<観劇レポート>猫のホテル「ピンク」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 猫のホテル「ピンク」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 猫のホテル |
回 | 猫のホテル 30周年本公演 |
題 | ピンク |
脚本 | 千葉雅子 |
演出 | 千葉雅子 |
日時場所 | 2021/10/06(水)~2021/10/13(水) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
CoRichにはこんな紹介があります。
1990年11月、国学院大学演劇研究会出身者を中心に、千葉雅子、中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺーらで旗揚げ。メンバーの入れ替わりがありつつ、佐藤真弓、池田鉄洋、いけだしん、村上航、岩本靖輝、菅原永二が参加。既成の脚本ではない独自の世界を追求する。
劇団設立当初は、森田や中村らが作・演出を担当したり、メルヘンやブラックな笑いなど様々なパターンの芝居を試みた後、エチュード稽古を絶え間なく重ねがら千葉が作・演出を手掛けるスタイルに至る。リアルかつ個性的な役者と千葉の作・演出による猫ホテ独特の作風により「人間のバカ哀しさ」を描いた作品で注目を集め、新作を創り出しながらも「苦労人」「イメチェン」などは再演を重ねた。
メンバーの外部への客演や映像などの他ジャンルへの出演も増え、2004年には、池田鉄洋が猫のホテル劇団内コントユニット『表現・さわやか』を旗揚げし、それぞれが精力的に新たな可能性を追求する。そして2010年の「イメチェン~服従するは我にあり」では初めて外部から福原充則氏を招き演出を託した。それを機に、劇団としては新たな一歩を踏み出すべく、自由度の高い公演を模索し始める。2011年の「わたしのアイドル」では女性二人芝居に挑戦。新たな可能性を見い出す。そんななかメンバーの異動もあり、2011年菅原永二が劇団を離れフリーとなり、2012年池田鉄洋がユニット「表現・さわやか」とともに劇団をはなれユニットに専念する。劇団23年目にして、生まれ変わる時期にある。11月公演の新作「峠越えのチャンピオン」はその一歩である。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
染めてやるのだ、この空気!
新宿で芝居を始めた頃は飲み盛り食べ盛りで、朝まではしゃぎたくて仕方なかったけど、
今はひっそり慎ましく、21時過ぎればもう瞼が重い。
加齢もコロナも容赦ない。
できないことが増えて、記憶の細部がこぼれ落ちて行く。
うら枯れた想いがあふれて行くばかりだ。
このままじゃシャクだから、色めく人々が色をなす芝居をやる。
欲望のまま登りつめようとする荒々しいおんなの闘いを描く。
いろいろと経てこその『ピンク』だ。
愛らしさ、お色気、郷愁、マダム・・・好きに想像してほしい。
100年前は男児の色として、50年前はレディやカーテンを形容して文化の一翼として、
変幻自在に生まれ変わったその色で染めてやるのだ。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年10月07日 19時00分〜 |
上演時間 | 110分(途中休憩なし) |
価格 | 4300円 全席指定 前半割 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで、PassMarketで予約・カード決済しました。
当日送られてきたメールのチケットリンク先を見せて、指定席券と交換してもらいました。
(PasssMarketに記載されている記号は、指定席の席指定ではありませんでした。)
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
50代upくらいが目立つ客席で、年齢層高めでした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
観た直後のtweet
劇団 猫のホテル「ピンク」110分休無
30周年にして劇団初見。面白かった。ただ何を観たのか、すぐに言葉にする自信が無い。濃厚な人間ドラマと言ってしまえばそれまでなんだけど。女の生き様、生きづらさとか言うのも、正しいようで違う気もする。他の作品も観てみたいな。客の年齢層高し。オススメ! pic.twitter.com/woQskXr7D0— てっくぱぱ (@from_techpapa) October 7, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
劇団30周年にして、劇団初見。記憶の片隅にはあった…くらいの劇団名。たまたまチラシが気になっての観劇。
幼い頃、ミツコの家庭教師として出入していた、大学生のカヨ。二人の文通、時には共同生活を通しての半生記。どこか、男に軽く扱われ、男に翻弄されながら生きている様な様を描く作品。
流石老舗劇団。舞台空間にどっぷり漬かってしまった。ただ困ったことに、言葉が殆ど出てこない。描かれているのは、カヨとミツコ、二人のタイプの違う女が、ミツコが幼少の頃に出会い、夜の店の女たちを仕切るまでになる姿を描く。そこには常に、女を食い物にするような男がいて、あるいは男に食い物にされている女がいる。カヨとミツコ以外の女たちは、男優が女装をして演じる。その事自体がどこか、男が女を軽く見ている事の表現のようにも感じる。
タイプの違う二人の女だから、生き方も当然違う。舞台の半ば、結婚式の余興に白けるカヨ。この二人は共同生活したら上手くいくのか…と思えばやはりうまくいかない。どん底まで堕ちた所で、さらに男に食い物にされている女に出会う…。ラスト、父への積年の恨みを晴らして、手錠をかけられるカヨ。そして逃亡。テーマを敢えて語るのも野暮な芝居で、「それでも生きる」という事なのだと思うけれど。女の生きづらさと、たくましさと。淡々とした芝居の中でその人生の断片を、垣間見たような気がした。