<観劇レポート>下北澤姉妹社「月の記憶」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 下北澤姉妹社 「月の記憶」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 下北澤姉妹社 |
題 | 月の記憶 |
脚本 | 三井快 |
演出 | 西山水木 |
日時場所 | 2021/11/24(水)~2021/11/28(日) シアター711(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページに、団体紹介はありませんでした。
過去の観劇
- 2024年05月16日【観劇メモ】下北澤姉妹社 「リンカク」
- 2022年05月13日下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
人工湖のほとり。
小さな食堂。
細腕で支えて来た母が新型の感染症で亡くなった。
同居の長女の元に
次女と三女が帰還する。鎮魂する男。
招魂する男。娘たちは精霊(しょうろう)の舟を浮かべる。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年11月25日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichのページで予約しました。
当日現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
40代upの高めの年代層が目立った感覚でした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・シンプル
・ミステリアス
観た直後のtweet
下北澤姉妹社「月の記憶」105分休無
ど真ん中会話劇。面白かった。お盆に図らずも集ってしまった三姉妹と、父の分からない娘との時間。なんてことない日常でもあり。遠い人との記憶でもあり。会話で、丁寧に紡がれていくのが心地よい。泣というよりその時間につい観いってしまう芝居だった。オススメ! pic.twitter.com/84NVCDLnVr— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 25, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
湖の側の田舎町。親子孫3人、女だけで営む食堂。コロナでおばあちゃんが、前触れもなく亡くなった。2週間の隔離が明けた日が、ちょうどお盆。都会から二人の姉妹が帰ってきた。葬儀屋さんは、三姉妹の妹の高校時代の元彼の弟。まん中の姉は、夫との問題を抱えているらしい。脚を患いながらおばあちゃんと食堂を切り盛りしていた姉は、悲しみに明け暮れている。その娘(亡くなったおばあちゃんにとっては孫)は、誰が父親なのか知らされずに大きくなった。食堂がコロナの感染源だと噂されて、無言電話がひっきりなしにかかってくる。奇しくもコロナをきっかけに、三姉妹が集まってしまった。密になるから、町のイベントとしての精霊流しは中止になった。でも、ここに集まった人は精霊流しをしに行く。コロナ禍の今の時間を会話で淡々と紡ぎながら、ゆっくりと過去の時間を紐解いていく物語。
コロナ禍を若干の下敷きにしながら(でも、コロナとは直接関係ない話)、淡々と描かれる会話劇。劇中、回想シーンは全く無いものの、3姉妹とそれを取り巻く人々のそれまでの生き様、生き方が、会話の中から自然と浮かび上がる。その頃の様子が、透けて見える。無言電話の主は一体誰なのか、20年以上の前の事故の真相は何なのか、最後まで明かされない謎を織り込み、少しミステリアスな雰囲気も漂わせながら、精霊流しに向かう人々の気持ちに、どっぷり漬かり切る時間をもらったように思った。
おばあちゃん(姉妹からすると母)が死んだときの、三姉妹のそれぞれの振舞いに、妙にリアリティがる。私の母は、4姉妹の末っ子。中学生くらいの時に祖父が亡くなった。葬式の時の母の様子が、明樹由佳演じる姉のようで。でも、他の姉妹たちはそれぞれ全然違う態度。それは、妹の、松岡洋子、本多真弓によく似ていて。遺灰をめぐる姉妹のあれこれが子供の頃見た、親の死に直面する姉妹の様子があり有り有りと思い出されて、何だか不思議な気分になった。
ラスト、おにぎりを握るのが、どこか「かもめ食堂」っぽいなと思い。