<観劇レポート>あやめ十八番「音楽劇 百夜車」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 あやめ十八番「音楽劇 百夜車」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | あやめ十八番 |
回 | 第十三回公演 |
題 | 音楽劇 百夜車 |
脚本 | 堀越涼(あやめ十八番) |
演出 | 堀越涼(あやめ十八番) |
日時場所 | 2021/10/29(金)~2021/11/02(火) 東京芸術劇場シアターウエスト(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
俳優、堀越涼が作・演出を務める劇団。
2012年に俳優・堀越涼が
旗揚げした演劇ユニット。歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の
古典芸能を基礎とし、古典のエッセンスを
盗み現代劇の中に昇華することと、
現代人の感覚で古典演劇を再構築する
ことの、両面から創作活動を行っている。全ての作品で、日本人特有の感覚や美意識を作品作りのテーマとしている。
また、歌舞伎の下座音楽や落語の囃子に影響を受け、劇中音楽が全て生演奏であることも特徴の一つ。
過去の観劇
- 2023年08月12日あやめ十八番「六英花 朽葉」
- 2022年09月02日あやめ十八番「空蝉」
- 2020年11月14日あやめ十八番 「江戸系 宵蛍」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
能に描かれた小野小町の伝説、“百夜通い”。
男の求愛を受け入れる代わりに、女が設けた条件は、雨の日も雪の日も、百日続けて通うこと……
現代に蘇る百夜通い伝説。男は週刊誌の記者、女は連続殺人犯。
あやめ十八番が描く新作“擬古典”は、“和のオペラ”とも言われる能を題材にした和製音楽劇。ーーーーー
『特集!死を招く純愛。千葉連続不審死事件』
交際男性5人、相次ぐ不審死……。
世間を震撼させた“稀代のシリアルキラー”清水謡子の単独取材!
その知られざる生い立ちから、100日間に及ぶ裁判の傍聴記までを完全収録!
取材を続ける中、本誌記者S氏との間に交された秘密の契約とは……?
週刊『明朝』が総力を挙げて送る千葉連続不審死事件・決定版!
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ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月1日 13時00分〜 |
上演時間 | 165分(途中休憩10分を含む) |
価格 | 4500円 全席指定 |
チケット購入方法
CoRichで予約しました。
当日、受付で現金でお金を支払い、座席指定された券をもらいました。
客層・客席の様子
男女比は3:7くらい。
様々な年代層がいましたが、平日マチネだからか女性が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・音楽劇
・シリアス
・悲恋
観た直後のtweet
あやめ十八番「音楽劇 百夜車」165分含休10
圧倒的すぎて、美しすぎて、頭ぼ~っとしてる。正直、私自身の世界の見方とは全然違う人々の物語なんだけど。そこにあるモノを信じずにはいられない何か。音楽劇。大迫力。凄いなぁ。なんかこの世にいる心地がしなかった。まだフラフラしてる。超オススメ! pic.twitter.com/gbIK97fN7i— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 1, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
百夜車(ももよぐるま)。おそらく、首都圏連続不審死事件と、百夜通いとを下敷きにした物語。連続殺人・・・をしたらしき、収監され裁判を待つ女性と、ゴシップ週刊誌の記者、実方融との恋、裁判への百夜通いの関係を軸に、その女性と殺された人々の関係や、女性の生い立ち、周りの人々への影響を、音楽劇として描いた作品。
小野小町の百夜通いの伝説と、連続殺人事件は何故起こったのか…を結びつける、凄い想像力。不遇の女性、清水謡子が、どうしてこのような状況になってしまったのかを描く。物語から受けた印象としても、記者の実方融の結論からも、私も、彼女は殺人を犯したように思う。その殺人に至る心理の過程を、壮大に描く物語。見方によっては、連続殺人を肯定するかのような表現にも見えてしまうけれど、それでも、そうならざるを得なかった理由を誠実に検証した上の物語に感じる。
・・・正直なところ、殺人事件にかんしても、和歌をやり取りする二人にもついても、私自身は物語の中に入る事は出来なかった。理解できない心理だった。それでも、物語上の人物に対して、その存在というか意思を信じられる。そういう説得力があった。
ミュージカルというより、確かに「音楽劇」(この二つの正確な違いが何なのかは、よく分かっていないけれど、雰囲気的にミュージカルじゃない。)全編生演奏の曲。舞台上に、垂直に立ち上がる、ゴシップ週刊誌編集部のデスクの風景。不安定な足場の中で演じられる物語。不安定で雑然としているのに、とても美しい。圧倒的な空間の中にいるからこそ、中々入り込みがたい物語に入り込めた気がした。