<観劇レポート>劇団「地蔵中毒」「母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団「地蔵中毒」「『母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた』」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団「地蔵中毒」 |
回 | 第14回公演 無教訓意味なし演劇vol.14 |
題 | 母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた |
脚本 | 大谷皿屋敷 |
演出 | 大谷皿屋敷 |
日時場所 | 2021/07/21(水)~2021/07/25(日) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇団「地蔵中毒」は、思いついてはみたものの、社会に発表するにしては「見せられる側が迷惑」な、くだらない「思いつき」の供養の場として発足された、「無責任エンターテイメント集団」である。
ぼんやりと浮かんだ輪郭の無い「思いつき」を、「無職」「無気力」「無教養」の三重苦を抱えたメンバーがコーティングして、ぐにゃぐにゃな形のままお届けする演劇には「?」がいっぱい。
欲しいのは「演技力」よりも「日銭」!
毎日お腹いっぱいなら、それでいい!
演劇河川敷でフラフラと廃棄弁当を貪る演劇ホームレス!
それが劇団「地蔵中毒」です。
事前に分かるストーリーは?
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」が原作のようですが、あらすじらしき記載を見つけられませんでした。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年7月21日 18時30分〜 |
上演時間 | 140分(開演15分押しを含む。途中休憩なし) |
価格 | 3500円 e+で購入分は指定席 |
チケット購入方法
e+で予約、カード決済しました。
セブンイレブンで受け取る時に、システム利用料110円を現金で支払いました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらい。
男性はスーツ姿多し、女性はいろんな年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
観た直後のtweet
劇団「地蔵中毒」「母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた」140分・押15分含・休無
劇団初見。んー分からない。いつもこんな感じなのか。ドストエフスキー下敷きだからないのか。演劇として作り込まれ方はすごいし言葉選びも鋭いけど。ただ唖然って感じ。所々細かいところで笑う。感想聞きたい。 pic.twitter.com/wjfAF0V8iF— てっくぱぱ (@from_techpapa) July 21, 2021
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
話題になってる「地蔵中毒」。毎回予定合わずに観れてなかった。やっと観れたけれど・・・いやーよく分からない。劇団の自己紹介の通り、「思い付き」を芝居にしている感覚が確かにある。けれど、演劇的な創り込みの深さ、みたいなものも感じる。なので、どう捉えたらいいの?という当惑の中にいる。観終わった後、他の人の感想とか評論を読んでみたいのだけれど、それらしい・・・というか、私の疑問に答えてくれそうなのをまだ見つけられていない。誰か助けて、という感覚の中にいる。
お話はドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」が下敷きらしい。読んだ事ないなぁ、と思っていたけれど、物語を観ていると、何となく覚えている個所が何度も登場するので、抜粋で読んだか、オマージュのような作品に出会ったことがあるのだろうと思う。ウィキペディアのストーリーを読む限りは、2時間にコンパクトに収めながらも、かなり物語を端的にちゃんと再現しているように見える。会話の中の言葉の選び方、、、脚本のセンスみたいなものをとても感じる。言葉が端的で鋭い。下らないギャグも含めて、ズバッと何かを射抜くような、鮮やかな語感がある。
客席、、、なんとなくの雰囲気だけれど、常連が多い感じ。感覚が正しいとすると・・・、基本路線はコメディなのだから、常連だし、もう少しドッカンドッカン受けても良さそうなのに、全体的には「ややウケ」け、なクスクス笑いを紡いでいく感覚が、むしろ不思議。印象的だったのが、劇中、「まさか!」「GHQについて話している?」(うろ覚え)的なやり取りがあったけれど、そんなギャグ、分かりにくすぎて数人しか笑っていない(マッカーサーって言いたいんだろうよ)。そういう細かいネタを折り重ねて、打率2割をギリギリキープ出来ていない8番バッターの感覚が続く。客の中に、無理して笑っている集団がいて、・・・きっと身内?、と、ちょっと痛い感覚もあったりする(無理して笑うもんでもなかろうよ)。でもマッカーサーには気がつかんしね。
下品な描写は、どこかコンプソンズに通じる部分がある。・・・というより、急遽出演が決まった、星野花菜里と大宮二郎が、コンプソンズらしさをにじみ出させている気も。そういえば、コンプソンズも言語化がとにかく難しい。「地蔵中毒」もしかり。ただ、コンプソンズは、ギリギリの所で絶対に笑える、、、というか、笑いの打率が全般的に高い。(とはいえ、コンプソンズも「ややウケ」がベースラインだけれど)。過去公演のリストをみていると、噂に聞いた「オルギア視聴覚室」もリストにあるし。その系譜の公演、という事だろうか。
そういえば、JavaScriptは1ミリも出てこなかった。Javascript(node.js)をたまに書く私が言うのだから間違いない。・・・と断言したいけれど、断言するのも怖い。どこかに出ていたのかもしれない。知らんけど。
ドストエフスキーを下敷きにした物語だったから、こうなったのか・・・もよく分からない。自由な物語だったら、また違った印象だったのだろうか。e+で貸し切り公演もして、何となく波に乗っている劇団だけれど、理解出来るか、仲良くなれるかは、この公演だけでは分からないのかもしれない。誰か、どう解釈したらいいのか、助けて欲しい。