<観劇レポート>@emotion「FLAG MAN」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 @emotion「FLAG MAN」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | @emotion |
回 | @ emotion presents Minipression CASE4 |
題 | FLAG MAN |
脚本 | 門野翔 |
演出 | 門野翔 |
日時場所 | 2021/09/15(水)~2021/09/19(日) 上野ストアハウス(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページに劇団紹介はありませんが、2008年に旗揚げされた劇団のようです。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
【あらすじ】
旗を上げるのが仕事です。
街の人が元気でいるためには、みんなが夢に向かって頑張るには僕があげる旗が必要なんです。アナタが悩んだとき、答えに自信がない時、僕が旗を上げるんです。
この仕事は代々僕の家に継がれてきた仕事です。
ここは誰にも渡さない。「あなたの夢はどんな夢?」
「僕?夢?僕は旗をあげてる。」
「旗をあげてるあなたの夢は何?」
「...わからない。」そっから僕と彼女の冒険は始まったんだ。
狭い世界で生き抜く方法、そして狭い世界を抜けて夢広がる果てしない場所へ。
@emotionがお送りする、あなたの背中を押すハートフルファンタジー。 待望の新作。
ー上げなきゃいけないんだ、こんな時だからこそ。ー
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年9月17日 14時00分〜 |
上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
価格 | 5500円 全席指定 |
チケット購入方法
当日観劇を決めました。受付に直接行き、当日券を買いました。
客層・客席の様子
男女比は7:3。
男性は、20代の若い層と40代upくらいの二層が多かったように思いました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・ファンタジー
観た直後のtweet
@ emotion「FLAG MAN」120分休無
高評価とストーリを読んで興味持ったけど、全く手に合いませんでした。旗のモチーフは良いけど、苦悩をセリフで語られてもなぁな感覚と、2つの世界のシンクロが全く効果的でない。演劇に物語を求めてる私には辛い。ストーリより別のものを観るべき芝居なんだろうなぁ。 pic.twitter.com/svA4nteeQ2— てっくぱぱ (@from_techpapa) September 17, 2021
満足度
(2/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
中世?くらいのどこかの王国。旗を掲げて、その掲揚を守るのが仕事の人がいて、毎日淡々と旗を上げて守っている。その国の姫は、他国の王子様と無理矢理結婚されそうになっているけれど、外の世界を見たい姫は、国を出たがっている。ひょんなことから旗を掲げる男に相談。結婚予定の王子は浮気性で、姫の妹と関係を持ったり・・・。結婚が発表される日、旗を守る人は自分のやりたい事は何か、と考えて、異常事態を示す赤い旗を掲げる・・・と、かなりはしょって強引にまとめるとこんな話。
率直に、つまらなかった。事前にストーリーの中の記載にある、旗をあげて守るのが仕事…というのが、どんな風に物語に繋がるのか、その隠喩が膨らんだら面白そうだな、と興味が出て観劇を決めた。でも、旗のメタファーの描写より、登場人物のそれぞれが、「こう悩んでます」と、それぞれ語る物語になってる。登場人物が多いので、一人ひとり悩み語りしてもそれなりに時間がかかる。・・・んー、それだと悩み語る弁論大会なんだよなぁ、と思いつつ。
所々に現代のシーン・・・スーツを着た女性が、何かのきっかけで会社をクビになって、落ち込んでいる様子が挟まれる。セリフのない、無言劇のスタイル。本筋のストーリーの姫が「国の外を見たい」思いと、仕事をやめた若いOLが仕事をクビになった事から立ち直っていく話とを重ねて描くのが、お話の意図なのだろうとは思う。…確かに「落ち込んでいる」という事は、二人の共通点なのかもしれない。
現代の世界のOLが、何故会社をクビになったのかも詳しくは描かれていないのが、まず致命的だし。仮に、詳しく描かれていたとしても、それは王族に対する生き方の制約の中で「外の世界を見る・知る」事とは、全く方向の違う悩みだろう。その二つを、あまり捻りなく無理矢理シンクロさせて見せようとするものだから、当惑しかない。OLが知るべきは、外の世界よりもまず「自分自身の立ち位置」だろう。なんだろ、この現実逃避な視点は…と、40代社会人の視点としては、思わざるを得なかった。そんな状況で、旗のメタファーは、全く効いてこない。このメタファーに少し期待してしまった分、残念の想いが半端なく強かった。
殺陣のシーンは、それ程長くはないものの割と本格的。役者さんが、美男美女揃いで、(悩み語りで)一人ひとり見せ場がある。役者さんを目で追って、それぞれ愛でる視点で見るのは、楽しい芝居かもしれない。けれど、演劇に物語を求めている私には、全く不向きな舞台だった。
役者さん、隣国の王子を演じた人・・・配役表がなかったけれどおそらく、名倉周。どこか、第三舞台に入りたての若い頃の筧利夫を思わせる、変なギャグと、エロさと、スッとぼけっぷりが、心地よくて好きだった。