甲斐ファクトリー「新しい星」

【ネタバレ分離】
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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。昨日観た芝居の感想です。


公演前情報

公演・観劇データ

グリーンフェスタ2019参加作品
甲斐ファクトリー
「新しい星」
脚本・演出 甲斐マサキ
2019/02/20 (水) ~ 2019/02/24 (日) シアターグリーン BASE THEATER

観劇した日時2019年2月20日 19時30分〜
上演時間110分(途中休憩なし)
Corich満足度★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子・観劇初心者の方へ

様々な年代の男性一人客が多かった気がします。カップルもちらほら。客層が特定できず。
観劇初心者の方にも、安心して観ることができる舞台です。

甲斐ファクトリー?

劇団紹介にはこのように書かれています。

甲斐ファクトリーは代表の甲斐マサキとトラ丸(伊藤順)の2名で構成するユニットで、作・演出は甲斐が担当しています。
作品の傾向としては「救われない時代の、救われない人々に救済はあるのか」をテーマとして、作品全体はどうしようもない、おかしな絶望感に覆われている。突き抜けたエンターティメントと乾いた言葉で、この生きていくのが難しい時代を全力で駆け抜けていきたいと思います。

という事です。

事前に分かるストーリーは?

ホームページにはこのように書かれています。

ねえ、あの空に光るきれいな星。
あの星の中の幾つかに人が住んでいる星があって、その星の人が夜空を見上げて
この地球を見ているとしたら、私たちの星はきれいに見えているかな?
きれいに見えてたらいいね。

ということで、ストーリーらしきものは分かりませんが。チラシの雰囲気も含めて、非常に興味惹かれたので、観劇を決めました。

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーを簡単にまとめると。
高熱を出し、体のあらゆる穴から出血して死に至る新病が、地球に少しずつ蔓延し出す。殆どの者は死んでしまうが、一万人に一人の確率で生還。生還すると、その人間は知覚と運動能力が優れた人類の進化系に変化している。旧人類と新人類の間で起こる闘争を、研究者、元自衛官、普通の女性、引きこもりのオタク、などの様々な視点で描く。覇権を握ろうとした新人類の一部が暴走して、「ヒミコ」と名付けた救世主をでっちあげるも、失敗。最終的には人類は核戦争への道を歩んでしまう。
・・・ストーリーだけまとめると、こんな感じ。

当日パンフに書かれている通り、デストピアもの。しかも、デストピアをむかえる要因が、SF的な要素が非常に強い作品。科学的根拠のありそうな虚構の積み上げは緻密で、話として楽しんで観る事が出来た。研究者の視点、一般市民の視点、既に「超えてしまった」者の視点など、様々な人の視点が交錯。開始1時間で、大方の秘密が明らかに(この時初めて時計を見たので覚えている)。徐々に「この世界で起っている事」が明るみになっていく展開は鮮やか。

その中で、お話の展開として、個人的に納得できないことが2つ。1つは、元防衛省官僚のタケヒコが、どうして核戦争を引き起こしたいと思っているのか。「こういう状況だったら、そう思うヤツが出てきそうだ」という想像は出来るものの、タケヒコ自身がどうしてそんな葛藤を持ったのか、がちょっと掴めず。2つ目は、最後の核戦争。ここで世界を壊してしまう事が、作者の作風、世界観なのかもしれないが。「雨に歌えば」と共に流すきのこ雲の映像は、うーんそう来るか、という想いを持った。

一方演劇の舞台として強烈に感じたのは、SFノリノリの話を観ているにもかかわらず、会話劇の要素が強すぎた事。照明、音響、プロジェクターもあるのだから使って、もっと世界観を煽って客に届けてほしいなぁ、と。『このシーンは、もっと音響で役者の演技を助けてあげればいいのに』と感じる場面が多数。また、同じ脚本で別の演出が付いたときに作品の印象がかなりガラリと変わるんじゃないか、という事を考えずにはいられなかった。例えば、西田シャトナーとか。

役者さん。トラ丸(伊藤 順)と、山﨑明美のかけ合いが面白い。地味だけれど、淡々と語る場面が好感。他の出演者からすると年齢層がシニアな方なので、客演かな、と勝手に思っていたら、劇団の中心俳優とのこと。素晴らしい。トラ丸の変化具合は・・・すごいな。確かに、兄とは仕事はできないw。

ツイッターをみていると、脚本がギリギリに上がった様子。楽日に向かって、作品の印象が変わっていくかもしれない。

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チラシの裏
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舞台