<観劇レポート>横浜夢座「横浜ローザ 赤い靴の娼婦の伝説」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 横浜夢座「横浜ローザ 赤い靴の娼婦の伝説」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 横浜夢座 |
回 | 五大路子ひとり芝居 |
題 | 横浜ローザ 赤い靴の娼婦の伝説 |
脚本 | 杉山義法 |
演出 | 西川信廣 |
日時場所 | 2021/08/12(木)~2021/08/17(火) 神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
横浜に関わりのある歴史・人物を掘り起こし、有名無名を問わずこの街に生きる人たちの喜び悲しみを描いて、命の尊さを伝える演劇を創ります。
地域の人々(個人・企業・自治体)そしてマスコミメディアの方々のご協力により、演劇活動を通して、世代を超えて人々の心の交流・地域間の演劇交流、芸術文化の発信と発展に努めております。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
ヨコハマに実在した伝説の娼婦「メリーさん」をモデルに
五大路子が演じてきた物語
―25年目の開幕!横浜、伊勢佐木町裏の雑居ビルのエレベーターホールを住処とする老女がひとり…
彼女は、人から「ローザ」と呼ばれる伝説の娼婦だった。
やがて、彼女は自分の半生を振り返るように語り出す…
故郷広島から初めて横浜に来た日、そして愛する人のこと…
白いドレスに、歌舞伎役者のように白く塗った顔と黒々とした太いアイライン。
第二次世界大戦後、横浜の街角で娼婦としての生き方を貫いたひとりの女が今蘇る…
昭和・平成・という時を、この横浜の街に、白いドレスを着、顔を白く塗り、赤い靴を履いた1人の老娼婦が実在した。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年8月12日 14時00分〜 |
上演時間 | 75分(途中休憩なし) |
価格 | 5000円 全席指定 |
チケット購入方法
チケットかながわで予約しました。
別の芝居を観に行くついでに、県立音楽堂のチケットセンターで受け取りました。
Suicaで決済しました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
割と50代upのお客さんが多かったです。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・泣ける
・考えさせる
観た直後のtweet
横浜夢座「横浜ローザ」75分休無
五大路子のひとり芝居。やっと観れた。よかった。横浜に行きた娼婦メリーさんの生涯。戦争に翻弄された人生。私が子供の頃は、まだ伊勢佐木町に座っていた。この話がどれくらい真実に基づいているかは分からないけど、しんみりと感じ入る。オススメ! pic.twitter.com/8TslWDuiFW— てっくぱぱ (@from_techpapa) August 12, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
横浜に実際に居た、娼婦。通称メリーさん。その生涯を基調にして、五大路子の一人芝居で描く作品。長く横浜で上演されてきたけれど、いつも公演回数が少なかったり、すぐに満席になったりで観れなかった。今回、KAAT大スタジオでの公演。スケジュールも合って観劇。
冒頭。晩年メリーさんが過ごした、伊勢佐木町のビルらしき空間の描写。パイプ椅子。んー、これ一人芝居、場が持つんかいな…と不安に思ったけれど。若い頃を回想し出すあたりからは、一人で空間を摑み切ってて、冒頭感じた不安は全く杞憂だった。どっぷりと物語に漬かれた。さすが25年間、上演され続けた物語だけはある。
私自身、横浜の歴史に興味があるのだけれど、残念ながらメリーさん関連の本はあまり読んだ事が無い。しかも私自身は、メリーさんを見た事はない。小学6年生くらいの頃、習い事の先生に話を聞いた。真っ白の女の人が伊勢佐木町あたりにいる、と。聞いたっきり、結局会う事は無かった。そういう意味では、メリーさんの存在は、伝聞として聞いている都市伝説だ。「ヨコハマメリー」というドキュメンタリー映画は2度ほど観た事ある。
そんな私。劇中気になったのは、この話は実話なのか?、あるいは実話と思われる回想で構成されているのかな?、という事。冒頭「五大路子っていう女優が私の身辺を探っている」っていう冗談のようなセリフが出てくるけれど。五大路子自身が聞いた話なのだろうか。物語なので、全て真実である必要はないけれど、どのあたりが事実で、どのあたりが空想なのか、というのが少し気になる。
…そんな事を思っていたら、映画「ヨコハマメリー」の監督の同じような疑問から端を発した文章を見つけることができた。この時代の娼婦たちの像を、半ば創作も含めローザという女性に集結させた、という事なのだろう。けれどもやはり、メリーさんという強烈な個性をベースにしている事も確かなのだろうな。
この時代の娼婦の生き様。戦争がいかに人の運命を翻弄していくのか。そんな事を静かに舞台の世界に浸りながらの観劇だった。