<初日レポート>劇団なのぐらむ「フェイバリット・ミステイク」で、安定したストレートプレイを楽しむ
良質ストレートプレイ。物語を楽しみたいならこの劇団!
場所 | シアターグリーンBIG TREE THEATER |
日時 | 2018年11月15日 19:30- |
価格 | 3500円。自由席 |
上演時間 | 1時間30分(休憩なし) |
ストーリーは
観光協会が、地元のお寺から借りている土地で運営している、ふれあいパーク。園長が何者かに傷つけられて負傷し、園の職員が一人、逃走したのか行方不明。職員と、観光協会。園を取り巻く人が出入りしながら、園の暗い部分が浮き彫りになっていく。
ストーリーだけまとめるとこんな感じです。
会話だけで進行。ストレートプレイ直球勝負。
出演する役者は、20人。会話だけで進行するストレートプレイ。音楽も、粋な照明変化も、暗転もない。完全な一幕一場劇。「観劇三昧」の「愚か者のオノマトペ」をそのまま踏襲する路線。
相当の技量がなければ、退屈してしまいそうだが・・・20分もすると、このテーマパークを取り巻く人々の背後に、不思議と引き込まれていた。
個性派の役者
ストレートプレイを支える役者たちは、「観劇三昧」で見た通り、個性的だ。
坂本護が今回の狂言回し。出演早々に腰を負傷するが、不自然なく舞台に留まり、数々出てくる出演者たちを紡いで、話を一本にまとめ上げている。
山岡南美は、「観劇三昧」で見た「愚か者のオノマトペ」でも演じていた通り、坂本護が恋する園の職員でヒロイン的な存在。ラストのシーンは、きわどい台詞が出てくるが、主人公の憧れの存在、という存在感を放ち続けていた。
望月茉由は、園長の弟に取り入ろうとする謎の女。堂々とした演技で、人間の持つ陰の側面に現実味を与えていた。
やはり感じるのは、テーマ、について
脚本は、鈴木 実。
20人の役者が、物語の中で死なないよう、慎重な構造になっていた。おそらく、これだけ多人数の役者たちが稽古するのも大変だが、シーンも巧みに分割されていて、それでいて不自然のないように配置されていた。
しかし、脚本が投げかけるテーマに、私としては目新しいものを感じられなかった。園長の陰の部分は、冒頭のやり取りから想像ができる。その意味では、途中から結末が予測できてしまったともいえる。
人間は光と影の部分を併せ持つ。伝えたいことが、その陰陽ということであれば、そうなのかもしれない。でも、舞台として生身の体で伝える必要がある何かは、他にもあるはずだ。これだけ真っ向から会話劇にチャレンジして、客を飽きさせないのであるから、何か大きなお土産を、客に投げかけてほしいと切に思う。
過去の作品は「観劇三昧」で
劇団なのぐらむを知ったのは、この観劇三昧で作品を観たのがきっかけ。本日時点、会員登録で無料で観れます。
愚か者のオノマトペ
絶叫するコンテクスト
【観劇三昧日本橋店・下北沢店】本日劇団なのぐらむ『絶句するコンテクスト』を上映中?https://t.co/XdB1dMXLmo
次回『フェイバリット・ミステイク』は11/15~18 、池袋シアターグリーンBIG TREE THEATER にて??
なのぐらむ、今年20周年を迎えました?
日本橋店:10~19時/下北沢店:11~20時 pic.twitter.com/vXfsbcz15i— 観劇三昧 (@kangekizanmai) 2018年11月15日
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