<観劇レポート>早稲田大学演劇研究会「幸福の標本」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 早稲田大学演劇研究会「幸福の標本」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 早稲田大学演劇研究会 |
題 | 幸福の標本 |
脚本 | それでもかわらだ |
演出 | それでもかわらだ |
日時場所 | 2022/02/09(水)~2022/02/13(日) 早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都) |
団体の紹介
数々の演劇人を輩出している、早稲田大学の演劇研究会です。
過去の観劇
- 2024年12月21日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会「メサイア・コンプレックス」
- 2024年10月21日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会「獄・カーニバル」
- 2024年06月13日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「香格里拉 ―シャングリラ―」
- 2024年05月02日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「邂逅」
- 2024年03月04日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「シン・ワ」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
━━━わたしたちは、「しあわせ」を永久保存することにした
わたしたちは、ながいながい休暇の中にいます。
未曾有のウイルスを横目に、忙しすぎた人間たちが皆、
ゆったりと息をついています。
本当の幸せとはなんなのか。
考え直す時間がやってきたかも知れません。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年2月9日 17時30分〜 |
上演時間 | 90分(途中休憩なし) |
価格 | 1000円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichの公演サイトで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。大学生っぽい人が多かったです。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・考えさせる
観た直後のtweet
早稲田大学演劇研究会「幸福の標本」90分休無
久々の劇研アトリエ。粗削りだし青さも多かったけど、面白かった。もちろん寓話なんだろうけど、いろんな解釈が出来たので、人によって捉え方分かれるだろうな。コロナとも取れるし、資本主義社会とかも。パジャマ女子四人組の無垢さがいいな。オススメ! pic.twitter.com/rNYpH6zov7— てっくぱぱ (@from_techpapa) February 9, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
どこともつかない、近未来の場所。幸せになる薬を飲んでいれば、人々は幸せだ。不運な事故で体に重症を負った主人公の男は、病院の中で守られて生活するようになる。そこには、外界を全く知らず隔離され、でも幸福に暮らしている少女たちがいた。無垢で何も知らない少女たちを不憫に思った男は、彼女たちを外に連れ出す。少女たちは、実は薬を飲んでいなかった。何も知らない少女たちは、外界とどう接するのか。そして、その薬とは一体何なのか・・・と、強引にストーリーを強引にまとめるとこんなお話。どこか寓話のよう。
久しぶりの早稲田の劇研アトリエ。場内公演は、2年ぶりで、劇団公演ではなく、劇研の企画公演との事。テーマには、どこか青さというか、粗さみたいなものも目立つ作品だったけれど、面白かった。
「薬」が大きなモチーフになっている。この薬の正体は、結局最後まで明かされない。どうやらその薬を飲むと、幸福になれると信じている何か、らしい。その隠喩に隠されたものが、あちこちで見え隠れする。資本主義的な労働力・・・いわゆる、いい大学に入って、いい会社に入って・・・という幸福にも見えるし、外界と閉ざされた世界の少女たちからも、ごくありふれた制御できない不幸、のようにも見える。あるいは、(少し拡大解釈かもしれないけれど)コロナで内にこもった人々が、あえて避けようとしているモノ、にも見える。そんな、避けるべきなのか、受け入れるべきなのか、よく分からない何かの総体として、「薬」が描かれている。ただ、いくつも解釈がありそうで、受け取る人にとって、感じることに幅がある作品だと思う。
私にも息子がいる。外界の危険を何とか避けさせてあげたいという思いがある。でも、全ての危険を親が取り除くなんて無理で、その「薬」を飲むのを避けさせ続けるのは難しい。薬を飲ますべきか、飲まさないべきか。そんな矛盾した感情に似た思いを持つことがあるのを思い出した。
気になった役者さん。外界を知らない少女たち4人。パジャマ姿で、無邪気にはしゃぎまわっているのが印象に残る。