<観劇レポート>あやめ十八番「六英花 朽葉」
【ネタバレ分離】 あやめ十八番「六英花 朽葉」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | あやめ十八番 |
回 | 第15回公演 |
題 | 六英花 朽葉 |
脚本 | 堀越涼(あやめ十八番) |
演出 | 堀越涼(あやめ十八番) |
日時場所 | 2023/08/05(土)~2023/08/09(水) 座・高円寺1(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
俳優、堀越涼が作・演出を務める劇団。
2012年に俳優・堀越涼が>旗揚げした演劇ユニット。
歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の古典芸能を基礎とし、古典のエッセンスを盗み現代劇の中に昇華することと、現代人の感覚で古典演劇を再構築することの、両面から創作活動を行っている。
全ての作品で、日本人特有の感覚や美意識を作品作りのテーマとしている。
また、歌舞伎の下座音楽や落語の囃子に影響を受け、劇中音楽が全て生演奏であることも特徴の一つ。
過去の観劇
- 2022年09月02日 あやめ十八番「空蝉」
- 2021年11月02日 あやめ十八番「音楽劇 百夜車」
- 2020年11月14日 あやめ十八番 「江戸系 宵蛍」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
今回、あやめ十八番が取り上げるのは『活動写真の世界』。
無声映画全盛の時代、日本では活動弁士と呼ばれる映画説明者が大活躍していました。
日本では……と書くのは、この活動弁士という仕事が話芸に秀でた日本固有の文化であった為です。そんな彼らも、トーキー映画の台頭と共に、徐々にその活躍の場を奪われていきます。本作『六英花 朽葉』では、大正・昭和を舞台に活躍した活動弁士たち全盛の夏と、衰退の秋を描きます。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年08月09日 14時00分〜 |
上演時間 | 150分(途中休憩なし) |
価格 | 4500円 全席指定 |
観た直後のtweet
あやめ十八番「六英花 朽葉」大正ロマン 150分無
活動弁士がトーキー映画に置き換わる時代の話。面白かった。前半、自分にとってはセリフの意味掴みにくい事多く結構苦労した。全体像掴めてくると後半は楽しく。雨に唄えばとマイフェアレディを足して2で割って悲しくした感。オススメ、だけど千秋楽。 pic.twitter.com/yzoyPY3Pjk— てっくぱぱ@観劇垢/3 (@from_techpapa) August 9, 2023
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
2パターンの上演。私が観たのは「大正ロマン」。事前のストーリーの通り、活動弁士たちの物語。大正時代、トーキー映画が入ってくる・・・という事に合わせて、活動弁士たちがその職を失い、映画館の経営者は悩み、トーキーに入れ替えをしていく物語。また、遊郭?に売られてしまった啞(おし)の女優が、無声映画の女優として有名になり、トーキーの時代に自殺してしまう話。
もう一方の「昭和モダン」はおそらく別の話で、昭和の時代、活動弁士がもはや必要とされず、一方それが芸能として扱われていく頃の、「大正ロマン」で描かれている人の後日談というか、未来の話ではないかと想像。
前半は、登場人物がまだら模様に出てくるし、アンサンブル的なキャスト(おそらく「昭和モダン」側にメインで出ているキャストが演じている)ので、話の筋が皆目つかめずどうしたものか、と途方に暮れたのだけれど。後半、活動弁士のストライキと、啞(おし)の女優の話、映画監督の話に収束してくると、あやめ十八番ならではのライブ音楽もあり、ノッてきて面白くなってくる。時代に翻弄されて生きる人の姿が、軽やかな音楽と、活動弁士の喋り口調にのせられて、サラサラと楽しめた。
あやめ十八番、これまで観た作品でもそうだったけれど、前半に物語に入っていけない事が多くて、この作風との相性かなぁ、とも思う。後半になって分かってくることもあれば、もう全然ダメ、という事もあり。
トーキーの話というと、どうしても映画「雨に唄えば」を思い出してしまう私。加えて啞に演技を教えている様が何だか(時代は微妙に違う気がするが)「マイ・フェア・レディ」のようにも見えてくる。特に「雨に唄えば」の方と比べると、同じ時代の物語とは思えないなぁなんていう事を思い浮かべていた。