<公演レポ>青春事情「カラフルモノクローム」ゆっくり流れる時間を生きる登場人物に、観客が出会う作品。
一人一人のキャラクターがVivid。何故か「朝ドラ」っぽい印象を受けるお芝居。
どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
青春事情第17回公演「カラフルモノクローム」の、舞台を観てきました。
公演データ
青春事情第17回公演
「カラフルモノクローム」
2018/12/13 (木) ~ 2018/12/18 (火)
OFF OFFシアター
脚本・演出 大野ユウジ(青春事情)
観劇データ
日時 | 2018年12月14日 19時30分〜 |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
星 | ★★★☆☆(3/5点満点) |
客席の様子
若い方中心ですが、いろんな年齢層の方がいました。どんな層の方なのか、ちょっと分からなかったです。埋まりは8割くらい。
【上演時間情報】
青春事情『カラフルモノクローム』の上演時間は、下記を予定しております。約1時間30分
(途中休憩はございません)12月13日(木)ー18日(火)
下北沢 OFF・OFFシアター公演詳細→ https://t.co/4UqQClJFyU
チケットのご予約→ https://t.co/0L9r7vUPAG pic.twitter.com/sszu5eBptD— 青春事情 (@seishun_jijou) 2018年12月12日
「青春事情」?
今回、初めて観に行く「青春事情」。
青春事情は、2000年に代表の松本 悠を中心に旗揚げされた劇団。元々は一度きりの公演だったようですが、2005年に活動再開して現在に至るようです。演劇賞などの受賞履歴もあるようで、地道に活動を続けている小劇団の印象を受けます。
青春事情 オフィシャルウェブサイト
ストーリー
公式サイトにはこんな感じで書いてあります。
そこは北海道のとある写真館。正確には写真館だった場所。後片付けをしていて見つけた1枚の白黒の写真。そこに写っていたのは約70年前の写真館だった。
時は昭和25年。写真館を営む男と、そこに集まる少しピントがズレた人々の物語。彼らのモノクロームの日常がカラフルに色づき始める!!
とあります。冒頭で見つかる写真館の営業日報を紐解きながら、昭和25年から始まる写真家のの物語と、現代の物語が交錯します。
非常にほのぼのと、時には涙を交えながら進む物語。演劇初心者にも観易い芝居だと思います。
感想
写真館のテーマに沿った意図した演出の形なのか、役者さん一人一人が非常にVivid、鮮やかな人物像を秘めて役を演じている。鮮明さの象徴なのか、全員の笑顔が忘れられない芝居。(女中、早坂役は笑わないけれど) 写真館のセットがよくできていて、ゆっくりと流れる、登場人物たちの生きる時間。そんな時間を共有するステージ。
この物語の雰囲気。なんだか「朝の連続テレビ小説」のにおい、がする。実役を演じる加賀美秀明が、今ちょうど朝ドラで主役をしている、長谷川博己に似ているから、の錯覚だろうか。登場人物の物語一つ一つが、朝ドラの毎日の15分枠のような、そんな描き方をしている印象を受けた。
写真館を営む兄弟、実と喜代子。実と恋仲にあるがお互いに上手く伝えられない、幼馴染でお金持ちのお嬢様、慶子。その女中、早坂。近くのラーメン屋の主人、一平と、死んで幽霊として彷徨っている妻、ハル。そして、昭和25年の物語を振り返る現代の夫婦、律子と拓真。
どの関係もドラマをはらんでいて、魅力的な人間像。特に、一平とハルの物語は、ちょっと映画「ゴースト/ニューヨークの幻」、古くは舞台「天国から北へ三キロ」っぽかったけれど、いいシーンだった。観終わった後観客には、暖かいモノが残る。観客は、彼ら彼女らに、舞台で出会う。その出会いの体験そのものが、観客に対して提示しているもの。
一方、気になってしまったのは、一人一人の葛藤の描き方が、少し観念的なこと。拓真の仕事は大変そうだが、彼自身の電話に対する説明で状況が示されてしまう。なぜ写真館をもう一度はじめたくなったのかも、律子の台詞のみで語られてしまう。実がどうして慶子に何も出来なかったのか。喜代子の恋はどうなったのか、など。いろいろな感情の伏線がはられているものの、観ている側の自然な理解として感情の動きを読み切れなかった・・・という感じが、物語を観た後に残る感情として、残念でした。
印象に残った役者さん
いよいよキャストが全員集合で本日からスタジオに篭って集中稽古が始まりました!!しっかりと青春事情の作品に仕上げていきます!!12/13〜18のご予定はいかがでしょうか?
青春事情『カラフルモノクローム』12/13〜18 下北沢OFFOFFシアターhttps://t.co/ha6bC4J1z3 pic.twitter.com/GtKtNPWbUP— 青春事情 (@seishun_jijou) 2018年12月3日
加賀美秀明は、今の朝ドラ「まんぷく」に出ている「萬平さん」役の長谷川博己そっくりだなーと思って観ていました。田舎の写真館にいそうな雰囲気、そのままでした。
板本未緒の笑顔。現代シーンでの彼女の笑顔は、夫婦にしてはちょっと不自然かな、と思う面もありました。ただ、おそらく、この作品の鮮やかな部分を、表現している上での満面の笑みなのかな、と思いました。
女中役、早坂を演じる、徳永笑美里。この役者の布陣ではズルいなーという位、笑いをかっさらっていました。慶子が早坂の写真ばかり撮っていて、実際に舞台に置かれていた写真も彼女っほくて、ちょっと笑ってしまった。髪、ちょっとだけはねているの好きです。
村山恵美、役どころもあってか、真っ白な服で可愛かった。もう少し大きな役で、どんな演技をするのかな、と想像を巡らせてしまいました。