<観劇レポート>劇団ドガドガプラス「色指南 ~或る噺家の恋〜」
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
団体名 | 劇団ドガドガプラス |
回 | 劇団ドガドガプラス第29回公演 |
題 | 色指南 ~或る噺家の恋〜 |
脚本 | 望月六郎 |
演出 | 望月六郎 |
日時場所 | 2020/02/22(土)~2020/03/02(月) 浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都) |
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団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
歌って踊れる浅草の劇団
ドガドガプラスは、2006年に旗揚げして「踊り子女優化計画」を実行中。網タイツで歌って踊って、笑って泣いて汗を流して。先人たちがつくった浅草レビューの世界観を踏み台に、演劇界に新風を巻き起こしているのです。いまはそよ風程度ですが、これを台風にするためにも、ぜひぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
今回原作に選んだのは野坂昭如氏『色指南』です。この短編はストーリーがユニークであるばかりでなく、大変深い含蓄を有しています。戦時中、吉原の廓を舞台に、数奇な人生を歩いた老人が主人公で大恐慌時代東北、北陸地域の貧農から売られてしまった少女たちの奮闘ぶりが胸を打ちます。脚本化にあたり、永井荷風、徳川夢声、高見順、山田風太郎らの戦時中の日記を参考にし、多くの国民が戦争に熱狂・陶酔した真珠湾攻撃からの七ヶ月間を時代背景としました。「大いに笑い楽しんで頂いた上で何かを考えて貰いたい」そんな意気込みが結実した劇団ドガドガプラス の一年ぶりの新作です。
観劇のきっかけ
お気に入りの劇団です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
観劇日時 | 2020年2月25日 19時00分〜 |
上演時間 | 150分(70分-休10分-70分) |
価格 | 4500円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団のホームページからのリンクで、CoRichiのシステムを利用して予約しました。
当日受付で、前売り料金を支払いました。
受付順、整理番号順の入場でした。
客層・客席の様子
男女比は7:3くらい。アラフィフupのシニアな、スーツを来た男性が目立つのが特徴。若い女性のグループもチラホラ見かけました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・にぎやか
・エンターテインメント
・ショー
観た直後のtweet
ドガドガプラス「色指南ー或る噺家の恋ー」150分、含休10分。
いつも通りビール飲みながら。楽しかった〜。あのエネルギーは本当すごいなぁ。お話は後半まで割と平坦だけどラストに向けてガガガと来る。思いの外情報量多めかな。天之雀、お粂、うめの、女学生五人組が良かったなぁ。オススメ! pic.twitter.com/fl3tKRFB3J— てっくぱぱ (芝居好き) (@from_techpapa) February 25, 2020
映像化の情報
情報はありませんが、過去公演のDVDがかなり売られていますので、いずれDVD化が期待できるのではないかと思います。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは。
太平洋戦争末期。落語家の天之雀は、小説家の渚から、吉原にいる「ガンギの録助」という男の話を聞く。調べてみると、その録助という男は、地方の貧しい家から身売りされて遊郭に来た女たちを初めて抱くのが上手いらしい。売られて、気持ちのやり場のない女の心をケアしつつ、吉原で女郎として生きていくための心の支えを与えるのが上手いらしいのだ。天之雀は、録助からその半生を聞く。転機となったのは、家で女中として働くお粂から、「トイチハイチ」・・・女が女を満足させる方法・・・を学んだことらしい。天之雀の落語として聞く彼の半生と、落語にならなかった録助の妻の話・・・と、かなり強引にまとめるとこんなお話。
着想、原作は、野坂昭如の小節との事。読んだことはないので、どの程度の違いや類似があるのかは分からないけれど。きっと小説とは、雰囲気が大きく異なってるのではないか、と予想する。女郎の切ない感じも見せつつも、ドカドガプラス独特のアクションは変わらずだった。作品のテーマとしては、色に狂う人々、色をしたたかに極めた人々や、老女の悲哀だったりを描きつつも、時代に翻弄されつつも強く生きる人だったりを描く。派手な衣装と、派手な照明とで彩られる舞台に、どこか懐かしい時代背景も浮かび上がってくるのが不思議だった。
ドガドガプラスを観ていて面白いのは、文学を基にしてに裏付けられたテーマもあるのに、そういった事を忘れて脳ミソから直接、舞台のエンターテイメントを楽しめる事。ダンスや歌もあり、東洋館らしい「いろもの」的な要素がとても強い。・・・この路線前回の観劇レポートにも書いたけれども。ここ3回観て顕著に思うのは、「性」「エロス」にとても真っ向から向き合っている感覚が、とてもいいなぁ、という事。今回は「色指南」というテーマなのでその傾向が顕著だったけれど、ドガドガの芝居の傾向として、はっきりと認識した。
女性の出演が多い作品だけれど、性やエロスの部分を決して欠かさない。作・演出の望月六郎の視点なので、主に男性から見たエロス、だとは思う。そのエロスを表現する事に、女性も楽しんでいる感覚。けれど、下品に露出が多いかというと、そんな事は全くない。「エッチ」という言葉のニュアンスとは全く違うし、昨今の「エロ」という言葉とも微妙にズレる。人間の、性的な魅力みたいなものを、外から見た視点(特に男性視点だと思うけれど)から逃げずに、そのまま舞台に上げている、という事よなぁ、と感じる。世の中には、性に触れずあえて話題にしないように話題を選んでる芝居もあるし、性を「見て見ぬふり」する芝居もあるけれど、そこに自然にあるもの、として捉えている感覚が、何だかとても心地よいなぁ、と思う。
今回も恒例の、「前説」と「前説の前説」があり。大きな体の、蜂巣和紀とのじゃんけんで、勝った人にビールを(自腹で)プレゼント。今回はじゃんけんは、古野あきほが。まあ確かに、男より女の子の方が嬉しい。前説では、女学生チームの歌。前説で歌うたうのは確かに初めて聞いたかも。舞台をとにかく盛り上げる技、その場に居て本当に心地よい。
気になった役者さん。丸山正吾、何度か拝見している役者さんだけれど、もうカッコイイ。首筋伸ばしてすごむシーンとか、落語家のシーンとか。もう、ただただカッコイイ。石川美樹、今回はどうなっちゃうのかなぁ…と思ったら、「トイチハイチ」の先生。意地悪そうな目をしている時と、青い羽根を背負っている(蛾だったかな)のギャップがいい。途中休憩の前説で、喪服で「望月先生をぶん殴ってやる」ってのも面白く。大岸明日香、最終的には「うめの」の話に落ち着く物語だけれど。あの切なそうな顏は忘れられず。それと、池之端女学院の皆さん、歌とダンスが良かった。ウエストから見える素肌が、どうしてあんなにドキドキするのか、自分でも不思議。
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