<観劇レポート>feblaboプロデュース「バー・ミラクル」(Dry編)
【ネタバレ分離】
観た芝居の感想です。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
団体名 | feblaboプロデュース |
題 | バー・ミラクル |
バージョン | Dry編 |
脚本 | 高村颯志(家のカギ) いちかわとも(乙戯社) 萩原達郎 |
演出 | 池田智哉(feblabo) |
日時場所 | 2019/06/29(土)~2019/07/08(月) 新宿シアター・ミラクル(東京都) |
事前に分かるストーリーは?
多本数のオムニバスだからか、ストーリーの記載は見つけられませんでした。
観劇のきっかけ
関係者の方から、twitter DMでお誘いを頂いての観劇です。
ネタバレしない程度の情報
上演時間・チケット価格・満足度
観劇した日時 | 2019年7月4日 20時00分〜 |
価格 | 3000円 全席自由 (事前にネット予約) |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
個人的な満足度 CoRichに投稿 | ★★★★★☆(4/5点満点) |
客席の様子
女性同士、カップル、若い一人客、サラリーマン、いろんな客層がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して楽しめる舞台です。
観た直後のtweet
feblaboプロデュース「バー・ミラクル」Dry編105分含休10。
3話オムニバス。お酒飲みながら観れるガチ会話劇。20時開演だしお酒でリラックスできるのもあり。1日の終りにこんな贅沢な時間と空間持てるの幸せだなぁと思い観てた。
feblaboは役者さんの博覧会。気になる方2人ほどゲト。大人の娯楽に乾杯— てっくぱぱ (@from_techpapa) 2019年7月4日
感想(ネタバレあり)
バーで繰り広げられる、オムニバス3部作。
『悪魔のかいせつ』(脚本 萩原達郎)
目が覚めると、バーの椅子に縛り付けられている主人公。人が2人死んで倒れていて、血の付いた瓶を持っている女が一人。記憶がない、何があったんだ?何しちまったんだ?と、自分の記憶を紐解きながら、バーでの出来事を脳内舞台で再現する物語。
『嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。』(脚本 いちかわとも)
結婚している若い夫婦。夫が突然別れ話を持ち出すところから始まり。理由は浮気だというけれど、どうも変だ。この男が浮気なて、器用な真似をするはずがない。2人の別れ話を見守る、2人にとっては大学時代からの親友のバーテン。3人の会話の中で、徐々に真実が明らかになり…。そして一人、語られなかった言葉を残すバーテンの話。
『力が欲しいか』(脚本 高村颯志)
テーブルを汚して帰る客にイライラするバーの女店員。客の残したテーブルに「ぶっ殺してやる」と呟く店員に、脳内に語りかけてくる声・・・「力が欲しいか」・・・。気が付けば、脳内に語りかけていたはずの悪魔が目の前に現れる。でもなんか変だ、この悪魔、誰かに力を与えたがっている。弱気な悪魔と、変な人間たちのお話。
バーをテーマにした舞台という事で、シアター・ミラクルの「例のブース」を正しくバーにした公演。ワンドリンク無料、2杯目からは有料。開演前と、休憩時間と、終演後に、バーカウンターでお酒をたのめる。お酒がOKっていう舞台は数あれど、各席にコップを置くテーブル(や箱馬)も用意されているのは珍しい。コップ置く場所もないし、休憩もなくてトイレ気になるので飲めない・・・っていう舞台には、何度か出会ったことある。それに比べると、今回の芝居はとてもは嬉しい計らい。・・・自分で書いてても「お酒とマッチ」っていう感想を強調しているのが少し不思議だけれど、観ながら、無理ない体制でお酒飲めるのは、なかなか、ない。結構リラックスして観れたし、会話劇だったこともあり、濃厚な時間を楽しむ「大人な娯楽」を堪能させてもらった感だった。
3篇とも、基本は会話劇。脚本家も3作それぞれ異なるが、出演者は何人かダブる(トリプる)。実験的な意味合いもあるのかもしれないけど、会話劇の軸がしっかりしているのはfeblaboならでは。1本目『悪魔のかいせつ』、オチ的なものは最初から見えているけれど、男1の一人芝居的なのが面白い。トトロ、もっと正確にやってよ(笑)。2本目、『嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。』。シチュエーションが物凄く切なくて痛いなぁ、と感じつつも、自然な会話が進むのは観ていて楽しくて。最後、ちょっと語り過ぎた感があったかなぁ。仲直りしたら、客の感じるままに任せてバーテンの秘密に雪崩れ込んでもよかったかも。3本目『力が欲しいか』。元ネタ知らなかったけれどググる限りは「ARMS」?、悪魔弱すぎ。急遽差し替えた脚本との事だけれど、この作品が一番好きだったかなぁ。
feblaboの公演は、役者さんの博覧会、みたいなところがあるけれど。気になった役者さん。堀川恵利、前回のfeblabo「桜の森の満開のあとで」から気になっている、チャキチャキでほっとけない感じ。一本目のバーの店員みたいな、意地悪い演技の方が好きかも。坂本七秋、男の視点からでもカッコいいし、とても上手い。2本目「嘘つきな・・・」での演技、会話と動きがナチュラルで、嘘がなくて、かなり目を奪われてしまった。で、3本目「力が欲しいか」では、打って変わって気の弱い悪魔。ヨワヨワかと思ったら、テーモン閣下へのあの直立不動。面白い。もっと観てみたいなぁ、と思った。浦田すみれ、顔だちもキリリとして、演技がどこか気持ち良い様式的な部分を持っている役者さん。横顔の時の、目の力が物凄く舞台映えして、そこにサイドから照明が当たると、とても奇麗。悪魔のジョンとのやり取りが最高だった。「ミラフェス’19」の「ペルソナ・サークル」に出ていたのか・・・沢山いたからか、その時のことを思い出せず。カーテンコールでお辞儀していたけれど、バレエか、新体操でもしていたのかな、と思った。