<観劇レポート>Project Nyx「女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~」

#芝居,#Project Nyx

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 Project Nyx「女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名Project Nyx
Project Nyx 第23回公演
女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~
脚本白石征
演出金守珍
日時場所2022/02/06(日)~2022/02/13(日)
ザ・スズナリ(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

Project Nyx(プロジェクト・ニクス)とは…
新宿梁山泊の水嶋カンナが6年に立ち上げたユニット。宇野亜喜良の総合美術、金守珍の演出を基盤に、不朽の名作から知られざる傑作まで、忘却の彼方に漂うイメージに息を吹き込み、現代のパフォーマンスとして蘇らせる実験演劇ユニット。さまざまなジャンルのアーティストが出逢うことにより、演劇という枠を超え、音楽、舞踊、人形、アートが融合した新たなエンターテインメントの創造を志す。第1回公演「かもめ或いは寺山修司の少女論」では、映画のはねた映画館で、映像、朗読、人形、演劇の融合を試み、いままでにない不思議な舞台空間を生み出した。

Project Nyx

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

Project Nyxの女歌舞伎第二弾「新雪之丞変化」に続き『さんせう太夫』をお送りします!説教節を元に小説や映画化され語り継がれてきた不朽の名作『さんせう太夫』。今回は言葉の錬金術師とよばれた寺山修司の短歌を織り交ぜ、白石征が書下ろした戯曲をアンダーグラウンドからくり芝居として上演!!

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年2月日
19時30分〜$$
上演時間145分(途中休憩なし)
価格4800円 全席指定

チケット購入方法

カルテットオンラインでチケットを予約しました。
当日、受付で現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は8:2くらい。
40代upの男性が目立ちました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・人情劇
・ミュージカル調
・鮮やか

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

山椒大夫。確か高校時代の国語の授業で「安寿と厨子王」を読んだ気がするが…、実はちょっと苦手な話で、良い印象がない。なので少し勇気をふり絞って観に行く感覚だったけど、見事に裏切られた。女歌舞伎、という事もあってか、全ての役を女性のみの出演者で描かれる、華やかな舞台空間(さんせう太夫は女方?)。カラフルな照明と衣装で綴られる、ミュージカル調な山椒大夫。前半は、国語の授業の記憶通り物語に入り込むのに苦労したけれど、後半グイグイと引き込まれて観ていた。私にとっては、文学だと難しい作品を、見事に立体化してくれた感覚。

ミュージカルという程全編を音楽に載せている訳では無いけれど、要所要所に歌が入る演出。時にカラオケマイクで歌い出し、三味線のライブ演奏が舞台全体にビートを効かせ、語りべがバレエダンスを踊りながら語られる。衣装がとても美しく、気が付くと舞台全体が、スズナリとは思えない、雅な感覚。安寿と厨子王の持つ、お守りの観音様は、ヒトカタ(等身大の人形)として、浄瑠璃のように描かれる。インパクトとしては、ビジュアルがとても強烈だけれど、会話劇の物語としてもしっかり楽しめる作品。安寿とづし王(厨子王)のやり取りが切ない。怒りに狂ったづし王が、さんせう太夫を手にかけるシーンが、何とも強烈。ラスト、母との再会に涙。

Project Nyxは、今回が初見の団体。劇団16年目との事だけれど、私は名前すら知らなくてちょっと恥ずかしい。新宿梁山泊の流れを組む劇団のよう。作品説明に「アンダーグラウンド」と書かれているけれど、…アングラ感はとても薄く、どちらかというと、エンターテイメント作品に近い感覚。この作風が持ち味なら、続けて観てみたい劇団だな、と思った。