<観劇レポート>SPIRAL MOON「たましずめ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 SPIRAL MOON「たましずめ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | SPIRAL MOON |
題 | たましずめ |
脚本 | はせ ひろいち(劇団ジャブジャブサーキット) |
演出 | 秋葉 舞滝子 |
日時場所 | 2021/11/10(水)~2021/11/14(日) 「劇」小劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
SPIRAL MOONは、多数の舞台に出演してきた秋葉舞滝子(2008年7月に秋葉正子より改名)が、1997年に設立した演劇製作ユニットです。
演出は秋葉舞滝子が行い、公演ごとにベストマッチの役者をキャスティングしています。
1998年11月にプロデュース公演を開始、コンスタントに年1回の公演を積み重ねることで製作体制を固めていき、下北沢進出となる2004年からは満を持して年複数回の公演を行うようになりました。
丁寧な芝居作りが評価され、2004年11月に開催された第11回BeSeTo演劇祭(東京開催)参加団体に選出、2005年3月、10回目の公演となった下北沢「劇」小劇場での『あのひとだけには』で観客動員が1000人を突破し、勢いに乗って2006年4、5月に行われる第6回愛知県芸術劇場演劇フェスティバルの参加団体に選出され、一般審査員の投票の結果、グランプリを受賞しました。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「……ねえ、行かなくていいの?」
「ああ…忘れてた」
「またまたぁ…」
「何? ずっと考えてたの?」
「ううん……時々」
「そう……」本公演はSPIRAL MOONで繰り返し再演されて好評をいただいている書下ろし作品『夜のジオラマ』の作家であるはせ ひろいち氏(劇団ジャブジャブサーキット)の夏の一夜を舞台にした短編作品『まちかど』『西向く桜井』『落花生と柿の種』の上演です。 >
今年2021年6月に予定しながら東京都に発出された緊急事態宣言の影響の中で感染状況を鑑み中止とした公演の出演者、スタッフ等が再集結し、感染防止対策を万全にして上演に臨みます。
上演時間は約70分を予定しています。途中休憩はございません。☆本公演は一部ダブルキャストとなっておりますのでご予約の際はご注意下さい。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月11日 19時30分〜 |
上演時間 | 65分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichの公演サイトから予約しました。
当日、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
様々な年齢層の観客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・不思議
観た直後のtweet
SPIRAL MOON「たましずめ」65分休無
劇団初見。短編2つ(3つ?)。ハイコンテキストというか、感覚的なモノの詰まった風呂敷を目の前で広げられた不思議さ。大人向けのおとぎ話とでも言うか。意味を理解出来たか分からないけど(理解するものでも、ないのかもだけど)不思議な鎮魂の時間に迷い込んだ。 pic.twitter.com/Qunnr20JMF— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 11, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
人気の噂は聞いていたけれど、劇団初見。今回は3本の短編作品集。1本目と3本目は繋がっているようにも思う。3作に共通しているのが、説明を極端に排除した上で、とも不思議な状況を、空間全体を使って描く。
『まちかど』『落花生と柿の種』
1作目と3作目は、おそらく繋がっている。まちかどの占い師。その前のベンチで本を読んでる女。そこに、「今から連れてくる男に"運命の人だ"」と言ってほしいと懇願する、別の女。男を連れてきて占いが始まるが、、、、実はベンチに座っている女は、そこには居なくて。男は、その女と刹那、落した本のやり取りをする・・・。
・・・おそらくこの女は、既にこの世界には居なくて。男はこの女の事を引きずっているのかもしれない。何かを察知して、その占い師の前にやってきたのかもしれない。・・・と書いてて解釈には、全く自信が無いけれど。そんな刹那な、微妙なやり取りを描いたもの。『落花生と柿の種』は、その後2人が結婚を決める時のやり取り、精霊流しをする下りを短く描く。
『西向く桜井』
自殺願望?のある息子をつれて、ド田舎の精神科医の所にやってきた母。社にお供え物をする得体のしれない男が、実はその精神科医だった。診察?していくうちに分かってくる、息子の過去。何が原因で、自殺をしようとしているのか、過去、祖母を死に追いやった(かもしれない)記憶が、うっすらと浮かび上がってくる・・・。
「劇」小劇場の舞台とは思えないくらい、舞台全体を大樹が占める。シンプルながらも、どこか、人の交わる風景を切り取ったであろう事が示されている。舞台に上がる階段や、トイレにも、そのような趣向が凝らされていて、空間全体で物語を紡ぐ。
タイトルが、「たましずめ」。鎮魂・・・とでも捉えればよいのだろうか。喪失してしまったものに対する想いが、ごくさりげなく描かれる。2作とも、状況を示すような説明が極端に省かれているので、うっかりすると何の話なのか、迷ってしまいそう。あるいは、私の物語の解釈は間違っているかもしれない。そう思うくらい、微妙なやり取り(実際、間違っているかも)。空間全体で、とても儚いものを表現しようとしているように感じる。
ズバッと切り込んでくる演劇では無いので、好き嫌いは分かれるようには思うものの。大人のためのおとぎ話のような空間を、少しキツネにつままれたような感覚で味わう。そんな舞台だった。