<観劇レポート>conSept「GREY」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 conSept「GREY」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | conSept |
題 | GREY |
脚本 | 板垣恭一 |
演出 | 板垣恭一 |
日時場所 | 2021/12/16(木)~2021/12/26(日) 俳優座劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
conSept=コンセプトは「Simple, Small but Special」をモットーに2016年10月に立ち上げた映像制作及び舞台公演制作を専門とするプロダクションです。
舞台公演において、過去には主に小中劇場向けのオペラやミュージカルの制作及び海外公演、招聘公演のコーディネーターを務めてきました。現在は主に小劇場向けのミュージカルを中心に手掛け、より身近な場所で、もっとカジュアルにミュージカルを楽しめる場を提供することを目指しています。
映像ではサイネージや4K向けのコンテンツ制作に注力していますが、将来的には映像と舞台を融合したコンテンツ制作を目指していきたいと考えています。
以下の過去の実績にはconSeptの代表である宋元燮(ソン・ウォンセプ)がこれまで携わって来た主なプロジェクトを網羅していますが、もし私個人のこれまでの経歴について興味を持っていただけた方は是非こちらのProfileページもご一読ください。
過去の観劇
- 2022年10月21日conSept「SERI(セリ)ひとつのいのち」
- 2022年03月10日conSept「アーモンド」
- 2021年06月11日conSept「いつか〜one fine day〜」
- 2021年03月21日conSept「サイドウェイ」
- 2020年09月12日conSept「Fly By Night~君がいた」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
リアリティ番組に出演していた新人歌手が自殺を図った。なぜそれは起きたのかの顛末を、エモーショナルな楽曲に乗せて送る群像ミュージカル。藍生(あおい/矢田悠祐)は小説家志望で構成作家。欠員の出た番組に、学生時代のバンド仲間 shiro(しろ/佐藤彩香)を推薦する。同じくバンド仲間だったカメラマン金銀(きらり/竹内將人)はそんな展開を喜びつつも心配げ。番組プロデューサー橙(ともる/遠山裕介)や、局アナの茜(アカネ/梅田彩佳)に可愛がられ、shiroはたちまち人気者になる。しかし番組スポンサーの一押しタレントより目立ち過ぎるという問題が起きる。一方、テレビ局の報道局員、紫(ゆかり/高橋由美子)はshiroに別の思いを持っていた。彼女は三年前に交通事故で亡くした娘みどりと似ているのだ。紫の別れた夫で、番組を作った広告代理店の局担当、黒岩(羽場裕一)は番組存続のためshiroの人気を下げる命令を現場に下す。皮肉なことにその責任が藍生に回って来ることで、物語は動き出す。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年12月16日 19時00分〜 |
上演時間 | 130分(途中休憩なし) |
価格 | 6000円 C席 全席指定 |
チケット購入方法
チケットぴあでチケットを購入・決済しました。
セブンイレブンで予約番号を伝えて受取りました。
客層・客席の様子
男女比は1:9。
40代位までの女性が多かったですが、独り観劇の男性も目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・ミュージカル
観た直後のtweet
conSept「GREY」130分休無
音楽劇。カテコダブル。曲と歌は超絶良かったけど。物語、何に焦点を当てた話なのかピンとこない。SNSでの誹謗中傷の話が軸のように見えて、そうでもなく、他にいろんな要素が多すぎて散漫に。結論はそんな安直でいいのか?一人ひとりが、悩みを語り出してるのがちと辛い。 pic.twitter.com/2tC3oF26JV— てっくぱぱ (@from_techpapa) December 16, 2021
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは、事前記載の通り。スターを発掘する?リアリティ・ショウをきっかけに、SNSでの誹謗中傷を受けて自殺する、シンガーソングライターのお話。
「Fly By Night~君がいた」「いつか〜one fine day〜」と、conSept作品は、いい感じのミュージカルが続いてていたので、正直なところ期待値が半端なかったのだけれど…、残念ながら肩透かしを喰らった。ストレートプレイを音楽劇にしたような形態は変わらず、桑原まこの音楽はとても心地よいものの。全体的にストーリーが弱すぎる。結局、一体、何の話だったのか…という感覚が強い。
音楽、全編オリジナル曲。ミュージカルの「ツボ」をおさえられている…とでもいうのか。感情表現から歌唱まで、耳障りのいい曲が多くて、目をつむって曲を聴いている分にはとてもいい。たまに、往年のミュージカルを連想するようなメロディラインが、微妙に紛れ込んでいるのがむしろ嬉しかったり。役者さんの歌唱力も良く、座組としてはバランス取れてていいなぁ、と思ったものの。
shiroと藍生とは、才能の視点で一体どういう関係性・思いがあるのかが全く語られないので、後半、藍生がSNSに誹謗中傷を書き出す動機が、上手く掴めない。必然的に「テラスハウス」の出演で自殺した木村花の件が頭をよぎるものの、最終的には一命を取り止めたshiroは、それでもSNSやってます、と言う。「SNSに立ち向かえないのは、弱さじゃない」といいつつも、結局弱さの問題に、都合よく収束させているように思えてしまう。この作品、SNSをどう考えるかがキーポイントだけれど、SNSでの誹謗中傷、という大上段を構えつつ、結局そこから逃げた作品に見えてしまう。
黒岩と紫の娘の話は、かなり取ってつけたよう。しかも、SNSの問題とは実は別の類の悲しみを、同じ土俵で語る事に無理がある。ラスト近く、shiroの病院の待合室のシーンは、なんでこんな偽の感動的な会話が展開できるのかなー、と思ってしまう。テレビのリアリティ・ショウがどんなものかも、かなり雑な描き方で、'リアリティ'がなくて辛い。しかも、それぞれが「私悩んでまーす」と語り出す不自然なセリフが多くて、いくらミュージカルといえども、そりゃないよな、と思ってしまう。タイトルの「GRAY」…目の病気って、結局物語にどう絡んでたんだろう。今の世の中が「GRAY」に見えるという表現だけで、人を病気にするなよな…。
…全般的にストーリーが中途半端過ぎるので、私には受け入れられなかった。かなり早い段階で醒めてしまったので、冷静に周りを見渡してみたのだけれど、涙している人は殆ど見かけなかったような…。期待値が高かっただけに、失望の大きな観劇になった。
気になった役者さん。佐藤彩香、シンガーソングライターのふわっとした感じがいい。歌声も心地よく。ソロでもう少し聴いていたかった。名前検索すると、一輪車選手の名前しか出て来ないのは何故?だろう。遠山裕介、「Fly By Night~君がいた」に続いて2度目。声がとても特徴的なのと、コミカルな演技が好き。ラストはやっぱり旅に出るのね。高橋由美子、アイドルのイメージが強く、私は今まであまり接点がなかったけれど、舞台を転げ回ってたりして、存在感と歌唱力がすごい。