<観劇レポート>演劇設計局コミュニケ「きえるもの、のこるもの、こわれるもの 」
観た芝居の感想です。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
団体名 | 演劇設計局コミュニケ |
回 | 演劇設計局コミュニケ#2 |
題 | きえるもの、のこるもの、こわれるもの |
脚本 | 下記参照 |
演出 | 川口 典成(ドナルカ・パッカーン) |
日時場所 | 2019/09/12(木)~2019/09/16(月) RAFT(東京都) |
劇団紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
演劇設計局コミュニケは
劇作家による演劇企画団体です。
「戯曲は舞台の設計図」をモットーに、
戯曲を起点として
キャスト・スタッフ・観客のみなさまと出会い、成長していく。そんな団体をコミュニケは目指しています。
事前に分かるストーリーは?
劇団ホームページには、こんな記載がありました。
廃校いったら、なにする?
演劇設計局コミュニケは劇作家が運営する演劇企画団体です。
今回は5人の劇作家が一緒に東京の廃墟・廃校を取材し1人15分の短編戯曲を執筆。
作家による視点のちがいが舞台でどうカタチになるのか。
ぜひ劇場に足を運んで確かめてみてください。「灯り」関野 翔太(劇団カツコ)
今日思い出したあの夜は、明日もう一度生まれる。
ある夫婦の明日の前日譚。「たまたまあはれ」菊池 祐児(劇団大学ノート)
「たまたま生まれて必然を遺す」
小学生がサイコロを転がす話です。「さよならは夜明け前に」田中 寛人(演劇設計局コミュニケ)
黒板をめぐりすれ違う二組の男女。
生と死、過去と未来、交錯する二つの会話の物語。「F」Kaivz(無伴奏Δ組曲)
任務を遂行せよ。ただし、「想像しない」でだ。
光と音だけを頼りに侵攻する兵士の世界。上演禁止シリーズ②「人生の楽園」早川 貴久(MICOSHI COMPLEX)
ある事情で上演禁止になった作品を再構成して上演するシリーズの第2弾。
観劇のきっかけ
この日、中央線沿線で、15時前後に開演の芝居がないかなぁと探していて、見つけての観劇です。
ネタバレしない程度の情報
上演時間・チケット価格・満足度
観劇した日時 | 2019年9月13日 15時00分〜 |
価格 | 2500円 全席自由 (事前にネット予約) |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
個人的な満足度 CoRichに投稿 | ★★★★☆ (4/5点満点) |
客席の様子
男女比は5:5くらい。男性は若い層とアラフォーくらいの方が半々。女性は、平日マチネだからか、アラフィフupの人が多かったように思います。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも安心して観劇できる舞台です。
観た直後のtweet
演劇設計局コミュニケ「きえるもの、のこるもの、こわれるもの」95分休無。
5人の作家の短編5本。割と感覚的な理解が必要な作品群。凸凹あったけど楽しかった。「たまたまあはれ」、上演禁止シリーズ②「人生の楽園」が特に好き。役者さんパワフルで上手い人ぞろい。好き嫌い別れるかもだけどオススメ pic.twitter.com/tIUTL7v8Ft— てっくぱぱ (@from_techpapa) September 13, 2019
感想(ネタバレあり)
5話、完全に独立したオムニバスのストーリーだけれど、廃校をモチーフにしているのが共通点。ただ、事前に「廃校」の話は読んでいたにもかかわらず、観ているときは「廃校」の事は頭から忘れていたかな。
■「灯り」関野 翔太(劇団カツコ)
台詞がリアル。どんな夫婦でも、別れ話の夫婦喧嘩1つ位したことはあると思うけれど。ああ、このまま別れちゃうのかなぁ、というリアリティがあり。扇風機のモチーフが、私にはどうしても、昨年観た、らまのだ「青いプロぺラ」を思い起こさせてしまって、何だか途中から世界観が混ざってしまったりした。あの芝居には、ナショナルっていう言葉は出てきたかな、出てきたような気もする。
■「たまたまあはれ」菊池 祐児(劇団大学ノート)
なんで3人は、あんなに楽しそうなのか。卒業式の群唱の恒例「楽しかった、運動会!」をやっていたかと思えば、人生は進んでいき。気が付くと、人生そのものを表している流れに変わる。で、ぐてたま君?が、プリンターを持ってきて、紡がれる物語。紡がれるのか紡がれていないのか、分からないものを流しながら、人は生きていくよね、という感覚的な表現。
「人生」をメタファーにした感覚的な芝居(や、映画)を、何度か見たことがある。「奇麗」な表現を狙う事が多く、その「奇麗さ」があまりにもテンプレぎて退屈、というのに何度も遭遇したけれど。今回の作品は、ぐでたま君と、サイコロ、そして3人が妙に楽しそうだったから、心にストンと入ってきた。
そいえば、プリンターから印刷される文章、何枚も印刷しているの、全て同じページを印刷しているように見えたけれど、演出意図通りかな。違うページが出てきた方が、自分としてはシックリくる。人生のページは、一ページ一ページ、違うんだし。
■「さよならは夜明け前に」田中 寛人(演劇設計局コミュニケ)
苦手な「銀河鉄道の夜」の、特にサソリの下りをモチーフにした物語。幻想的ではあったけれど、イマイチ関係みたいなのが掴めないまま、終わってしまったかなぁ。
■「F」Kaivz(無伴奏Δ組曲)
何だか、攻殻機動隊の世界を思い出すのだけれど、途中途中入ってくる言葉が面白い。BIOSとか、GPUとか、小田急の発射音とか。不思議な世界。
■上演禁止シリーズ②「人生の楽園」早川 貴久(MICOSHI COMPLEX)
うちの息子(12歳)、大好きなテレビ番組は?と聞かれて「人生の楽園」と答えるトンデモボーイなのですが(笑)。その縁もあり、ブラックなパロディが面白く。全部拾い切れないほど散りばめられていたかも。どうして「上演禁止」なのかは、よく分からなかったけれど、理想的なものが理想的じゃないってのは、あるよね。あと、ものすごい丁寧な「嘘くささ」みたいなのも。出演者がみんな楽しそうなのが、楽しさを増し。
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気になった役者さん。内海詩野、なんか楽しそうなのみてて、楽しくなってしまう感じが好き。小関悠佳、こちらも、楽しそうなのが好き。あ、今回の芝居の魅力は、「楽しそうな」だな。今気が付いた。小磯一斉、前半の芝居では、暗闇で声だけ聞こえるシーンが多かったからか、声に聞き惚れてしまい。「人生の楽園」では、やっぱ妙に楽しそう。
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