<観劇レポート>U-33project「カムカムバイバイ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 U-33project「カムカムバイバイ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | U-33project |
回 | 第33回池袋演劇祭参加作品 |
題 | カムカムバイバイ |
脚本 | 結城ケン三 |
演出 | 結城ケン三 |
日時場所 | 2021/09/08(水)~2021/09/12(日) アトリエファンファーレ東池袋(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2015年8月に発足した演劇団体
読み方はユーサンサンプロジェクト 主宰は結城ケン三世の中で話題になる出来事、ニュース、思考は全て
「マジくだらない〇〇」からなるという考えの元に作品を提供
“笑いを取りにいかない笑い”のスタイルを基本に
日常、非日常にある不条理に様々な視点で噛みつき
ユーモアで真意を隠すスタイルによって
笑いの中に真面目なテーマを隠しメッセージを伝える
過去の観劇
- 2023年08月20日U-33project「燦々」
- 2023年05月26日U-33project「コスモポリタン」
- 2022年09月16日U-33project×route.©️「真っ赤なブルー」
- 2022年06月25日U-33project「もんくちゃん世界を救う」
- 2021年11月30日U-33project「嫉妬深子の嫉妬深い日々」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
私は今凄く気になることがある
最初はちょっとした“興味”だった
だけど私の頭はいつしかそれでいっぱいになった
でも、他の人からしたら知ったこっちゃないらしいおかしい…こんなに私は興味を持っているのに!
しかしその人にもどうやら別の興味があるらしく…興味が興味を繋ぐ急展開ホラーコメディ
あなたの興味は何ですか?
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年9月10日 18時00分〜 |
上演時間 | 80分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichで予約しました。
当日現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5。年齢層は様々でした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・考えさせる
観た直後のtweet
U-33project「カムカムバイバイ」80分休無
劇団初見。凄まじい演出・表現力。こんな小さな劇場でそこまで表現するか!って感覚。物語はちょい青臭さいし中盤ループ感あるけど、落とし方で背筋にゾゾってきた。開演前の構ってツイートを反省?。既に有名な団体??小劇場好き観てください。超オススメ! pic.twitter.com/IWZ0XyuKo2— てっくぱぱ (@from_techpapa) September 10, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
5人の登場人物それぞれの小さな世界(インナーワールド)を、数珠つなぎに断片的に描いて行く作品。それぞれの「神」が存在しているのだけれど、「神」は、単に自ら作り出したものだし、自ら求めたもの。・・・SNSの小さな画面、狭い視野角から、見たいものだけを見て「神」と崇めている現代の人々を、速いテンポのコミカルな劇で描きつつ、少し皮肉った作品。
とても粗削りだし、テーマの描き方には若さ、青臭さも感じる。高校演劇で扱われそうな作品でもある。それでも、小さな劇場で、「小さな世界」を紡いでいく。表現・演出が巧みで心地よい。久々に、小劇場で身震いするような体験をした。
とにかく芝居のテンポがいい。情景描写を丁寧にしなくても、瞬時に色んなことを描いていく。役者さんが一人ひとりが上手いからなのか、照明・音響の良さなのか。あるいは、演出の力が大きいのか。あるいはすべてか。終始、馬鹿馬鹿しいやり取りでもあるのに、観ていて乗せられてしまう。物語の大半は「小さな世界」を紡いでいるだけなので、どこかエチュード的というか、テンポよく遊んでいるようにも見える。
50分くらい観たところで、あれひょっとして、これは笑って観る話だった?的な事に思い当たる。観終わった後、作品紹介を読むと「ホラーコメディ」と書いてある。・・・客がコメディと受け取るのは、なかなか難しい作品な気もするけれど、そういう見方もあったのかも。
70分くらい観たところで、「んー、これどうやって落とすんだろう」、みたいなことを考える。そこまでは、「小さな世界」の断片を描いただけだし。そのまま終わるはずもない(終わったら、さすがにブチ切れる笑)。・・・そんな事を思っていたら、畳みかけ方は唐突。登場人物が黒子になる。携帯電話を持った人が登場し、さらっと落とし込んで終わる。
この落し方。私は「鮮やか!」と感じたけれど、ネットで他の人の感想を読んでいたら、「意味がよく分からない」と書かれているものも。劇の中盤が、ちょっと同じような話が続くので集中力が途切れそうになったのは確か。60分くらいにまとめて、ラストは少し分かり易い説明があった方がいいのかも(それこそ、高校演劇で上演されそう)。とはいえ、「テーマだぞ~」と、あまりに長々語ってしまうと、変に説教臭い演劇になってしまうけれど。
面白い団体を見つけた感覚。小劇場の醍醐味。3か月連続で公演するらしいので、注目してみようかなと思う。
印象に残った役者さん。月海舞由、7変化ならぬ5変化。緩急自在で印象的。小泉愛美香、存在感がすごい。ある別の小劇場役者さんに似ていて、ちょっと驚いて劇中パンフで名前を確認してしまった。