<観劇レポート>Peachboys 「半勃ニョッキ」

#芝居,#Peachboys

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 Peachboys「半勃ニョッキ」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名Peachboys
第10回公演 童貞成り上がりオフィスラブサスペンス
半勃ニョッキ
脚本DJ Bokky a.k.a クソ旦那
演出DJ Bokky a.k.a クソ旦那
日時場所2021/05/18(火)~2021/05/23(日)
シアター711(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

二〇一二年三月旗揚げ童貞コメディ演劇ユニットPeachboys
Peachboysは2009年11月に下北沢シアター711にて上演された短編集、はらぺこペンギン!『再会』の中の1本をシリーズ化するために生まれたユニット。だが、はらぺこペンギン!の作風とは真逆である。はらぺこペンギン!劇団員の川本喬介こと「KYOSUKE」。はらぺこペンギン!やsmartball、ホチキスなどに客演経験のあるフリーの俳優、荒木拓こと「TAKU」。マシンガンデニーロの所属俳優であり、現在は注目劇団チョコレートケーキなどにも客演している菊池豪こと「GO」。更に、はらぺこペンギン!常連客演である山川恭平こと「KYOKYO」が2013年よりメンバーに加わり、上記4名のユニットとして活動している。作・演出は、はらぺこペンギン!主宰であり、現在、吉本新喜劇や神保町花月などの舞台で脚本・演出を担当、NSC東京で演技講師も務めている白坂英晃。Peachboysというユニット名からも何となく想像できる通り、上演する芝居の内容は、モテナイ童貞男達が女性にモテるように頑張るコメディーを中心とする。毎公演、キャリアのある客演陣を含めた出演者全員が全力で「下ネタ」「アニメのパロディ」「バカ」を演じ切る姿が大きな笑いを生んでいる。観劇後、何も残らないバカ楽しい下ネタ芝居を創造する、ふざけた演劇ユニットです。

黄金のコメディフェスティバル2015 鈴木聡賞 受賞
黄金のコメディフェスティバル2015 日本コメディ協会賞 受賞

Peachboys

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

ケン・ヨーヘイ・ハヤオは20歳の仲良し童貞3人組。だったのだが…。

9回くらい公演やって来ていきなりの変更で恐縮ですが、ちょっと飽きたので、時は流れ、10年後。

ケン・ヨーヘイ・ハヤオは30歳の仲良し童貞3人組になっていた。もはや童貞であることなど、特に気にもならない、達観した気持ちでそれぞれの勤務先で日常を送る彼らだったが、ある日を境に、その日常は脆くも崩れ去る!

現れる、イチモツが異様に膨張した頭取!同じくイチモツの膨張を抑えられない係長!彼らは特命を受けていた!

更に異様に誘惑してくるあの子に、気になる部下の女の子、ユーチューバーのあの子は自撮り棒を突き刺してくる!「美味〇んぽ!」と叫ぶ、あの子は一体…!?

そびえたつ、東京セントラルドグマ銀行。童貞たちは、遂に、ち〇このエージェント契約を迫られるのであった!果たして彼らはスッキリできるのか!?そして、今度こそ、本当の本当に、童貞を捨てることが出来るのか!?

これは、このご時世で完全に不要不急の、意味も意義も間違いなくない、土下座の物語である!

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年5月19日
19時00分〜
上演時間100分(途中休憩なし)
価格3500円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページから、事前清算を選択してPass Marketサイトで購入・決済しました。
当日、送られてきたQRコードと名前を申告して入りました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。様々な年齢層がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
下ネタのオンパレードです。下ネタが苦手な人は辛いかもしれませんが・・・基本は下ネタで「笑い飛ばす」コントなので、アレルギーのある方でも観易い方ではないかと思います。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・笑える
・童貞

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前に書いてある通り…ケン・ヨーヘイ・ハヤオは、30歳になった。そして、やっぱり童貞。そしていつもの物語…。でもまあストーリーはどうでもいいや。頭の中には何も残らない。ただ笑い転げていた。滝川クリステルも、アグネスチャンも、杏じゃなくてアン・ルイスも、Niziuも、愛ちゃんも、ショムニも、大和田専務も、半沢直樹も、小泉一家も…たくさん出てきたけれど。でも、何も残らない。観終わった後、爽快な疲労感と、この100分現世の事は忘れていたなぁ…な幸福な感覚。たまらなく面白かった。

コロナで公演が延び延びになって、本公演は2年ぶりとの事。私自身、もうPeachboys作品を何本も観ているような錯覚に陥っているけれど、番外公演「昇天」を合わせて、まだ3本目。たくさん観ていると錯覚するくらい、この団体の事を渇望していたのだろうな今更ながらと気が付く。昨年5月、延期になった時は本当にがっかりした。コロナで焦らしに焦らされてしまった。初日に観なきゃ、と心に決めていた。「このご時世で完全に不要不急」とあるが・・・いや少なくとも私は、この瞬間を渇望していたし、不要でも不急でもない。客席にいて、そんな事を改めて思った。

内容は・・・これまでと同じバカバカしいパロディ基調の下品なコメディ。元ネタは90年代前後のドラマやアニメが多い。おそらく脚本を書いているDJ Bokky a.k.a クソ旦那が、アラフォー世代なんだろう。そんな路線は、これまで同様踏襲しつつも、「鬼滅の刃」や「半沢直樹」や「ワンピース」なんかの最近のアニメもパロりつつ、下ネタ全開で進むコメディ。(あ、「ワンピース」は最新っていう程でもないか。)

元ネタを全く知らなくても、ビジュアルとシチュエーションだけでちゃんと笑えるようになっている緻密な芝居作りも健在。知ってるネタは大爆笑だし、知らないネタもそれなりに面白い。特に、元ネタが喉まで出かかっているのに思い出せない時、絶妙なタイミングで、説明っぽい台詞が入るのが嬉しい。単にパロディでバカやっているだけでなくて、知らない人も取りこぼさないというか、誰もがある程度のレベル感で笑えるように緻密に作られている。

下品で下ネタの嵐だけれど、男優さんのねちっこさはもちろん、女優さんの思い切りの良さが心地よい。結局、30代になってもケン・ヨーヘイ・ハヤオは童貞で。ケンとヨーヘイは童貞捨てたけれど…「昇天」同様、夢落ち。ラスト、クリステルが横たわっているのを見て、夢落ちが予想できて笑ってしまった…。オチを予想できて大爆笑って、どんだけ訳わからんコメディなんだろう。

シアター711は狭い。特にPeachboysの芝居は、汗が飛ぶ、飛沫が飛ぶ。アクリル板で舞台との間を仕切っての公演は、これまでも何本か見てきたけれど、やはり客席に独特の疎外感みたいなものがあったりする。でも、Peachboysにそれは全くなかった。むしろアクリル板を飛び越えて熱気が伝わってきた。前説で、舞台側で声が反響してしまう、という説明があった。熱量の芝居だから、どの程度熱くなれば、アクリル板を超えて伝わるのか、なんていう思考錯誤もあったのかもしれない。唯一困ったのは、たまに、アクリル板に反射した、バカ笑いしている自分の姿が映る事。

ラスト。「コロナ」という言葉が具体的に出た時、客席の雰囲気が一瞬で、変わった気がした。そこまで笑いの嵐の中にいたので、ふと現実に戻ったような感覚だったと思う。それでも、やっぱり「紅」を歌いながら、Dr.マリオがきっとコロナやっつけてくれるよな、というのを、バカバカしくも信じてしまった。しかし、あのマリオは、リオ五輪の安倍首相のパロディ的な要素もある?…てか、Dr.マリオなんてキャラ、久々すぎて忘れてたよ。

そして、アン・ルイス。曲まで流れているのに、何故に即座に、思い出せなかったのかな、私。・・・っていうかむしろ、杏が登場するのをちょっと期待していたんだな。(笑)

舞台#芝居,#Peachboys