<初日レポ>Stokes/Park 1st 「BRIDGE × WORD」父娘の物語をベースに。強烈だけれど「ヤバイ」舞台
時計を見るのを忘れるほどのめりこみました。
どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
Stokes/Park 1st「BRIDGE × WORD」の舞台を観てきました。
公演データ
Stokes/Park 1st
「BRIDGE × WORD」
脚本・演出 白鳥雄介
期間 2019/01/09 (水) ~ 2019/01/14 (月)
劇場 小劇場 楽園
客席の様子
若めの単独女子、女子二人組が圧倒的に多かったように思います。
初心者でも、安心して観劇出来ます。
Stokes/Park?
Stokes/Parkは、「ストークスパーク」と読むようです。ホームページによると、主宰 白鳥雄介の舞台ユニットとの事。今回は1stという事ですので旗揚げ公演ですかね。
白鳥雄介の自己紹介が記載されていますが、結構異色な経歴ですね。
高校時代、M-1甲子園(全国高等学校お笑い選手権)にて2年連続決勝大会(なんばグランド花月)に進出。その後、北海道札幌にてローカルタレントとして、役者、テレビレポーター、ラジオパーソナリティとして活動。2016年からは作家活動を本格化させ、翌2017年、上京。
コメディを中心軸に過去と未来、他者と内面など両極を描いて、「今」を描き出していく。また舞台本番でドッキリを仕掛けたり、完全アドリブシーンを加えるなど、舞台ならではのドキュメント性を追求している。
という事で、略歴を見るとかなりの数の脚本や演出、演出助手として活躍されているようです。期待が持てる、旗揚げ公演。
ストーリー
公式ページにはこんな記載がありました。
父子家庭で育った涼子は、自分の行く先を見出せないでいた。父は川に橋を架けるのに躍起になっている。ある日、涼子は父親との衝突で家を飛び出した。これまで何本もの橋を架け陸と陸をつなげてきたのに、娘とは……。飛び出して見えた新しい世界に心躍らせる中、街には「ワード・ホリック」という病が蔓延していく……。
白鳥雄介主宰の舞台ユニット「Stokes/Park(ストークスパーク)」!!第一弾舞台は、「橋」と「言葉」が交錯する、架けて欠けて駆けまくる!!掛けまくりコメディ!!
という事で。シリアスなのかコメディなのか、あけてみないとよくわからない、といった印象を受けますが、なんかワクワクする感じが好きで、観劇を決めました。
世界観にどっぷり漬かれた。ラストは疑問。
舞台の世界観にどっぷり引き込まれた。開演から終演まで、一度も時計を見なかったくらい。私的にはとても珍しい。どんなに楽しめても、いつも1~2度は時計を見てしまうものだけれども。
ストーリーのベースラインは、父娘のディスコミュニケーションと成長。巷に流行している、突然、特定の言葉の意味を完全に欠落させてしまう病気「ワードホリック」にかかった父と、それを取り巻く人々を描きながら語られる。
この「ワードホリック」に、いろいろと隠喩的なものが含まれているのがわかる。例えば、スマホやインターネットの普及で、実は文字の言葉があふれている現代についていけない人々を表していたり。あるいは、父と娘とが語る言葉が異なる、という事を象徴していたり。世代や文化によって理解できる言葉が違う状況だったり。
とはいえ、この世界の人々は特に悲観的になり過ぎるというわけでもなく。「少しズレた世界観」を、テンポのいい笑いとともに緻密に作り上げられている。例えば、「ワードホリック」の患者たちが、「とにかく、分からない言葉に遭遇したり、感想を求められたら『ヤバイ』っていう言葉を使ってください」って言うのが面白い。こんな設定、どうやったら思いつくのかな・・・と感心してみて。この、世界観に見入る、入り込む過程が面白くて、観ていると、時計を見るのも忘れてしまうほどに、自然と舞台から目を離せなくなった。
で「ワードホリック」。このの隠喩を使って、何かテーマなり何なりの、痛烈なモノを語りたいのか。・・・結局のところ最後まで観てみると、特に語りたい訳でもない。こちらとしては、ラスト、オチはどうなるんだろう、と期待を張り詰めていたのだけれど。編集者のスキャンダルとか、みんなでほのぼの工場の夜景を見るとか、何だか取ってつけたようなそれ。
まだシーンがあるのかな、と思ったら、役者が列になったので、どうやらカーテンコール。「えぇえっ、もう何シーンか残っているんじゃないの?」と思いながら、拍手。シチュエーションコメディにしては、余りにもシチュエーションに凝りすぎたのか。あるいは、単にテーマ性が弱い、あるいはテーマを描く気がないのか。キツネに化かされたように、舞台が終わってしまった。観終わった直後は、正直「脚本、未完で無理やり終わらせました?」と思ったけれど。真意の程は分からず。ちょっと不満の残る最後。
とはいえ、105分間笑わせながら、緻密な世界観。この世界観にどっぷり漬かれたのは、純粋に楽しかった。
役者達がとにかくみんな個性的で、観終わった後も愛おしさの残る舞台。一人一人感想書きたいけれど・・・。特印象に残ったのは。挿絵を演じる、原彩弓。なんか舞台走り回っていても楽しそうだし。「そっちの気持ちの問題」と突っぱねるのも。あの「センス悪い」服をお洒落にセンス悪く着こなしている感じも好きでした。
【役者紹介】
原彩弓(メロトゲニ)
今作のキーパーソン!原ちゃんのコメディ要素が全開です。全員と関わっているはずなのに、共演した感覚がない!
"原ちゃんなり"のベッドシーンがありますが、そこが注目です。
ご予約はこちら↓https://t.co/ecptZCmJKy#ストークスパーク pic.twitter.com/kboHthmk1S— Stokes/Park (@StokesPark1) 2019年1月2日
それと「楽園」の狭い空間で、あそこまで見事にプロジェクターを利用していたのはすごい。物語の展開上、「劇中劇」や、特に冒頭の役者紹介は効果的だった。
脚本・演出の白鳥雄介の公演は、4月に山口ちはるプロデュース公演があるようだが。Stokes/Park、次回以降も見逃せない劇団になりそう。
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