかりと愛でられる。ウクライナの戦争、あるいは表現規制の問題なんかもちょっと頭の片隅に思い出されつつ、観客それぞれの世界の中心に連れていかれて愛を叫ぶ。むしろこれは、前半のつまらなさ、辻凪子演じる小春、の存在の違和感が無いとこのどんでん返しは成立しない。金子鈴幸の書いたコンプソンズの作品の中では、一番鮮やかにてのひら返しをやられたなぁ。観終わった後、清々しく帰る。そんな作品だった。
これまでのコンプソンズ作品は、観終わった後ワケ分からず、それ故にウンウンと悩む、分かりづらさの楽しさがあったのだけれど。この作品はコンプソンズらしさをしっかり残しつつ、エンタメとしても観れるど真ん中作品に昇華しかかっててる感じ。次の作品が楽しみになった。