<観劇レポート>マチルダアパルトマン「世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 マチルダアパルトマン「世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | マチルダアパルトマン |
題 | 世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ |
脚本 | 池亀三太 |
演出 | 池亀三太 |
日時場所 | 2020/10/07(水)~2020/10/11(日) 花まる学習会王子小劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2018年、ぬいぐるみハンターの活動を終了した池亀三太の呼びかけによって結成。
どこか不器用な人間たちの不器用な生き様を間抜けさと哀愁で描く。
演劇がより多くの人の日常に侵食していくべく模索しながら
これまでの小劇場の枠に囚われない自由な発想によって演劇の敷居を低く、
他ジャンルとの境界を曖昧にしながらユーモア満載で活動していく。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「世界も三角、土俵も三角」
出演 葛生大雅 早舩聖 松本みゆき児童養護施設で育ったあの子は、大人になって爆弾魔になっていた。
世界を敵にまわそうとするあの子と、お相撲さんになれずにまわしを外したあいつと、ベルトコンベアを見つめるだけの私との奇妙で怠惰な共同生活が始まる。上演時間:45分予定
「特殊になれなかった者たちへ」
出演 大垣友 久間健裕 宍泥美今日もまた玄関先で足がすくむ。
人知れず亡くなって腐敗した見知らぬ誰かの痕跡を完全に消し去るように、特殊清掃員たちは今日も働く。
何者にもなれなかった者たちが何者にもなれなかった者の生きた証を消していく。上演時間:25分予定
観劇のきっかけ
好きなので、継続して観ている劇団です。
過去の観劇
- 2021年12月29日マチルダアパルトマン「マンホールのUFOにのって」
- 2019年09月05日マチルダアパルトマン「おへその不在」
- 2019年04月29日マチルダアパルトマン「ばいびー、23区の恋人」
- 2019年04月29日マチルダアパルトマン「舞い上がれ、レジャーシート」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年10月7日 19時30分〜 |
上演時間 | 70分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページから、Peatixというサイトでチケットを購入しました。
サイト上でクレジットカード決済をしました。
スマホの画面を見せて入場しました。
客層・客席の様子
男女比は、3:7くらい。全体的に、様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・静か
・シンプル
観た直後のtweet
マチルダアパルトマン 「世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ」70分休無。
人懐っこいというか、愛おしいというか、そんな感じのする2作。テーマを語るのがとても野暮ったく思えてくる。人へのまなざし、的な感じ。真に受けると辛いシチュエーションなのに、ほんわかした。オススメ。 pic.twitter.com/R4WQcOjJ2V— てっくぱぱ (芝居が好き・映画も好き) (@from_techpapa) October 7, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
短編二本。
2作とも、第三者の優しいまなざしの見られている感覚が、とても強い作品だなぁ、と思う。
舞台に立っている役者さんは、とても自然にナチュラルに演じているのに、同時にどこかその世界が、お伽話のような感覚にもなる。絵本を読んでいる人の、第三者の視点の存在感・・・とでもいうのか、ちょっと冷めためで冷静に見ている感覚がつきまとう。それが、まなざし、っていう感覚につながっていく。
2作とも、人生の境遇的には、あまり恵まれていない人が集まっている作品。こんなとき「ふきだまりのような」なんて表現を、ついつい使ってしまいそうだけれど、その「まなざし感」に見つめられていて、絶望感がないというか、とても前向きのようにさえ思えてくる。なので、テーマを語ってしまうのがとても恥ずかしくもある。
これまで観たマチルダアパルトマンの作品にも共通しているけれど、その軽い感覚が作り出す舞台が、とても愛おしいなぁ、と思う。そんな作品だった。
「世界も三角、土俵も三角」
施設を出た大人たちが、ささやかな共同生活。淡々としているけれど、言葉が鋭い。「嫌いな野菜をカレーに入れない自由」、「土俵に上がれないお相撲さん」、「力を持っている感覚で十分」とか(ちょっとうろ覚え)。仮病なのに、バイト先に休む連絡入れないなら、何のために仮病なのか分からないよ、っていうやりとりも好き。
「特殊になれなかった者たちへ」
会話で、3人のバックグラウンドが2転も3転もして面白い。元お笑い芸人が、相方の才能を片時も疑っていない、あのやりとりがとても好き。率直さが、話に現実味を落としてくれている感覚だった。
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