<映画レポート>「ソング・トゥ・ソング」
【ネタバレ分離】昨日観た映画、「ソング・トゥ・ソング」の鑑賞レポートです。
もくじ
映画基本情報
タイトル
「ソング・トゥ・ソング」
2017年製作/128分/PG12/アメリカ/原題:Song to Song
配給:AMGエンタテインメント
キャスト
クック:マイケル・ファスベンダー/BV:ライアン・ゴズリング/フェイ:ルーニー・マーラ/ロンダ:ナタリー・ポートマン/アマンダ:ケイト・ブランシェット/ミランダ:ホリー・ハンター/ゾーイ:ベレニス・マーロウ/デュアン:バル・キルマー/リッキー・リー/イギー・ポップ/パティ・スミス/ジョン・ライドン/フローレンス・ウェルチ
スタッフ
監督: テレンス・マリック /製作:サラ・グリーン,ニコラス・ゴンダ,ケン・カオ/製作総指揮:グレン・バスナー,クリストス・V・コンスタンタコプーロス,タナー・ビアード/脚本:テレンス・マリック/撮影:エマニュエル・ルベツキ/美術:ジャック・フィスク/衣装:ジャクリーン・ウェスト/編集:レーマン・アリ,ハンク・コーウィン,キース・フラース/音楽:ローレン・マリー・ミクス
公式サイト
ソング・トゥ・ソング
(公開後、一定期間でリンク切れの可能性あり)
映画.comリンク
作品解説
「名もなき生涯」「ツリー・オブ・ライフ」「天国の日々」などを手がけてきた名匠テレンス・マリックが、ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンという豪華実力派俳優を迎え、4人の男女が幸せを模索する姿を描いた人間ドラマ。フェイ役をマーラ、BV役をゴズリング、クック役をファスベンダー、ロンダ役をポートマンがそれぞれ演じるほか、リッキー・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどミュージシャンたちも出演。撮影は「ゼロ・グラビティ」などで3度のアカデミー賞を受賞したエマニュエル・ルベツキ。
あらすじ
音楽の街、オースティン。フリーターのフェイは大物プロデューサーのクックと密かに付き合い、売れないソングライターのBVは、そんなフェイに思いを寄せていた。その一方で、恋愛をゲームのように楽しむクックは夢を諦めたウェイトレスのロンダを誘惑する。さまざまな思いが交錯する中、4人に思いもよらない運命が待ち受けていた。
満足度
(2.5/5.0点満点)
鑑賞直後のtweet
映画「ソング・トゥ・ソング」
ストーリーはともかく。概ね2秒毎に遷移するカット割でここまで”画になる画”を集めたのはすごい。インスタ映えとか軽い言葉では表せない程の画。美しさは素晴らしい。
中身はほぼない。空虚。金にまみれたら愛は見出せないってだけ。女優二人の画を楽しむにはよかった。 pic.twitter.com/q0Z9e03HPX— てっくぱぱ (@from_techpapa) December 29, 2020
感想(ネタバレあり)
映像がものすごく奇麗。でもなんというか、ものすごい空虚な映画。どう表現したものか。
テーマは至極単純。金では本当の愛は見い出せない。だから、金にまみれたら、愛を見出すのはとても難しい。有名なロックアーティスト、金は有り余っている。でも愛がない。恋人を囲って自由にさせて、束縛しない事で愛を見出そうとするけれど、上手くいかない。その関係に足を踏み入れてしまった人々の話。・・・テーマは分かるんだけれど。なんだろうなこの、見終わった後の妙に空虚な感覚。
内容が無い・・・という訳でもないのだけれど、やっぱり上演時間に比して、描いている事が薄い、っていう感覚は否めない。悪く言えば、単に間延びしている。内面的な感情を、モノローグ的に描く作品が故に、ものすごく長く感じてしまう作品。奇麗な映像で、創り手が、ナルシスト的に酔っている感覚さえ滲み出ている。
「愛は金で買えない」っていうのは割と普遍的なテーマだけれど、アプローチがとても真正面というか、ストレート過ぎて、ひねりがない、というのもある。真正面からのアプローチが逆に、むしろどこか童話的な雰囲気さえ匂わせる。現実味があるのか、現実味がないのか。見ていて境目が曖昧になる。豪華な建物やホテルの部屋が何度も登場して、立体感のある映像なのに、どこか平面的に感じる映画だった。
とは言うものの。おおよそ2秒くらいで変わるアングル。その一つ一つの画が、美的に洗練されている。出ている俳優たちも、周りの風景も。単純に、見ていて美しい。美しさの観点では、文句のつけようがない。美しさを堪能するのであれば、良い映画なのかもしれない。