「黄昏流星群」最終回。ドラマ vs 原作マンガ の比較で、不倫ドラマを読み解いてみる

#漫画,#黄昏流星群

大好きなマンガのドラマ化。納得できる部分もあり、そうでない部分もあり。比較してみました。

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ついに最終回終了

ついに最終回のドラマ「黄昏流星群」。皆さん見られましたかね。


結局、瀧沢家の三人は、それぞれ不倫の末に、それぞれの道を歩むことになるわけで。何だか不倫バッシングが激しい世の中なのに、結局は「それぞれ幸せになりました」って感じの不思議なドラマだったのかなぁ、と思います。
テーマソング平井堅の「Half of me」、よかったなぁ。


前回の記事でも書いていますが、私は原作マンガのファン。

良くも悪くも、原作と、どういう点が違うのかっていう事が、どうしても気になってしまうんですよね。

という事で「原作マンガ」とここが違った!という視点で、ドラマ「黄昏流星群」を読み解いてみようと思います。

原作との違い

登場人物の名前は、マンガとドラマで異なります。
ここでは、ドラマでの役名に統一して書きました。

栞(黒木瞳)は原作で最初から積極的

ドラマでは1~2話。スイスで出逢った完治(佐々木蔵之介)と栞。再開するエスカレーターのシーン。ドラマでは、栞は結構消極的なんですが、マンガでは「あの日から185日経ちました」なんて言うんですよね。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

黒木瞳のキャラクターの違いによる演出でしょうか。不倫へ走る感情を抑える方が、視聴者に対して効果的だと判断したのでしょうか。全編通して栞の性格は、原作と大きく異なっていました。

美咲(石川恋)の恋人、春輝(藤井流星)はイケメン

これはちょっとショックだった違いなんですが…、美咲の恋人は東大卒のブサイク顔の官僚なんですよね。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

完治に嫌われていて、思いっきり張り手されたりして。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

ジャニーズのタレントさんを使ってしまうと「美咲、オヤジじゃなくて、このイケメンと付き合えよ!」と、正直思ってしまって。

ここに三枚目俳優を当ててほしかったなぁ。近藤公園とか(・・・公園さんごめんなさい)。

その方が、後で出てくる真璃子との恋も、更に真剣で深刻に見えた気がするんですけれどね。

美咲(石川恋)は原作では駆け落ちせず結婚

原作マンガでは駆け落ちはせず、美咲と春輝は結婚します。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

完治は、美咲の不倫を知りながら、教授に結婚式の主賓をお願いする。
で、教授が結婚式で主賓のスピーチ。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

ドラマでは、ジャニーズのイケメンを振り切ってロンドンまで駆け落ちするんだから・・・、高田純次演じる、教授オヤジに相当惚れてるんだなぁ、というのが見える、という逆の効果はありましたネ。

原作の美咲は教授とセックス三昧

連載中の「黄昏流星群」は、黄昏る人々のセックスや人間の性欲について、逃げずに、真っ向から描いている作品です。

当然、美咲は教授も例外ではありません。原作では、何度かセックスシーンが登場しています。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

ドラマでは、「美咲と別れてほしい」と迫る完治に対して、教授が「彼女を弄んでいるわけではない。彼女とただ時を過ごしているだけです」と言ってました。この下りは、高田純次かっこよくて、どうして二人が空き合っているのかを示すには、すごくよかった。

でも作品として「性と向き合う」という大事な要素を、ドラマ版ではことごとく飛ばしちゃったのがちょっと残念だったかな。22時台のドラマなんだから、もう少しできた気もする。

真璃子(中山美穂)は、原作では殆ど出てこない

原作では、真璃子は殆ど出てきません。家族のシーンで数カット登場するのみ。真璃子のストーリーはドラマ版だけの設定です。

真璃子(中山美穂)と春輝(藤井流星)の恋は存在しない

当然、この二人の恋のくだりは、原作漫画には存在しません。完全にドラマ版のオリジナルストーリー。


でも、この二人のシーンの曲ちょっとハマりそう。

栞(黒木瞳)は糖尿病ではなく流産

栞は、完治の子供妊娠。その頃、出向先から銀行への復帰が決まって完治も忙しくなり、二人は別れるんですが。産む事を決めた直後に、流産してしまうんですよね。糖尿病のくだりは、栞のお母さんも含めて一切登場しません。

もちろん他にも違いはたくさんありますが

もちろん、他にもたくさん違いがありますが、大きくストーリーにかかわる点という意味では、このくらいかと思います。

男視点のドラマから女性視点も取り入れた?

ドラマ化にあたって、いろいろな都合で原作を変更することはよくあります。その意図について、私が強く感じたのは、男性視点だけでなくて、女性視点の「不倫」も取り入れた事でしょうか。

今回は、浅野妙子の脚本。たくさんの脚本を手がけているベテランの方です。
浅野妙子 - Wikipedia

ドラマ化された作品を見て感じたことは、原作のマンガは男視点が強い、という事。作者の弘兼憲史もサラリーマンを題材にしたマンガが得意という事もあるとは思いますが、完治も栞をどこか男のメルヘン的に捉えている部分があります。そこに、真璃子(中山美穂)の役を膨らませて、イケメン春輝と結びつけることで、女性の視点を入れようと思ったのかもしれません。(もちろん、配役上の大人の制約、もあるとは思いますが。)

その意味で私は、ドラマ「黄昏流星群」には、原作の別の側面を見せてもらった気がして、心地よかったです。

変わらず嬉しかったシーン

変わらずに嬉しかったシーンは、やはりこの2つですかね。

エレベーターはちあわせ

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

やっぱこのシーンは、すごいですネ。ドラマだと、確か第4話くらいでしょうか。高田純次出てきたときは「キター」思いましたからね。

エンディング

そして、ラストシーン。

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黄昏流星群: 不惑の星 (1) (ビッグコミックス) 弘兼憲史著より引用

若干の設定の差異はありましたが、完治は栞のもとに。
黄昏れた星たちは、それぞれの場所で、めでたしめでたしでした。

マンガを比較しながらみたい、という方。

マンガはAmazon。Amazon Kindleですぐ読めます。
ドラマはFODで観ることができます。
このドラマをぜひ比較しながら読んでみてくださいね。




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