<観劇レポート>SPOTTED PRODUCTIONS『アルプススタンドのはしの方』 高校演劇ver.

#芝居,#高校演劇,#SPOTTED PRODUCTIONS

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 SPOTTED PRODUCTIONS/浅草九劇『アルプススタンドのはしの方』 高校演劇ver.の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名SPOTTED PRODUCTIONS/浅草九劇
『アルプススタンドのはしの方』 高校演劇ver.
チーム関東チーム
脚本籔博晶
演出若宮ハル(若宮計画)
日時場所2021/01/07(木)~2021/01/11(月)
浅草九劇(東京都)

団体の紹介

ホームページにはこんな紹介があります。

個人事業として映画の配給・宣伝(『童貞。をプロデュース』(07/松江哲明)『片腕マシンガール』 (08/井口昇)『SRサイタマノラッパー』(09/入江悠)など)を手がけたSPOTTED PRODUCTIONSが2010年に法人化。主な配給宣伝作品に『魔法少女を忘れない』(10/堀禎一)『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12/入江悠)『フラッシュバックメモリーズ3D』(12/松江哲明)『自分の事ばかりで情けなくるよ』(13/松居大悟)『恋の渦』(13/大根仁)『百円の恋』(14/武正晴)『サッドティー』(14/今泉力哉)『At the terrace テラスにて』(16/山内ケンジ)『ワンダーウォール劇場版』(20/前田悠樹)『迷子になった拳』(20/今田哲史)、配給協力作品に『カメラを止めるな!』(17/上田慎一郎)『街の上で』(19/今泉力哉)などがある。また、企画から携わった作品に『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは「鳴り止まないっ』(11/入江悠)『おとぎ話みたい』(13/山戸結希)『5つ数えれば君の夢』(14/山戸結希)『おんなのこきらい』(14/加藤綾佳)『ワンダフルワールドエンド』(14/松居大悟)『いいにおいのする映画』(15/酒井麻衣)『私たちのハァハァ』(15/松居大悟)『聖なるもの』(17/岩切一空)『少女邂逅』(17/枝優花)『なっちゃんはまだ新宿』(17/首藤凜)『はらはらなのか。』(17/酒井麻衣)『アイスと雨音』(17/松居大悟)『月極オトコトモダチ』(18/穐山茉由)『暁闇』(18/阿部はりか)『左様なら』(18/石橋夕帆)『無限ファンデーション』(18/大崎章)『アストラル・アブノーマル鈴木さん』(19/大野大輔)などがある。『アルプススタンドのはしの方』では浅草九劇での上演(19/奥村徹也)→映画版(20/城定秀夫)→浅草九劇での再上演(21/奥村徹也、若宮ハル)までの企画・プロデュースを手がけている。

SPOTTED PRODUCTIONS

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

夢見る頃が過ぎても、叫ばずにはいられないっ。

野球のルールを知らない演劇部×ふてくされ補欠男子×成績優秀孤立女子
冴えない4人の1シチュエーション会話劇
「アルプススタンドのはしの方」が浅草九劇に戻ってきた!
2019年6月に舞台化、2020年に映画化され、多くの人の心を震わせてきた「アルプススタンドのはしの方」。今回は、東播磨高等学校演劇部 全国大会優勝オリジナル戯曲に挑戦します!演出家は、前作に引き続き奥村徹也(劇団献身)と北九州で活躍している現役大学生 若宮ハル(若宮計画)の2チーム構成、関西弁と標準語でお贈りします!

観劇のきっかけ

昨年映画で見て、忘れられずの観劇です。やっと舞台版を観れる。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年1月8日
19時00分〜
上演時間55分(途中休憩なし)
価格4500円 全席自由

チケット購入方法

九劇のホームページからのリンクで、e+で予約、クレジットカード決済しました。
セブンイレブンで、予約番号を伝えて受け取りました。手数料110円がかかりました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。男女ともに様々な年代層の方がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・青春

観た直後のtweet

映像化の情報

配信公演が予定されています。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

映画を見て、舞台は初見。基は高校演劇の作品。全国大会の優勝作品。2019年にも同様の形態で舞台化されていたようだけれど、その時は観に行けなかった。

この戯曲はほんと、力強いなぁ、というのを感じる。何故にそこまで、内省的な旅を強いてくるのか。その事をとにかく考えてしまう。観ていてお話を追いかけつつも、そこに見ているのは自分自身、という構造。追憶にうっすらと涙が止まらない。ボールを追いかける演技は、客席の方を凝視するのだけれど、こちらは最前列でチロチロと泣いているし、内省的な旅の最中に見つめられると、ものすごく恥ずかしさもあったりする。(役者さんはボールを追いかけているのだけれど)

映画版は、茶道部の顧問の先生や、吹奏楽部の部長など、周りの人々のエピソードが追加されていたけれど、今回の作品は、「高校演劇ver.」という事で、おそらくオリジナルを大きく変えず上演しているのだと思う(チームによって、標準語/関西弁の違いはあれど)。映画版から入ってしまったので、どうしても映画を「正」にしてしまう傾向にある自分。演劇部の苦悩、野球部の苦悩、みたいなものを、高校演劇版は、割とあっさり描いているんだな、というのが意外ではあった。ただ、演劇の舞台として乗せるなら、客に想像させる余白を残しているのが大事。実際に描かれていなくても、いろんなことが見えてくる。このくらいのあっさりさが、舞台の醍醐味なのかな、逆に映画版は説明が多かったんだな、というのを再認識。映画でのキャストが追加には異論も見かけたけれど、むしろ同じ戯曲素材をベースに、「舞台版」と「映画版」と、受け取り方が違う媒体で、しっかりと計算されて作られているんだなぁ、という事に感心した。

実際に舞台で観てみると、セットも「アルプススタンドのはしの方」っていうタイトルそのままで、映画ではどうしても限られてしまう「はしの方」感がよく出ていた。冒頭、セットを組み立てるのは、先日観たロロ「心置きなく屋上で」を思わせる。高校演劇を意識した上演の場合、よく使われるのだろうか。

気になった役者さん。あすは役の三木理紗子、やはりこの芝居の一番のキーポイントは、あすはの苦悩だけれど。その苦しむ様がとても良かった。