<観劇レポート>アナログスイッチ「かっぱのディッシュ!」

#芝居,#アナログスイッチ

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名アナログスイッチ
15th situation
かっぱのディッシュ!
脚本佐藤慎哉(アナログスイッチ)
演出佐藤慎哉(アナログスイッチ)
日時場所2019/08/07(水)~2019/08/13(火)
サンモールスタジオ(東京都)

劇団紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年に旗揚げした、東洋大学出身の劇団。脚本家、兼演出家である佐藤慎哉を中心に発足。
現実世界に、非現実的な世界を放り込んだワンシチュエーションコメディを得意とし、「笑い」をテーマに、脚本の構想とエチュードから作品を作り出していく。
コメディと言っても、アナログスイッチのコメディはドタバタコメディではなく、俳優の実感から外れることなく、湧き出る感情、シチュエーションから観客の笑いを誘う。
コメディと言っても、アナログスイッチのコメディはドタバタコメディではなく、俳優の実感から外れることなく、湧き出る感情、シチュエーションから観客の笑いを誘う。
細部までこだわる舞台美術も高い評価を得ている。
2013年8月、シアターグリーン学生芸術祭vol.7に参加し、劇団員の渡辺伸一朗が俳優賞を受賞した。
2014年9月、福岡の国際コメディ演劇フェスティバルにおいて最優秀賞である「2014ベストコメディアワード」を受賞した。

Analog Switch | アナログスイッチ

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

人里離れた山奥の河のほとり。

鄙びた一軒の工房にひっそりと暮らす
一人の、いや一匹の陶芸家。

そこを訪れる一人の女性。
きゅうりを食べながら陶芸家は言います。

「皿は作れません。」
「産み出すことならできるのです。」

そして集まる全国の仲間たち。

世界から取り残されたものたちが
もがき奮闘する、お皿創作コメディ!!

あの素晴らしき皿をもう一度。

観劇のきっかけ

評判が、面白そうだったからの観劇です。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時2019年8月8日
19時30分〜
価格3500円 全席自由
(事前にネット予約)
上演時間105分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★☆
(4/5点満点)

客席の様子

男女は、5対5くらい。サラリーマン風な人と、若い女性とが多かった気がします。身内のお客さんというより、この劇団に慣れて、通っている方が多い印象を受けました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者の方でも安心して楽しめる芝居です。

観た直後のtweet

映像化

DVD・BR等販売

情報はありません。

観劇三昧

2019年10月20日追加
アナログスイッチ「かっぱのディッシュ」

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
陶芸家だった祖父が、アトリエとして使っていた田舎の家。小学生くらいに祖父を無くして以来、だれも住んでいなかったその家に、少女は帰ってきた。祖父からもらったお皿の温もりを忘れられず、その皿を割ってしまったことをきっかけに。しかしそこには、居場所がなくなって全国から逃げてきた、カッパ達が住んでいた。このカッパ、感情が高ぶると、背中から突如「皿」を産み出す。道の駅で皿を売って(あと、バイトもして)生計を立ててるカッパ。そこに、東京から、皿を売りたいという小物販売アプリを運営している女性が現れ。しかも、少女の幼馴染の友達は、カッパの一人と付き合っている事が分かり。カッパは週休五日制。働きすぎるとみんな疲労して精神を病んでいくこともわかり・・・。そんな「皿」「カッパ」を巡る、会話で織りなすシチュエーションコメディ。・・・と強引にまとめるとこんな感じ。

冷静に物語の設定考えると、かな~り下らないのだけれども。客を醒めさせないためのディティールの積み重ねが絶妙。「緻密」というより、客の意識が醒めて逃げていってしまいそうな箇所を「塞ぐ」というような虚構の積み重ね方。世界観に少し戸惑いながらも、あわわあわわ、として観ているうちに、気が付くと「カッパと皿ワールド」に否応なしに巻き込まれてしまう。あれ、俺、どうしてこんな場所にいるのかな、と、途中で自分でも反芻してしまう。

笑いも、大爆笑というよりかは、朗らかウフフ、の小爆発多数。ホンワカポカポカした世界。気が付くとその世界に迷い込んで。最後どうなるんだ?と思い始めるも、入浴剤も入れて気持ち良いぬるま湯のお風呂の中でポカポカさせてもらった感覚なので、心地よい時間。このぬるま湯。悩みがあったり、落ち込んだ時、この芝居を観に来たら、そんな悩み正直どうでもよくなるよね、な破壊力を持っている。作品としては明らかにシチュエーションコメディなんだけれど、こんな作風って今まであったかな、と脳内を検索。類似を探すも思い当たらず。

基本は、会話劇だ。会話を積み重ねるアンサンブルの力、役者の力が、ものすごく強い。役者さん11人の中、客演は3人のみで、他は劇団員。なるほどなぁ、このグルーヴ感はそういう所からくるのかな。カーテンコールの後説で物販の宣伝をしているも舌が回っておらずの中、他の劇団員は微笑ましく見守っていて。何だか役者さんの「転がし方」に、余裕がある。ポカポカのお風呂に入って、風呂場から出たら、扇風機に当たりながら腰に手を当ててコーヒー牛乳ぐひぐびって感じ。そんな後説だった気がする。

なんだろうなぁ、この独特な雰囲気、独特な作風は、と何度も考えるのだけれども。冷静に思い起こしてみると、シチュエーションコメディとしては、何か変わった事がある訳ではなく、とても王道な作品のようにも思える。王道なのに、強烈な個性を同時に感じるのは何故だろう。そんな事を考えて、結局結論が出ない2時間。

気になる劇団が、また一つ増えました。

気になった役者さん。木幡雄太、やっぱ場を回しているのが、彼、こわっぱなんだよな。皆、皿を作りすぎて疲労して、カマドの個室で座りながらうなだれているの、写真に収めたかった。男優のブロマイド欲しいなんて今まで一度も思わなかったけれど、あのぐでーっていう写真に限り、欲しいなぁ。用松亮、客演との事だけれど、歳上の役を過不足なく好演。以前どこかでみたことがある気がするけれど、思い出せず。

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