<観劇レポート>劇団ミックスドッグス「ココロノケモノ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団ミックスドッグス「ココロノケモノ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団ミックスドッグス |
回 | '21 Autumn stage |
題 | ココロノケモノ |
脚本 | 奥田悟史、沼田天音 |
演出 | 奥田悟史 |
日時場所 | 2021/11/18(木)~2021/11/21(日) 劇場MOMO(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇団ミックスドッグスは、2011年2月、作家・演出家の奥田悟史により、東京理科大学・劇団ポコポコの同期と結成されました。間もなく、10周年を迎えます。
活動指針は「どんなときでもあなたを元気に!」。人間と物語と演劇の力を信じたストレートプレイを追求し続け、ジェットコースターのように展開する戯曲、鮮やかな照明、心揺さぶるロックサウンド、ハキハキ喋ってガシガシ動く熱量高い演技を武器に、音楽、映画、SNS、ネット配信など多様化するエンターテイメントに対抗できる演劇を目指しています。
劇団名は雑種犬を意味します。「血統書の無い演劇界の隅っこスタートの僕らだけど、新たな血統と認められるくらいのし上がろう!」という野心と、「個性を掛け算し、持ち前の愛嬌で世界に笑顔を!」という願いが込められています。
現在、劇団員の中で旗揚げメンバーは奥田1人になりました。けれども、新たな仲間に恵まれ、この度、次なる10年の目標を決めました。
「動員100万人の劇団になる。」
……みんなで決めた、どうしようもなく壮大な目標。愛と夢のパワープレイ劇団として、希望しかない未来を全力で駆け抜けようと思います。
何より、あなたの応援が不可欠です。是非一度、僕らの公演にお越しください。どんなときでもあなたを元気にします。それでは、劇場でお会いしましょう!
過去の観劇
- 2022年12月11日劇団ミックスドッグス「鏡の仮面はブラフにて」
- 2022年05月20日劇団ミックスドッグス「グッドバイ,グッドボーイ」
- 2019年12月13日劇団ミックスドッグス「グッドバイ,グッドボーイ」
- 2019年06月28日劇団ミックスドッグス「発明少年天才ピカリ」
- 2019年03月27日劇団ミックスドッグス 「ナイゲン」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
人の心には獣が棲んでいる……ハウルは獣が見える者で構成された、犯罪集団だ。心を操り、人を動かす。構成員の杏夏は、陰の仕事で荒稼ぎしてきた。政治絡みに産業スパイ。心の黒豹は、そんな杏夏が好きだった。
ある日、おいしい依頼が舞い込む。怪しげなファイトクラブへの潜入……単なる浮気調査で終わるはずが、相棒の小野寺は満足しない。心の狼が余計な匂いを嗅ぎ付けたのだ。世界を揺るがす計画、先生と慕われる人物の本性、心に蠢く不気味な蛇。狼に巻き込まれ、泥沼に嵌っていく……
杏夏の気がかりは、それだけではなかった。小野寺が呼んだ助っ人は、半年前に別れた倫太郎、その恋人の柚綺。じゃれ合うイタチと猫の姿に、黒豹はすました様子だったが……
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月18日 13時30分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3800円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
様々な年代層の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・SF
・考えさせる
観た直後のtweet
劇団ミックスドッグス「ココロノケモノ」100分休無
面白かった。ずいぶん出演者数が多いな、と思ったがこんな仕掛けとは。物語はちと腑に落ちない部分があるけど、ケモトと人とのやり取りが、とにかくいい。想像力をくすぐってくる。会話がクロスする所、もう一度観たら気づくことありそう。オススメ! pic.twitter.com/n6iTpQmRl2— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 18, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
人の心には、それぞれケモノが住み着いている。そのケモノが実際に見える特殊能力を持つ4人が開いた探偵事務所。ある男の浮気調査から始まり、その背後にある謎の団体と計画が明るみに出る。これは浮気調査であって、探偵事務所は正義のヒーローではない。それでも、ココロノ中のケモノは、それを放置しておくことを許さない。そんな葛藤を描いた作品。
登場人物すべてに、ココロノケモノがいる。それぞれのココロノケモノを別の役者が演じ、常に寄り添いながら会話をする。なので、特殊能力を持つ4人が会話すると、舞台上には8人役者がいる。ココロノケモノは文字通り、獣。人によって、黒ヒョウ、うさぎ、猫、ライオン、蛇、などなど。表面上の「タテマエ」の人の姿と、「ホンネ」のケモノの姿が常に見えながらの会話。この会話が、とても面白い。
実際の人間も、ケモノ同士も、心を通わせていれば会話できる。でも、心が通っていないと会話が成立せず、ケモノの言葉は、相手のケモノに言葉が届かない。この構造で織りなされる会話が実に絶妙。細かく聞いていると、ここに集った人々にどんな背景があるのか、自然と想像が向いてしまう。ケモノたちの描写が皆愛らしくて、観ていて楽しい。この状況のまま、もう少し会話を聴いていたいな・・・と思うシーンがいくつもあった。
浮気調査の線上にあがってくる謎のファイトクラブと、組織と、ウイルス計画。それを暴いていくのが、物語の軸。ファイトクラブ内では、人間同士の殴り合い。もちろんケモノも一緒に殴り合う。アクションシーンが観ごたえあり。「ファイト」とか「ウイルス」は、何かのメタファーだろうか。あるいは単に、この状況を見せるための設定と考えればいいのか。その辺りのテーマが、私には上手く理解できなかったのが残念だった。
ケモノ達が、みんな反則、と言いたいくらい可愛い(#ケモノフレンズ、とかTwitterで流れてたけれど)。特に、物語の軸、幾世優里とそのケモノ、松尾音音の黒ヒョウの、ココロの中の会話がとても印象的だった。