<観劇レポート>演劇ユニット「巨乳の彼女を創る」「まつげが伸びきっちゃった」
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
団体名 | 演劇ユニット「巨乳の彼女を創る」 |
回 | 演劇ユニット巨乳の彼女を創る第六回公演 |
題 | まつげが伸びきっちゃった |
脚本 | 葛生大雅 |
演出 | 田上豊 |
日時場所 | 2020/03/13(金)~2020/03/16(月) ARAKAWAdustbunny(東京都) |
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団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
高校生の男三人がただ『男だけで演劇をしたい』という思いから結成した演劇ユニット『演劇ユニット巨乳の彼女を創る』縮めて『劇乳創』。演劇初心者♂から東大生♂までと、演劇に興味を持っていてなおかつどんなことでもいいから面白い事をしたい(あわよくばこの活動で彼女が欲しい)と言う貪欲な男が集まった男のみのユニットです。
結成当初は誰も彼女がいなかったはずなのに、結成から約2年半が経って、オリジナルメンバーで彼女がいないのは石川大我と葛生大雅のみになっていまいました。彼女を作るエネルギーを演劇に注ぐ。挙げ句の果てにはもはや演劇が彼女だとか、よくわからないことを言い出す始末なのですが、どうぞ、そういうバカな団体をよろしくお願いします。あ、書き忘れました。「下品」です。
『劇乳創』主宰 葛生大雅
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
主宰に彼女ができないまま結成5周年を迎えた演劇ユニット「巨乳の彼女を創る」満を持してお贈りする第六回公演は、宇宙を股にかけたバトル演劇。荒川の廃工場で繰り広げられる宇宙規模の乱痴気騒ぎを見逃すな!半分野外だけど、寒くないぜ。
あらすじ: M-1の決勝、努力の結晶、そのうち結婚、その前に決闘、俺たち葛藤、二人しかいなかった仲間、気づけば周りに溢れてる、けどいつ敵になるかはわかんねえ、若いって怖い、田口トモロヲ、明日はトゥモロー、なにがあるかわかんない、あい、あい、愛し合いたい、愛が足んねえ、平和が足んねえ、思いやりが足んねえ、地上五メートルのアパート、いつまでも回り続ける麦茶、麦茶、麦茶。かわいそうなおサルさん。サルサ踊ってやがる。サル、サルさ。人生は無限大なのだ。
観劇のきっかけ
前回の公演が面白かったからです。
過去の観劇
- 2019年03月19日 演劇ユニット 巨乳の彼女を創る「チンチンの冒険」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
観劇日時 | 2020年3月16日 16時00分〜 |
上演時間 | 70分(途中休憩なし) |
価格 | 2000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで予約しました。
当日受付で料金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。若い人が多いですが、私と同年代の方もちらほら。年齢不詳な方もちらほら。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・笑える
・ちょっとエロい
・モラトリアム
・パンイチの裸
観た直後のtweet
演劇ユニット巨乳の彼女を創る「まつげが伸びきっちゃった」70分休無。
半野外劇。客が座らないとパイプ椅子が飛んでしまう強風の中上演。パンイチ男たちの競演。観てる方もめちゃ寒いのに公演してるだけで奇跡。前作よりテーマ性緩いも、生きてるだけで丸もうけ、を感じ。オススメも千穐楽。夕陽綺麗 pic.twitter.com/LWrZ4HvMp6— てっくぱぱ (芝居好き) (@from_techpapa) March 16, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは。
宇宙人。地球に降り立った2人。地球を侵略してやろうと思ったけれど、結局何にも出来ずにダラダラ。女の子に告白もできないでだらだら。仲間の宇宙人が、信仰宗教にハマった。で、もっと強そうなダースベイダー的な宇宙人が邪魔してくる。その宇宙人に、彼なりの最大限の努力で戦うお話。
…まあ、ストーリは明確にあるものの、それ程厳密に追う事を気にしなくてもいい物語ように思う。ストーリーを追うより、演劇を、ライブ感を、男たちの熱い肉弾戦を、感じて楽しむ芝居。
会場が、、、、なんだろう。どこかの工場(こうば)?の3階の、屋根はあるけどオープンなスペース。外にムキ出ている足場の階段で2階に上がり、ドアを開けると受付。受付にはちょっと暖かいスペースがあるが、屋根裏部屋に登るような急な階段を登ると、3階の吹き抜けスペース。隅田川がうららかに。高速道路には車が走る。のどかな風景。
…とはいかず、この日はかなりの強風。風速10メートルは越してたかな。とにかく寒い。ジャンバー着てるのに、寒い。風が強くてパイプ椅子が飛んでしまうというので、客が座る位置を決めると、椅子を持ってきてくれる。そんなスタイルで観客席を陣取る入場スタイル。カイロをもらったけれど、それ以上に寒くて、全く役立ってない。天気はいいのに、風が吹くと体感温度が下がる、超寒い。そんなスペースでの芝居。近隣にも工場があるのでトンテンカンテン音がする。台詞聞き取れない程ではないけれど、風も強くてたまに聞き取るのに難儀する。そんな状況での観劇。
巨乳創、昨年の芝居同様、男たちはみんなパンツ一丁、パンイチだ。寒くてガタガタ震えながら、前述の物語冒頭、水かぶってるし。笑うしかない。笑うしかない。ケタケタ笑うしかない、な状況。最大限の努力で宇宙人に立ち向かいながら、戦う男たち。。。。どこか冗談のような、でも真剣物語を紡ぐ。
劇乳創の物語は、やはり今回も、モラトリアムへの抵抗だ。今回は、「弱さに負けてしまう事。自分自身の意味を見出すことが出来ない弱さに負けてしまう事への、抵抗」のように、私は感じる。誰もが若い頃に感じる、行動としてはウジウジしているけれど、心の中では爆発するような想いを秘めている、あの想い。まるで、性欲のような爆発するような想い。その想いをパンイチで走りながら、下ネタときわどいギャグで描き切る。
昨年の「チンチンの冒険」より、物語の明確性は薄かったかもしれない。あるいは、あまりに寒すぎて、ストーリーが頭に入ってこなかったのかもしれない。ただ、どこか少し物悲しいけれど、どこか少し元気が出る、そんな「モラトリアムの克服」の肉体表現に、不思議と共感を感じずにはいられない。多分創っているのは20代前半のメンバーが多いと思うが、その点が驚きでもある。今まさに感じているモラトリアムの葛藤みたいなものを、ここまで下品に、しかしハイセンスに舞台に上げるには、自分自身の弱さを客観視する必要がある。直視することはできても、舞台に上げるのはかなり難しいだろうし。巨乳創の、その作風、表現の刃物の鋭さを、再確認した舞台だった。
・・・と、書けば書くほど、舞台の本質からズレてしまう気もするが・・・。私の勝手な解釈だったら、どうしよう、と思わなくもないけれど。ここまで書いて当日パンフを読んだら、それ程大きく外れていなかったので、ホッとしてみたり。とにかくみて、体験するしかない。彼女が出来たら解散らしいが、まだ続けて欲しいから彼女はおあづけ。
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